『コミック誌編集の全て その実態と発展性』
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<ご報告>
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ビッグコミック編集長 倉品雄一郎氏
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6月5日、東京21Cクラブ コラボレーションスペース(丸の内ビルディング内)にて、ビッグコミック編集長 倉品雅一郎氏をお迎えしたセミナーが開催されました。
ビッグコミックは今年で創刊35周年を向かえ、成年誌の草分けとして常にトップを走り続けてきました。ビジネスとしても成功を収めており、「ビッグコミック」は、今やブランドとしての価値を築いています。
当日は、司会より倉品編集長の簡単なプロフィール(開催概要参照)のあと、倉品編集長にマイクが渡されました。
冒頭、店頭にはまだ並んでいない、来週10日発売の最新号のご紹介があり、この場でしか目にすることのできない最新号に会場の視線が集まりました。
続いて、「ビッグコミック」という雑誌の紹介がありました。
「ビッグコミック」は1968年4月に創刊されました。現在はなんと女性読者が30%という高い比率です。
その理由は、多くのコミックに蔓延する性表現、暴力表現をかたくなに排除し、純粋に活躍するヒーローと、読者にとって新鮮な舞台をテーマに、感動をコアにしたストーリー作りを行っているからです。それが、読み捨てられずに、安心して、家に持ち帰って奥様やお子様がお読みになるということで、結果として女性読者の比率が非常に高くなっています。
コミックの世界は、少年誌、ヤング誌、青年誌、成年誌と大きく4つに分類されます。
「ビッグコミック」は成年誌に入り、現在の読者の平均年齢は43歳(男性44〜45歳、女性40歳)です。ただし、想定読者としては、10代〜100歳までが楽しめる雑誌を目指しており、それが結果として、飲食店、職場、家庭などでの回読率の高さとなっています。
「ビッグコミック」を愛読なされている方も多いと思いますが、「作る立場」からの「ビッグコミック」の正体を伺い、「おもしろさの原因」に納得された方も多いのではないでしょうか。
その後も、「ビッグコミック」を支える漫画家の先生方のお話や、ヒット作品づくりのコツ、編集者の教育と日々の生活、作家と良好な関係を続けるための編集者のチェックリスト、新連載を起こす際の主人公キャラクターのチャックノートなど、この場でしか聞けない、売れるコミック作りのコツが次々と明かされていきました。要所要所に挟まれる、有名な漫画家の先生のエピソードなども興味深いお話が満載でした。
大人気コミックであり、今や映画やアニメにもなっている「釣りバカ日誌」の北見けんいち氏や、「山口六平太」の高井研一郎氏がともに赤塚不二夫氏のアシスタントであり、ともに40代でのデビューだったことなども伺い、下積みという一言では済まない様々な体験や普段の努力が人をひきつける才能に繋がるのだという事を実感させられました。
一転してコミック雑誌間の人気漫画家争奪競争の話では想像以上の生々しいお話もあり、そのような努力をされてコミック誌を編集されている姿勢にまた驚かされました。
さすがこのように影響力の大きなコミック編集という現場で戦ってきた歴戦の兵、そして今はその指揮官という、倉品編集長ならではの迫力ある話に参加者一同深くうなづきました。
「ゴルゴ13」の作成システムでは、意外な脚本家陣の正体や、とことんまで正確な絵に執着する制作スタッフ、そして、それを支える編集者の取材力、情報収集力など、この作品の人気の秘密とともに、さいとう・たかを氏の鉛筆による下書きの原稿なども見せていただきました。そして日本を代表する劇画 「ゴルゴ13」に関しては機会があればこれだけに特化したセミナーをしていただこうかとも思っています。
その後、質疑応答に移り、当日多く参加されていたTV関係者から(ここらあたりがギリークラブ参加者の幅広さなのですが)コミックがTVドラマの原作に多く使われていることについて、また他の方からも、コミックが広告や販促活動を筆頭に様々な分野で活用されていることについての質問が出、「作品」としてのコミックから飛び出して、「ビジネス」としてのコミックに注目が集まっていることが伝わってきました。
コミックの映画化やドラマ化、アニメ化などのビジネスは、以前は、連載終了後に話が始まるというような状況であったのが、最近は、連載1回目が終了した時点で大手映画会社がコンタクトをとってくるなど非常に早くなっているという実態が明かされました。他のビジネスへの広がりについても、以前と比べて、漫画家の方々も様々なコラボーレーションを喜んでいること、また、ビジネス拡大に向けての出版社の役割、窓口なども確立されつつあることが話されました。
大変密度の濃い倉品編集長のセミナーのあとは、ギリークラブ恒例の交流パーティに移りました。開始と同時に倉品編集長との名刺交換のために行列が発生するというような一幕もあり、閉会の時間を大幅に過ぎての閉会となりました。
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<ご案内>
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今年創刊35年の成年コミックスの雄、ビッグコミック。“ゴルゴ13”や“HOTEL”など誰でも知っている作品で今や日本人の生活の中に、心の中に入っている物語やシーンはもはや“マンガ”という表現には当てはまらないジャンルです。
特に大人を対象とした成年コミックはどのようなマーケティングや企画手法で生み出されていくのか、 編集者、原作者、漫画家のチーム編成は?作家の発掘や育成は?など、全てのジャンルのマーケッターにとって大変参考になる話が満載です。
今回のギリークラブはこのような視点からの雑誌編集長シリーズです。特に今年はビッグコミック35周年ということでコミック界は盛り上がると思いますので、今回に引き続き著名漫画家の方のお話(漫画?)も予定していますが、その導入部となるお話です。
ビッグコミックの読者は70代まで!と伺うと、コミックは活字や映像と並んで表現手法として重要な位置にあり、その観点からももっと研究すべきかと思います。企業や団体の制作物、広告、広報、サイトでの表現・・・コミックは活用できます。
そして今回のゲスト、倉品氏のご担当になった作品、漫画家の方は半端ではありません。豊富な編集経験でコミックの現状はどうなっているのか、だけでなくコミックを活用した様々な事例もお話して頂く予定です。メディア関係、オンラインビジネス関係、マーケッター、製品開発者、広告宣伝関係者、広報関係の方など、幅広い分野の方のお役に立つ話です。
(倉品雅一郎氏プロフィール)
■漫画編集者歴25年。昭和29年生まれ。入社以来一貫してコミック編集にたずさわる。少年誌では「マンガくん」「少年ビッグ」「週刊少年サンデー」、青・成年誌では「ビッグコミック」「ビッグオリジナル」「ビッグスペリオール」所属。01年より『ビッグコミク』編集長
■作品依頼・担当した主な作家■
あだち充、青柳裕介、石ノ森章太郎、石渡治、一丸、浦沢直樹、岡崎二郎、かざま鋭二、国友やすゆき、倉田よしみ、黒鉄ヒロシ、小林よしのり、西岸良平、さいとう・たかを、ジョージ秋山、藤子不二雄A、藤子・F・不二雄 細野不二彦、水島新司、村上もとか、森秀樹、柳沢きみお、かわぐちかいじ他
■編集者として担当した、主な作品(※は、企画を立案した初代担当作品)■
※「HOTEL」/※「化粧師」石ノ森章太郎氏(ビッグコミック)。
「タッチ」・※「ラフ」/あだち充氏。(週刊少年サンデー)。
「ゴルゴ13」/さいとう・たかを氏(ビッグコミック)。
※「おかみさん」/一丸氏(ビッグオリジナル)。
「あずみ」/小山ゆう氏 (ビッグスペリオール)。
「プロゴルファー猿」・※「憂夢」藤子不二雄Α氏/(ビッグオリジナル)。
ほか過去200作品以上。
羽田空港を舞台にした※「ビッグウイング」(作・矢島正雄、画・引野真二)が最新企画・担当作品。
ということで総員30名と少人数で開催します。メンバーの方優先です。お急ぎご意向お聞かせ下さい。
関連サイト
ビックコミック公式HP http://bigcomic.jp/
ビックコミック http://www.shogakukan.co.jp/magazines/mag/big.html
ビックコミックスオンラインショップ http://www.bigcomics.shogakukan.co.jp/
ゴルゴ13 http://www.bigcomics.shogakukan.co.jp/golgo13/index.html
ビッグウイング(TBS) http://www.tbs.co.jp/bigwing/
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<実施概要>
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●タイトル:『コミック誌編集の全て その実態と発展性』
●ゲスト:小学館 ビックコミック編集長 倉品雄一郎氏
〇 日時:6月5日(木)19:00
18:45 受付開始
19:00 セミナー開始
20:00 懇親会開始(飲料と軽食、食事の会ではありません。ご注意下さい。)
21:30 終了
〇場所:丸ビル7F 東京21Cクラブ
〇会費 :ギリークラブ会員3,000円 (同伴のビジター5,000円)
※当日入会も受け付けます。その場合は登録手数料10000円、2002年度通信費5000円を加えてお支払い下さい。
※法人会員登録ご希望の方はご連絡ください。
●参加人数:30名限定
5月27日まではメンバー優先期間です。但しメンバー同伴のビジターはOKです。
お申し込みは右記まで
→ g-club@gillie.co.jp
この機会にギリークラブへの入会ご検討の方はどうぞご連絡ください。
→メンバーになるには
※ご興味がありそうなお知り合いの方にこの会をご案内下さい。本当に興味がある方が集まる会にしたいと思っています。
※当日になってのご欠席は会費をご負担頂きます。ご了解下さい。 ご欠席の連絡は前日までにお願いします。
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