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オペラ「魔弾の射手」鑑賞&交流会

<ご報告>



<ご案内>

超初心者の為のオペラシリーズ第6回はウェーバー「魔弾の射手」です。2月16日のレクチャーで、ドイツオペラの原点という解説をして頂き、合唱が素晴らしいオペラである事も分かりました。

日本の昔話に鬼は出てきても悪魔や魔女は出てきませんが、グリム童話もそうですが、よくそういう存在がでて来るのは、ドイツの森が鬱蒼としていて暗いからだというのも納得です。

また射手というからには、鉄砲打ちの話なのですが、狩猟民族だから狩には角笛を使い、だからホルンが効果的に使用され、なるほど、ドイツのオペラはこうなのか、と少し理解できました。

当日は海外のビデオ作品を見てレクチャーして頂きましたが、今回の公演では舞台セットも、ちょっとメルヘン調になりそうですし、また衣装がひびのこづえさんデザインという事で、綺麗な舞台になりそうです。

指揮、演出、主要なキャストもドイツオペラを得意とする方々、これも大いに期待できますね。

ということで、今回のオペラは「魔弾の射手」、「ドイツのドイツ人によるドイツ人のためのオペラ」第一号です。以下の新国立劇場オペラ広報、桑原さんの作品解説をお読み下さい。

いつものように観劇後の交流会では、同じ作品を鑑賞した人同士、グラス片手に余韻を楽しみ、感想を述べ合う時間になります。同好の方、新国立劇場の方との交流がギリークラブの特徴です。

個人鑑賞ではこういう事は望めません。どうぞ奮ってのご参加お待ちしています。レクチャーを受けていなくても問題ありませんよ。森のロマンを楽しんでください。

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オペラレクチャー付き観劇プランの第6弾は、ウェーバー作曲の「魔弾の射手」です。

作曲家ウェーバーは、日本ではあまり耳なじみの無い作曲家かもしれません。しかし、音楽史において、特にドイツ・オペラ史においてウェーバーはとても重要な作曲家です。ウェーバーはモーツァルトによるドイツ・オペラの伝統を継承し、自らの「魔弾の射手」によってドイツ・ロマン派のオペラ様式を完成しました。そしてワーグナーへと流れを導いた作曲家なのです。また、ウェーバーとモーツァルトの妻コンスタンツェ・ウェーバーとは父方の従姉弟同士でもあります。

カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria von Weber, 1786年11月18日 -1826年6月5日)がこの「魔弾の射手」を発表する以前、ドイツではイタリア・オペラを上演することが多く、また舞台も異国風(ドイツ以外の国をテーマにした)の作品が多かったのです。
この「魔弾の射手」の舞台はドイツ・ボヘミアです。原作は、J.アペルとF.ラウンの「妖怪物語」。その原作を、フリードリッヒ・キントがウェーバーの為に、4幕の台本に仕立て、ウェーバーが3幕に改定して作曲をしました。

1821年、ベルリンで「魔弾の射手」が初演されました。大反響を呼び、ドイツ国民オペラの金字塔を打ち立てたてました。この「魔弾の射手」を観て、ワーグナーやベルリオーズなど、後に大作曲家となる多くの人物が作曲家を志したとも言われています。

音楽史的に見るとドイツ・オペラは、ドイツの民俗劇の形式である<ジュングシュピール>の伝統を踏んで作曲されました。ジュングシュピールとは、<ドイツ語で書かれたセリフつきのオペラ>のことで、<音楽→台詞芝居→音楽→台詞芝居>という構成で作曲されたオペラのことです。
この「魔弾の射手」も、ドイツの伝統的な民俗劇の流れを汲んだジュングシュピール形式で作曲されていますが、音楽史的に大きな特色なのは、ドイツをドラマの舞台として作曲された「ドイツのドイツ人によるドイツ人のためのオペラ」第一号だという点です。

ウェーバー以前の著名な作曲家、モーツァルトとベートーヴェンが作曲したオペラ作品を例に挙げて解説いたしますと、モーツァルトの作曲したドイツ語のオペラ「後宮からの逃走」はトルコが舞台です。「魔笛」はメルヘンオペラです。そして、ベートーヴェンの唯一のオペラ「フィデリオ」はスペインで展開される救出劇です。つまり、このウェーバー作曲の「魔弾の射手」までは、ドイツを舞台としたオペラは存在しませんでした。そして、この作品の成功をきっかけとして、ドイツ・オペラはこれまで以上に発展していきました。

オペラ「魔弾の射手」はオペラが初めての方も、オペラファンの方も是非ご観覧いただきたい作品のひとつです。

<あらすじ>
第1幕
舞台は三十年戦争終結後のドイツ、ボヘミアの森の中。射撃大会を明日にひかえた予備競技で、名手マックスは不覚にも農夫キリアンに敗れる。世襲護林官クーノーの娘アガーテと結婚し、護林職を継ぐためには、翌日の御前試合で優勝しなければならない。スランプ状態のマックスは、クーノーに念を押され、いっそう不安になる。絶望に沈むマックスに、悪魔ザミエルに魂を売ったカスパールがつけこみ、夜中の12時に一緒に狼谷へ行って、伝説の百発百中の魔弾を手に入れれば明日の競技に勝てると誘惑。マックスはアガーテを思うあまり承諾してしまう。自分の身代りの生贅が見つかったとほくそえむカスパール。

第2幕
アガーテが、恋しいマックスの帰りを待っている。壁の肖像画が落ち不吉な予感を抱く彼女を、従妹のエンヒェンは慰め励ます。アガーテは朝方、森の隠者から白いバラのお守りをもらっていたが、果して効き目はあるのかは不明。やっと戻って来たマックスは、抱擁も束の間、狼谷へと出かけてしまう。 狼谷ではカスパールが、悪魔ザミエルに、マックスと引換えに延命を頼んでいる。悪魔は、最後の7発目の魔弾だけは自分が自在に操り、その犠牲者は貴様かマックスかだと言い残して姿を消す。そこヘマックスが到着。二人は7発の魔弾を鋳造し終えたところで失神してしまう。

第3幕
御前試合の当日。カスパールは、マックスの魔弾が最後の1発になるよう、自分の分を撃ち尽してしまう。クーノーの家では、不吉な夢を見たアガーテをエンヒェンが慰めているがそこへ届けられた婚礼用の花冠は不吉にも葬儀用のものだった。そこでアガーテは隠者にもらった白いバラで髪を飾ることにする。 さて再び射撃会場。領主オットカールの命で、マックスが最後の魔弾で自鳩を撃とうとした時、「撃たないで」と叫ぶアガーテが現れる。弾は放たれ、アガーテは倒れる。しかし白いバラに守られたアガーテは助かり、魔弾は木陰に潜んでいたカスパールに当った。すべての事情を知らされた領主は、魔弾を使用したマックスの永久追放を命じる。そのとき隠者が現れ、1年の猶予を提案し、その間、正義に背かなければ、アガーテとの結婚も許そうという。領主もこれに従い、皆は領主の慈悲を讃え、神に感謝する。

●音楽之友社 スタンダード・オペラ鑑賞ブック〔3〕ドイツ・オペラ(上)より転載

<公演情報:新国立劇場HPより抜粋>

魔弾の射手
2007/2008 Season Opera
[New Production]
C.M.v.Weber : DER FREISCHÜTZ
C.M.v.ウェーバー/全3幕【ドイツ語上演/字幕付】

イタリア・オペラ全盛の時代にジングシュピール(台詞が入ったドイツ語の歌芝居)の様式でドイツの森を舞台に誕生した斬新な作品。初演は大成功を収め、瞬く間に世界中を席捲しました。このドイツ・ロマン派オペラの記念碑的作品によって、作曲家はドイツの国民オペラの創始者といわれています。劇的なオーケストレーションはワーグナーやR.シュトラウスに多大な影響を与え、アリアに匹敵するほど重きをおかれた合唱もこの作品の聴き所。新国立劇場で傑出した力量を示してきたエッティンガーの指揮、シュテークマンの演出で、森のロマンをお楽しみください。

スタッフ
【指 揮】ダン・エッティンガー
【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美 術】堀尾 幸男
【衣 裳】ひびの こづえ
【照 明】沢田 祐二

キャスト
【オットカール侯爵】大島 幾雄
【クーノー】平野 忠彦
【アガーテ】エディット・ハッラー
【エンヒェン】ユリア・バウアー*
【カスパール】ビャーニ・トール・クリスティンソン
【マックス】アルフォンス・エーベルツ
【隠者】妻屋 秀和
【キリアン】山下 浩司
【ザミエル】池田 直樹

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

プロフィール
【指 揮】ダン・エッティンガー  Conductor : Dan Ettinger
2003年「ファルスタッフ」、05年「コジ・ファン・トゥッテ」、06年「イドメネオ」、07年「ファルスタッフ」(予定)に続いて、5回目の新国立劇場登場となる。
ニュー・イスラエル・オペラ常任指揮者を務めた後、2003/2004シーズンからベルリン州立歌劇場首席指揮者兼音楽監督助手に就任している。これまでに「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「トスカ」、「トゥーランドット」、「愛の妙薬」、「コジ・ファン・トゥッテ」、「タンホイザー」、「ラ・ボエーム」などを指揮。ロサンゼルス・オペラ「アイーダ」で米国デビューを果たし、06年1月に同劇場で「蝶々夫人」を指揮している。06年11月には、ベルリン州立歌劇場にて「魔笛」、「椿姫」、「アイーダ」等の指揮が予定されている。

【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン  Production: Matthias von Stegmann
2004年KIDS OPERA「ジークフリートの冒険 指輪をとりもどせ!」、07年「さまよえるオランダ人」(予定)に続いて、演出家としては3回目の新国立劇場登場となる。
ミュンヘン生まれ。7歳から声優としての活動開始。テレビや映画の翻訳、台本、演出家として活動の場を広げる。1991年よりバイロイト音楽祭に参加。それ以降、第一演出助手を務める。02年英国ロイヤルオペラハウス「ヴォツェック」、04年「ニーベルングの指環」(共にK.ウォーナー演出)でも演出補として参加。03年メトロポリタン歌劇場「後宮からの逃走」では太守セリム役で出演している。新国立劇場には、開場記念公演「ローエングリン」でヴォルフガング・ワーグナーの演出助手を務めて以来、「アラベッラ」、「魔笛」、「サロメ」、「ドン・ジョヴァンニ」、「フィガロの結婚」、「ニーベルングの指環」に参加。

マックス:アルフォンス・エーベルツ  Max : Alfons Eberz
ドイツ生まれ。近年では、ワーグナー作品を中心にザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)を中心に活躍。主なレパートリーは、「ラインの黄金」ローゲ、「ワルキューレ」ジークムント、「ジークフリート」タイトルロール、「神々の黄昏」ジークフリート、「トリスタンとイゾルデ」トリスタン、「パルジファル」タイトルロール、「さまよえるオランダ人」エリック、「フィデリオ」フロレスタン等である。今までに出演した主な劇場は、バイロイト祝祭歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハノーヴァー歌劇場等が挙げられる。
新国立劇場初登場。

アガーテ:エディット・ハッラー  Agathe:Edith Haller
幅広いレパートリーを持つ若手ソプラノ。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に学ぶ。1999年と2001年にはミュンヘン声楽学校マイスターコースに参加、03年にはフィリニャー・マリオ・ランツァ・イタリア声楽コンクールで第1位を獲得。 05年に、バーデン州立歌劇場カールスルーエに「さまよえるオランダ人」ゼンタでデビュー。その後も同劇場のアンサンブルメンバーとして「魔弾の射手」アガーテ、「ワルキューレ」ジークリンデ、「イドメネオ」エレットラ等に出演。またその他の主なレパートリーとして「魔笛」侍女1、「フィガロの結婚」伯爵夫人、「ナブッコ」アンナ、「オテロ」デズデーモナ、「ホフマン物語」ジュリエッタ等が挙げられる。06年には、バイロイト祝祭劇場に「神々の黄昏」グートルーネでデビューを果たし、07年も出演予定である。
新国立劇場初登場。

カスパール:ビャーニ・トール・クリスティンソン  Kaspar:Bjarni Thor Kristinsson
アイスランド生まれ。1997年から2003年までウィーン・フォルクス・オーパーの専属歌手として活躍。その後、幅広いレパートリーでヨーロッパを中心に活躍。主なレパートリーとして、「後宮からの誘拐」オスミン、「ばらの騎士」オックス男爵、「フィデリオ」ロッコ、「ドン・カルロ」宗教裁判長、「パリジファル」ティトゥレル、「ラインの黄金」ヴォータン、ファスナー、「フィガロの結婚」バルトロ、「影のない女」使者、等である。また、今までに出演した主な歌劇場は、ベルリン州立劇場、ハンブルク州立劇場、パリ・オペラ座等が挙げられる。
新国立劇場初登場。

エンヒェン:ユリア・バウアー  Annchen:Julia Bauer
ベルリンで声楽の研鑽を積みドイツ・コトブス州立歌劇場を中心に活躍。2003/2004のシーズンよりフリーとなり今後の活躍が期待される新進気鋭のソプラノ。
主なレパートリーとして、「魔弾の射手」エンヒェン、「リゴレット」ジルダ、「仮面舞踏会」オスカル、「ナクソス島のアリアドネ」ツェルビネッタ、「ファウスト」ジーベル、「セビリアの理髪師」ベルタ等が挙げられる。今までに出演した主な劇場は、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、ハノーファー州立歌劇場、ウィーン・フォルクス・オーパー等があり、近年では、アメリカ、カナダを中心に出演している。
新国立劇場初登場。

<参考サイト>

●今回公演「魔弾の射手」のホームページ
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000014_opera.html
●新国立劇場トップ
http://www.nntt.jac.go.jp/
●オペラ入門
http://www.nntt.jac.go.jp/bravo_opera/index.html

<参考情報>

♪そもそもオペラって?
ルネサンス後期の16世紀末、フィレンツェで“古代ギリシャの演劇を復興しよう”という流れからギリシャ悲劇を模範に、<歌うようなセリフを用いる劇>が考えられたのがオペラの起源といわれています。つまり、オペラを一言で説明いたしますと“セリフが歌で表現されているドラマ”なんです。

♪オペラの魅力は?
第一に、歌手の“声の魅力”をご堪能ください。
世界で一流と言われる“歌手の声”はまさに芸術品です。聴いていると、心地良かったり、圧倒されたり、涙が出てきたり。この素晴らしさを説明するのは言葉では非常に難しく、体験していただくことが一番の近道なのですが、それをあえて言葉で説明いたしますと、「凝っている肩にクーッとツボ゛に入ってほぐしてくれる、ゴッドハンドのエステシャン」のように、皆様の心に歌手たちの歌声は染み渡るでしょう。

第二に、“ストーリーの展開と音楽の融合”をご堪能ください。
オペラは、優れた文学作品を台本化して、そのストーリーに合わせて作曲家が曲を作曲して完成した作品がほとんどです。そして「オペラのドラマは“男と女のドラマ”がほとんどである!」と申し上げて過言ではございません。恋愛ドラマに素晴らしいBGMは不可欠ですが、その原点はオペラにあるのです。

第三に、“視覚的にドラマを支える舞台セットと照明と衣裳の融合”をご堪能ください。
<最愛な人に対する“愛の告白”にはロケーションがとても重要>という意見に、皆様ご賛同いただけると思います。デザイン空間で繰り広げられるストーリー、雰囲気を盛り上げるドラマティックな照明効果、キャラクターに合わせてデザインされた衣裳。視覚的にもすべてが“芸術作品”の中でオペラは公演されるのです。

<実施概要>

●ギリークラブ オペラ「魔弾の射手」鑑賞&交流会
●日時:4月18日(金)18:30〜22:30
18:00 受付開始
18:30 開演
21:30 交流会(劇場内レストランを予定)
23:00 終了予定
●会場 新国立劇場 5階 情報センター(京王線初台駅直結)
●講師:桑原 貴氏(新国立劇場制作部 オペラ広報)
●会費:会費:ギリークラブメンバー 28,000円 ご同伴ビジター 30,000円
(S席での観劇+終演後の交流会費)
●参加人数:申込先着順 15名限定 
●応募締め切り:3月15日
それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。
但し、席に余裕があれば締め切り後でも受け付けます。
お問い合わせ下さい。


<参考 2007-2008シーズンのオペラ、レクチャー付鑑賞シリーズ>
・フィガロの結婚 レクチャー 9月1日 観劇 10月23日(火)18:30
・カルメン    レクチャー 10月6日 観劇 11月28日(水)18:30
・ラ・ボエーム  レクチャー 11月17日 観劇 1月26日(土)14:00
・サロメ     レクチャー 12月8日 観劇 2月6日(水)19:30
・黒船一夜明け  レクチャー 12月22日 観劇 2月22日(金)18:30
・魔弾の射手   レクチャー 2月16日 観劇 4月18日(火)18:30
・軍人たち    レクチャー 3月8日 観劇 5月7日(水)19:00
・椿姫      レクチャー 4月12日 観劇 6月11日(水)19:00