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テーマパーティ、第5回「イタリアワイン〈初級篇〉」

<ご報告>

第五回「イタリアワイン〈初心者編〉」のテーマパーティは8月13日(火)、シニア・ワインアドバイザーの寺田裕氏を迎え、代官山のレストラン・シンポジオンにて開催されました。


当テーマパーティの案内役はおなじみ、シニア・ワインアドバイザーの寺田裕氏。
イタリア半島を北から南へと縦断する旅は、長靴型の半島のかかとやつま先にあたる南部4州(カンパーニア、カラーブリア、プーリア、バジリカータ)に到達。それは、なかなか飲む機会のないワインたちとの出会いの旅でした。トスカーナ州やピエモンテ州とは異なる、南部ならではの葡萄品種(アリアニコ、グレコ種など)のワインをたっぷりと味わい、イタリアも日本と同じく縦長の国、北と南とでは全く異なる文化があることを改めて確認する機会となりました。

ちなみに今回のワインでは最後にサーヴされた「セルピコ」(カンパーニア)が一番人気。わずかな差で「タウラージ“ラディーチ”」(カンパーニア)が追う展開となりました。

近年、イタリアワイン界では土着品種・伝統品種の見直しが始まっていて、紀元前にさかのぼる歴史をもつ南イタリアの葡萄たちは熱い注目を集めています。他州の意欲的な生産者が南部に進出するなど、葡萄栽培や醸造技術の改善が急速に進んでいて、目が離せません。そしていよいよ、南イタリアでもいま最も注目度の高いシチリアとサルディーニャが、「イタリアワイン〈初級篇〉」最終回である次回のテーマパーティ(9/13開催)に登場します。お楽しみに!


試飲した南イタリアのワイン8種。
寺田氏のテイスティング・コメントを聞きながら、香りを確認する参加者のみなさん。
[試飲ワイン] *テイスティング順に記載

(1)チロ・ビアンコ Ciro Bianco 2001/リブランディ Librandi
(2)ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスヴィオ・ビアンコ Lacryma Christi del Vesuvio Bianco 2000/マストロベラルディーノ Mastroberardino
(3)グレコ・ディ・トゥーフォ Greco di Tufoi 2001 /フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ Feudi di San Gregorio
(4)フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ“モーレ・マイヨールム” Fiano di Avellino "More Maiorum" 1997/マストロベラルディーノ Mastroberardino
(5)ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスヴィオ・ロッソ Lacryma Christi del Vesuvio Rosso 2000/マストロベラルディーノ Mastroberardino
(6)プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア“リリカ” Primitivo di Manduria "Lirica" 1999/コンソルツィオ・プロディットーリ・ヴィーニ Consorzio Produttori Vini
(7)タウラージ“ラディーチ” Taurasi "Radici" 1996/マストロベラルディーノ Mastroberardino
(8)セルピコ Serpico 1999/フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ Feudi di San Gregorio


ご参加いただいた方にはパーティ終了後に、各ワインのテイスティングコメントなどをまとめたワインカードを送付しています。

ワインをこよなく愛する主催の渡辺も、テイスティングのときは真剣そのもの。 シンポジオンのソムリエ、杉本氏のコメントを聞くと、各ワインに合う料理のイメージが浮かびます。 視線の先はホワイトボードを使ったワイン産地の解説。


[イタリア各州のワインの特徴]


◇カンパーニア Campania

人口約578万人、州都はナポリ。ナポリは町中の乱暴な運転や治安の悪さにも定評がありますが、「ナポリを見てから死ね」という言葉が残るほど美しいナポリ湾があり、ヴェスヴィオ火山がそびえる風光明媚な地。そのほか、遺跡の町ポンペイ、カンツォーネ「帰れソレントへ」に歌われたソレント、ヨットレースで知られる港町・アマルフィー、青の洞窟で知られるカプリ島やイスキア島は観光名所となっています。

ワイン造りの歴史は古く、古代ギリシャ人はカンパーニアの火山灰土壌が葡萄栽培に適していると考え、アリアニコ種やグレコ種の葡萄を持ち込みました。実際、古代ローマ人はアヴェッリーノやヴェスヴィオ周辺のワインを愛飲していたといわれます。それほどの歴史をもちながら、カンパーニアのワイン造りは低落を続け、現在でも全体的な立ち直りは見せていません。

けれども、古代の栄光を取り戻そうとする一部の生産者の動きは顕著ですし、また近年、政府の助成金が投入されるようになって、州を挙げての品質改善が推し進められています。とくに、土着品種回帰が叫ばれる新世紀のイタリアワイン界でも、アリアニコ種は注目を集めています。

生産者としては、長い歴史をもつマストロベラルディーノ Mastroberardino が抜きん出ているといわれますが、フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ Feudi di San Gregorio やヴィッラ・マティルデ Villa Matildeなど革新派の台頭も目覚ましく、いま目が離せない産地のひとつといえるでしょう。

カンパーニアで味わいたいのはナポリ名物、ピッツア・ナポリターナ Pizza Napoletana。バジリコの葉、オレガノ、トマトソースをのせただけのシンプルなピッツア。これにモッツアレラチーズやパルメザンチーズを加えたピッツア・マルゲリータ Pizza Margherita も人気の一品。モッツアレラ・イン・カロッツァ Mozzarella in carozza はモッツアレラを挟んだサンドイッチにバターを塗って小麦粉をまぶし、オリーブオイルで揚げたもの。また揚げナスにトマトソースとパルミジャーノ・レッジャーノやモッツアレラをかけてオーブンで焼いたパルミジャーナ・ディ・メランザーネ Parmigiana di melanzane も人気の郷土料理です。


◇カラーブリア Calabria

ティレニア海とイオニア海に突き出した、長靴型のイタリア半島のつま先部分に位置する州。人口約205万人、州都はカタンザーロ。山岳地帯と丘陵地帯が中心で、平野部は全体の10%に満たないほど。葡萄産地は海岸に近い平野部と丘陵部に広がっています。古代ギリシャ人にとくに愛された地で、葡萄栽培やワイン造りでは長い歴史をもちますが、南部イタリアのなかでもとくに近代化が遅れ、近年、南部各州で行われている外部からの投資もほとんど見られません。それでも、比較的知名度の高いチロDOCを中心に、近代的な醸造法により優れたワインを造る生産者が出てきて奮闘中です。

カチョカヴァッロ Caciocavallo という洋梨形(馬のチーズの意。その形が馬の荷駄に似ているため)の牛乳製半硬質チーズや手打ちパスタ、サラミ類はこの地の名産。また、新鮮な魚が豊富に揚がるので、刺し身にしてオリーブオイルで食べる習慣もあります。


◇プーリア Puglia

イタリア南部東端、長靴型の半島のかかとの部分を占める州で、州都はバーリ。アペニン山脈が次第に低くなって石灰岩の高原に移行する地帯で、北はアドリア海、南はタラント湾に面しています。紀元前6000年にさかのぼる歴史をもつオリーブオイルの名産地。また、ワイン造りの歴史も古く、太陽の光が降り注ぐ平野部で大量に栽培される黒葡萄(1ヘクタール当たりの生産量はイタリア最大)はほとんどがバルクワインとして売られ、北部のワインの補強に使用されてきました。それがシチリアと並んでプーリア州が「ヨーロッパのワイン庫」と呼ばれる所以です。

プーリア北部地区ではまだまだ質より量を重視した葡萄樹の仕立て法が中心ですが、中部丘陵地帯や南部地区では外部からの参入も相次ぎ、葡萄の質を重視した仕立て法への移行が進むなど葡萄そのものの質が向上し、さらに近代醸造法を導入するワイナリーが増えて、量から質への転換を成し遂げつつあります。

郷土料理では、ラム・チョップをグリーンオリーブやランパッショーネ(野生の玉ネギ)と一緒に紙に包みオーブンで焼いたアニェッロ・アル・カルトッチョ Agnello al cartoccioや、耳の形をしたパスタとゆでたカブを和え、黒こしょうとオリーブオイルで味つけしたオレッキエット・コン・チーメ・ディ・ラパ Orecchietto con cime di rapa などが有名です。


◇ バジリカータ Basilicata

上記3州に囲まれた人口61万人の小さな州。州都はポテンツァ。ルカノアペニン山脈とふもとの丘陵地帯が占め、平野部は全体のわずか8パーセント。穀物、野菜、葡萄、オリーブの栽培や牧畜・酪農が産業の中心です。

ワイン生産量はイタリア各州のなかで極端に少なく、アリアニコ・デル・ヴルトゥレ Aglianico del Vulture が唯一のDOC。けれども、モスカート種やマルヴァジア種で造られるワインにも評価の高いものがあります。代表的な生産者はフラッテッリ・ダンジェロ Fratelli DユAngelo、パテルノステル Paternosterなど。

家庭では、テラコッタ製の容器(=ラ・ピニャータ)でトロトロ煮込んでつくられる野菜と仔羊のシチュー「ピニャータ Pignata」や、ピーマンやナス、トマトなどを一度揚げてから煮込むチャンモッタ Ciammotta 、仔羊の内臓と生ハムにチーズとワインを入れて煮込むカズマール Cazmarr など、煮込み料理がよく食べられています。



セミナー終了後の歓談タイム。寺田氏を囲み、東京イタリアン・レストラン情報が飛び交います。
現在当日の議事録、写真を元に詳細なワインカードを作成中で、当日ご参加の方にお配りすべく準備しています。このように自分の舌と鼻、そしてプロから丁寧な指導が受けられる、毎回テーマを決めたワインパーティは他ではありません。

このイタリアワインテーマパーティは、毎回テーマが異なりますので、前回ご出席でなくても、単発でいらしても全くOKです。もちろん、回数が多いと、それだけ種類が多く飲めるということです。ご希望が多い場合は、アンコール開催も行いますので、どうぞご期待ください。


<ご案内>

ギリークラブ イタリアワイン初心者篇 いよいよ5回目です。日程が当初予定の8月16日(金)から13日(火)になりました。休みで出られない!という方が多いので変更しました。

毎回8種類、6回で48種類のイタリアワインを試飲するシリーズ、これまで北から順に32種類試飲しましたが、今回はイタリア半島南部のカンパーニャ、プーリア、バジリカータ地方です。

この回で半島本土は終わり、最終回はシチリアとサルデーニャという、2つの島のワインを残すまでになりました。最終コーナーを回りつつあります。どうぞ奮ってご参加ください。

ご参加の方に後日お届けする詳細なるワインカード、大変好評です。その後イタリアレストランで楽しみが倍化します。

〇テーマ:カンパーニャ、プーリア、バジリカータのワイン8種類

(1)Lacryma Cristi del Vesuvio Bianco(Mastroberardino)ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスーヴィオ白(マストロベラルディーノ)
(2)Lacryma Cristi del Vesuvio Rosso(Mastroberardino)ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェスーヴィオ赤(マストロベラルディーノ)
(3)Greco di Tufo(Feudi di San Gregorio) グレコ・ディ・トゥーフォ(フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ)
(4)More Maiorum(Mastroberardino) モーレ・マイオールム(マストロベラルディーノ)
(5)Taurasi Radici(Mastroberardino) タウラージ・ラディーチ(マストロベラルディーノ)
(6)Serpico(Feudi di San Gregorio) セルピコ(フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ)
(7)Primitivo di Manduria(Pervini) プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア(ペルヴィーニ)
(8)Ciro Bianco(Librandi) チロ・ビアンコ(リブランディ)

※仕入先事情によりワインの変更もありますが、その場合同等の物に差し替えます。



<実施概要>

●タイトル:『イタリアワイン初級篇 第5回』
●ゲスト :寺田 裕氏(シニア・ワインアドバイザー、JAL WSETワイン教室 講師)
●テーマ :カンパーニャ、プーリア、バジリカータのワイン8種類

●日時  :8月13日(火)19:00

●場所  :代官山シンポジオン(渋谷区猿楽町17-16/電話 03-5458-6324)
★地図はこちら→http://www.hiramatsu.co.jp/symposion/map.html

●会費  :会員10000円、ビジター12000円


お申し込みは右記まで → g-club@gillie.co.jp
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