文楽鑑賞&三味線セミナー
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<ご報告>
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<ご案内>
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【満員御礼】
ギリークラブの文楽公演は大変人気です。勿論文楽という芸能の素晴らしさ、奥深さがあるのですが、継続実施している事で、多くの方と知り合い、協力を得られるようになりました。
単に観劇だけでなく、作品の見どころもお聞きし、大夫、三味線、人形遣い、という三業の技芸員の方々、衣装、人形の首(かしら)、床山、小道具、という裏方の皆様とも親しくお話をさせて頂き、様々な質問もさせて頂けるようになりました。
勿論文楽は娯楽ですから、楽しめば良いのですが、それを知っていると楽しみ方が違ってくる、というのも現実です。有難いことに、多くの方に支えられ協力して頂き、ギリークラブの文楽の会が成り立っています。
文楽の東京公演は毎年2月、5月、9月、12月ですが、2008年2月公演は3部制です。
今回は三味線セミナーと観劇会です。三味線セミナーの講師はこの12月公演で抜擢に応えて、大変好評を博した鶴澤清志郎氏です。
三味線は、文楽をオーケストラに例えると指揮者の存在、大夫が義太夫節で物語を語り、人形がそれに合わせますが、その大夫の語りを引き出すのが三味線、決して伴奏ではありません。
そのような文楽三味線の何たるか、易しく教えて頂き、今回は特に、いろんな作品の多くの演目の中から、情景や人物、心理描写をどのように弾くのか、ここら辺も弾いてくださいとお願いしてあります。
大変面白くて興味深いセミナーになると思います。私もとても楽しみです。(実はやって欲しいと頼んだのです)その後公演を観る楽しみがまた一つ増えると思います。
セミナー後の観劇は第2部の公演、
人間国宝の大夫、竹本住大夫さんの芸を堪能しましょう。何といっても現在の文楽界を背負って立つ住大夫さん、その素晴らしさは本当に言葉では表現できません。今回の演目は壺坂観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき)です。
そして、折角の第1部と第3部も観劇ご希望の方に、チケット斡旋という形でご案内します。セミナーはありませんが、ご希望の方はどうぞお申し込みください。
17日(日)18:00の第3部は時代物の義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
24日(日)11:00の第1部は世話物の名作、冥途の飛脚(めいどのひきゃく)
それぞれに名作揃いです。
文楽というと“伝統芸能”というイメージがあると思いますが、江戸時代の“大衆芸能”、時間が経ったから伝統になっただけ、登場人物は我々の周囲にいる人そのものです。
役者さんを観にいく歌舞伎や他の芸能とは違って、物語に深く入り込めるのも文楽の特徴、感情移入して涙を流す方が多いのもわかります。
決して単なる人形劇ではありません。まだご覧になっていない方、2008年文楽デビューをお勧めします。日本の持っている一つの素晴らしさが分かる時間です。
どうぞお早めにお申し込みください。満席になったらご免なさい、締め切りになります。お申し込みをお待ちしています。
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<実施概要>
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●文楽鑑賞&三味線セミナー
●日時:2月10日(日)
13:00 三味線セミナー(講師:鶴澤清志郎氏)
文楽の三味線とは?
情景、心理描写、人物による弾き分け など
文楽三味線 何でも質問
14:00 セミナー終了
14:30 文楽公演観賞
<観劇作品>
●二人禿(ににんかむろ)
竹本南都大夫 竹本文字栄大夫 豊竹始大夫 豊竹睦大夫 豊竹希大夫
野澤喜一朗 鶴澤清志郎 豊澤龍聿 鶴澤寛太郎
(人形)
禿:吉田勘弥 禿:吉田清三郎
●ひばり山捨拾松(ひばりやまひめすてのまつ)
中将姫雪責の段
竹本千歳大夫 豊澤富助
豊竹嶋大夫 竹澤宗助
(人形)
浮舟:吉田玉英 桐の谷:吉田清之助 岩根午前:吉田玉也 奴角内:吉田幸助 奴宅内:吉田玉佳 大弐広嗣:桐竹亀次 中将姫:吉田文雀 父豊成卿:桐竹紋豊
●壺坂観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき)
土佐町・松原の段 豊竹睦大夫 鶴澤清旭
沢市内の段 竹本住大夫 野澤錦糸
山の段 竹本伊達大夫 鶴澤清介 ツレ 豊澤龍聿
(人形)
茶店の娘:桐竹紋吉 女房お里:吉田蓑助 崖頭沢一:桐竹勘十郎 観世音:桐竹勘次郎 参詣人:大ぜい
17:30 終演予定
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(以下、別公演のチケット斡旋をさせて頂きます。)
<2月17日(日)18:00開演>
●義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
・伏見稲荷の段 豊竹松香大夫 野澤喜一郎
・道行初音旅
(大夫)
静御膳:豊竹呂勢大夫 狐忠信:豊竹咲捕大夫
竹本相子大夫 豊竹つばさ大夫 豊竹靖大夫
(三味線)
鶴澤清治 鶴澤清志郎 鶴澤清丈 鶴澤龍爾 鶴澤清公
・河連法眼館の段
中 竹本津駒大夫 鶴沢寛治
奥 豊竹咲大夫 鶴澤燕三 ツレ 鶴澤寛太郎
(人形)
九郎判官源義経:吉田文司 亀井六郎:吉田蓑一郎 駿河次郎:吉田一輔 静御膳:吉田和生 武蔵坊弁慶:吉田勘市 逸見の藤太:吉田玉勢 忠信実は源九郎狐:桐竹勘十郎 佐藤忠信:吉田玉志
<2月24日(日)11:00開演>
●冥途の飛脚(めいどのひきゃく)
・淡路町の段
口 竹本津国大夫 竹澤団吾
奥 豊竹英大夫 鶴澤清友
・封切印の段
切 竹本綱大夫 鶴澤清二郎
・道行相合かご
(大夫)
梅川:竹本三輪大夫 忠兵衛:竹本文字久大夫 豊竹新大夫 豊竹呂穂大夫 豊竹呂茂大夫
(三味線)
竹澤団七 竹澤団吾 鶴澤清道 鶴澤清丈 鶴澤清公
(人形)
手代伊兵衛:吉田勘録 国侍甚内:吉田文哉 母妙閑:桐竹亀次 亀屋忠兵衛:吉田玉女 下女まん:吉田蓑二郎 丹波屋八右衛門:吉田玉輝 宰領:桐竹紋秀 花車:吉田清五郎 遊女梅川:桐竹紋寿 遊女千代歳:吉田和右 遊女鳴渡瀬:桐竹紋臣 禿:吉田玉誉 太鼓持五兵衛:吉田蓑次 駕籠屋:吉田蓑紫郎 駕籠屋:吉田玉翔
※公演内容はこのページの後半に付けておきます。
●会費
・2月10日のセミナー&鑑賞
ギリークラブ会員、9,500円 ビジター11,500円
※会費に含まれるもの。
(観劇チケット代、プログラム代、セミナー謝礼分担金など)
・2月17日、24日のチケット斡旋
ギリークラブ会員、6,000円 ビジター6,500円
●募集人数:
2月10日 40名 【満員御礼】
(2月17日 20名、2月24日 10名)
●会場 国立劇場小劇場(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access
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<参考>文楽を知るためのサイト
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●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/
●国立文楽劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
●文楽協会
http://www.bunraku.or.jp/japanese.html
●人形浄瑠璃 文楽
http://www.lares.dti.ne.jp/~bunraku/index.html
●文楽への誘い
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/bunraku/jp/
●文化デジタルライブラリー(文楽)
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●BUNRAKU MOJIHISADAYU'sPAGE(竹本文字久大夫)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bunraku/c1.htm
●Sakiho.Com(豊竹咲浦大夫)
http://www.sakiho.com/Japanese/
●あやつられ文楽鑑賞(三浦しをんさんのエッセー)
http://www.poplarbeech.com/bunraku/bunraku_040501.html
●関西の伝統芸能の歴史 人形浄瑠璃の歴史と特色
http://www.kippo.or.jp/culture/geinou/rekishi/joruri/main.html
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<< 今回鑑賞作品 国立劇場パンフより >>
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2月10日に鑑賞する作品
●二人禿
京都島原の遊郭で行儀見習いをしている禿が、羽根突きに興じる姿に春の風情が漂います。
●ひばり山姫捨松
奈良・当麻寺の中将姫は、継母の殺意を逃れてひばり山に潜み、のちに曼荼羅を織って極楽往生を遂げたという「中将姫伝説」を脚色した作品です。
右大臣・藤原成卿の妻・岩根御前は、長屋王子を帝位につけようとする陰謀を継子の中将姫に知られたために、口封じに中将姫を亡き者にしようとたくらみます。降りしきる雪の中で、継母に折檻される中将姫の姿が哀れを誘います。
●壺坂観音霊験記
眼病に霊験あらたかな寺として信仰を集めた壺坂寺(壺坂山南法華寺)に伝わる霊験譚をもとに、夫婦の情愛を描いた名作です。
大和壺坂に住むお里は、毎晩沢市の眼病を癒すために壺坂寺の観音様に参詣しています。妻の愛情にうたれた沢市は、ともに参詣することとなります・・・・。観世音の心も動かしたお里、沢市の夫婦の情愛が心温まる物語です。
2月17日鑑賞作品
●義経千本桜
名作として名高い『義経千本桜』より、源義経が拝領した‘初音の鼓’の皮にされた狐の子が大活躍する狐忠信の話を中心にご覧いただきます。
都を追われた源義経のあとを慕い、佐藤忠信に伴われて静御前は吉野山にいる義経のもとへ向います。静御前のお供をしていた忠信の正体は子狐で、静が預かっている‘初音の鼓’から離れがたく付き添っていたのでした。花盛りの吉野山を舞台にした主従の美しい道行と、親狐への恩愛の情が胸に響きます。
2月24日鑑賞作品
●冥途の飛脚
大阪の飛脚問屋・亀屋の忠兵衛は新町の遊女・梅川と深い馴染みで、どうしても身請けをしたいとの思いからついた嘘が次の嘘を生み、とうとう追い詰められて公金横領という大罪を犯してしまいます。次第に転落していく男女の姿を描いた近松門左衛門の世話物の傑作です。
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<<文楽とは>>
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文楽は世界文化遺産にも登録されている、日本の誇る伝統芸能の一つです。人形浄瑠璃文楽座というのが正式な名称ですが、通称文楽と呼ばれていますので和・倶楽部も文楽の会と称しています。
ストーリーテラーとして義太夫節を語る大夫(たゆう)、全ての情景を太棹の三味線とバチ一つで描写する三味線弾き、1体の人形を主遣い、左遣い、足遣いの3人であやつり、あたかも人間のような表情としぐさで人を魅了する人形遣い、その3者(三業)が絶妙に調和して作り出す総合芸術です。
350年ほど前に竹本義太夫と近松門左衛門という二人の天才が大阪に現れ、それから義太夫節による人形浄瑠璃は大評判となりました。竹本座創設は1684年(貞享元年)、近松作品の『曽根崎心中』が大当たりしたのが1703年(元禄16年)です。
江戸時代における時代劇が『時代物』、現代劇が『世話物』と呼ばれ、それぞれに見どころのある作品が多く、文楽が初演で評判になり次いで役者芝居である歌舞伎に移植される作品(丸本ものといいます)も多いのです。
人形に託して人間の奥底を拡大して見せてくれる作品が多く、江戸時代の日本人の忠義、義理、人情、愛憎、といった人間的葛藤をもたらす悲喜劇に涙したり、憤慨したり、感心したり、とても人形劇とは思えない内容です。
初心者はまず舞台上の人形に目が行きます。娘は本物の女性より綺麗(すみません!)ですし、侍、町人、それぞれのしぐさから当日の世相や価値観、そして今も変わらない人情が伝わってきます。
人形遣いのメイン(主遣い)は顔を出しているのに、物語が佳境に入ると、、、顔が、姿が消えてしまうのです。人形だけしか見えなくなってきます。ふと気がつくと、『あ、人間国宝の人の顔を消してしまったぁ』という事になるのですが、人形が人間になり・・・そしてその物語に入り込み・・・気がついてみると涙を流している自分がいたりするのです。
舞台右手に床(ゆか)と呼ばれる浄瑠璃を語る太夫と三味線弾きが座る場所があります。くるりと回って出てくるので「盆」と言われたりします。
何といっても文楽は太夫が中心、人形セミナーで桐竹勘十郎さんが「太夫がへたくそだと人形は滅茶苦茶になります・・・」とおっしゃっていましたが、それだけ重要な中心人物です。太夫の張り切りようは物凄く、汗をだらだら流して、情景を、1人何人もの登場人物の台詞を語り分けます。
その横で静かに座っているように見える三味線、これは決して伴奏ではありません。太棹の三味線(三味線には太棹、中棹、細棹という3つの大きさがあります)を駆使して、音楽というより情景を奏でます。そして、時に太夫をリードする役割もします。
そのような三者が繰り広げる人間ドラマが文楽です。文楽を知るには多くの書籍やサイトがありますが、毎回のセミナーで皆さんが口をそろえておっしゃる事があります。
「文楽は娯楽です。まずは楽しんで下さい。」
そうです、まずは楽しみましょう。但し、ちょっとしたルールを知り、工夫をした方がより楽しめることの事実です。決してオタクにならず、自分が楽しむための学習の場、初心者同士が語り合える場として、和・倶楽部・文楽編を企画しています。
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<和・倶楽部>
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「日本人に生まれたことを喜びたい。」 それが『和・倶楽部』の考えです。
多くの方が自国の文化に直接触れ、自らの感性を研ぎ澄ませると共にビジネスに、役立てて頂きたいと思っています。気になっていてもなかなか自ら手配して見に行くことがおっくう、日本文化とはそういうものでありませんか?
同じく日本文化初心者の渡辺が、皆様に成り代わってこういう機会をアレンジいたしますので、どうぞお気楽に参加して下さい。もちろんお一人でも結構です。ご一緒に体験しませんか?こんなに素晴らしい事が日本にはあります。国立劇場さんはじめ、色々な方が我々の活動に注目し協力していただいています。
和・倶楽部と称していますが、ギリークラブ活動の一環、そしてギリークラブは決して無理に入会されなくて結構ですし、初めての方はまずはビジターでのご参加をお勧めします。その後継続参加したいと思われた時にご入会という手順で考えていますので、決して無理をなさいませんように。もちろん、ずっとビジターでも結構です。(但しメンバー優先になることだけはご理解ください。)
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