オペラ鑑賞&交流会「軍人たち」
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<ご案内>
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超初心者のためのオペラシリーズ、第7回はB.A.ツィンマーマンの「軍人たち」です。
これは“日本初演”のオペラ、レクチャーでビデオを見せて頂き、なるほど、オペラにはこういう作品もあるのだ、とちょっと不思議な世界・時間に浸りました。
いつも張り切って教えてくれる、新国立劇場オペラ広報桑原さんも、さすがにこの作品のレクチャーには苦労したと言ってましたが、ライブで観てみないとよく分からないなぁ、と思いました。
が、現代音楽が好きか嫌いか、心地よいか悪いか、意見が分かれるところですが、私は・・・なかなか心地良かったです。というより、面白い作品に引き込まれました。
新国立劇場・芸術監督の若杉弘氏がこう言っていたそうです。『この作品はいい芝居ですよ。』(「軍人たち」に陶酔していて上演は長年の夢だったそうです)
オペラとはドラマに音楽が乗っている芸術ですが、「軍人たち」は1900年代の作曲家の現代音楽、音楽とドラマが濃縮に凝縮されている作品
客席にジャズバンドが入ったり、大編成のオーケストラ、「兵士たち」と訳されているCDが多いのですが、若杉氏の意向で「軍人たち」と訳されています。
その差は
ドラマに音楽が乗っている、それも現代音楽
1900年代の作曲家、心地よい音楽
サロメより進化
生涯このオペラ
新国立劇場 アムステルダムプロダクションのレンタル公演
ドレスデン
オペラは
ストーリーは以下にあります。レクチャーに参加していなくても全く問題ありません。奮ってのご参加お待ちしています。
●このオペラのポイント
この作品をこの機会に見逃すと、生涯この作品を観劇する事は不可能かもしれません!新国立劇場・四代目オペラ芸術監督・若杉 弘が、多数存在する20世紀の現代音楽の中から「最高傑作のオペラ」として選んだ“日本初演”となる作品です。若杉 弘、渾身のラインナップと申し上げてよいでしょう!
このオペラは音楽史において“現代音楽”と言われる種類(分類)の音楽です。モーツァルトのような美しいハーモニー、プッチーニやヴェルディのようなイタリアオペラに多く見られる劇的な旋律、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスのようなライト・モチーフを使用した音楽は、全く存在しません。
現代音楽特有の、複雑で難解な旋律と音階が微妙に織り交ざり、不思議な音楽空間の中でドラマが進行していきます。音楽は非常に大規模でサプライズな編成です。なんと「客席にスピーカー設置して効果音を流す。」「客席にジャズバンドを設置して同時演奏をする。」等々、作曲家が楽譜に指定しているのです!!
ドラマは、婚約者を裏切り他の男に走った少女マリーの転落の物語。幸せな少女が最期は乞食にまで成り下がる、退廃的なストーリーです。マリーをめぐる男たちの恨みと復讐も複雑に絡み合った、愛と憎しみの悲劇です。(あらすじをご参照下さい。)
現代音楽がお好きな方、この作品に興味をお持ちの方、ドラマと現代音楽との融合を体験してみたい方、まずは無料レクチャーでこの作品に触れてみてください!!「こんなオペラがあったのか!」と目から(耳から)ウロコが落ちること間違いなしです。
●作品について
作曲はドイツのケルン近郊に生まれたツィンマーマン。第二次世界大戦の勃発により、兵役義務を全うするため、学業を中断せざるを得なかった彼は、従軍先のフランスで初めて接したストラヴィンスキーやミヨーの音楽から強い刺激を受ける。その後、1942年から音楽の勉強を再開、50年〜52年、そして57年以降、自殺で世を去るまで、ケルン大学で教鞭を執りつつ作曲活動を展開、1958年から6年間を費やして書き上げた唯一のオペラが、本作《軍人たち》である。 原作は、18世紀後半に活躍したドイツの劇作家、レンツの同名の戯曲『Die Soldaten』である。
レンツは本作を1774年から翌75年にかけての冬に書き上げ、1776年に出版したものの、彼の生前には舞台上演の機会を得られず、出版から90年近くも経った1863年に、ウィーンのブルク劇場にてようやく初演されている。 ツィンマーマン自身は、書の中で、レンツの戯曲について、「普通の人間が、様々な状況にめぐり合ううちに破壊されてゆくという姿に、関心を抱いた」と語っている。彼は、本作を作曲するに当たり、多元主義の立場から、異なる音楽を同時に進行させる手法を採っており、一例として、第二幕の終盤でコラールが演奏される箇所のように、別々の情景を並行して展開することで、マリーの急速な転落ぶりをシンボリックに描いた点など興味深い。二時間足らずの短い上演時間ながら、17名の歌手(うち、高音域を歌い続ける6名のテノールを要する)と8名の俳優に4名のダンサーといった大勢の登場人物、そして、数々の打楽器を含む大編成の管弦楽による音の威力で、音楽とドラマが濃厚に凝縮する現代オペラとして、初演以来、上演が常に注目される一作となっている。
●あらすじ
第1幕 リール在住の商人ヴェーゼナーの家。妹娘のマリーが婚約者のシュトルツィウスに手紙を書き、姉娘のシャルロッテが字の綴りを教える。シュトルツィウスの家では、彼の母親がマリーのことを悪く言いつつ、彼女からの手紙を息子に渡す。再びヴェーゼナー家で、フランス軍人のデポルト男爵がマリーを芝居に誘うが、父親が断る。マリーはそれに憤慨する。場面が変わり、アルマンチェールの広場では、軍人たちが従軍牧師と対話する中で、牧師が、軍人たちの女性への不行跡を責める。一方、マリーの部屋では、彼女と父親が、男爵とシュトルツィウスを天秤にかけている。マリーの心は男爵に傾き、「神様、私は悪いこlとをしたでしょうか」と口にする。
第2幕 マリーとデポルトの噂がアルマンチェールの町にも広まる。軍人たちの前にシュトルツィウスが姿を見せると、皆が彼に当てこすりを言う。ヴェーゼナーの家では、婚約者からの譴責の手紙を読んだマリーが、現れたデポルトに誘惑されてしまい、そのまま自分の部屋へと二人で入る。その様子を見たヴェーゼナーの老母は、マリーの行くl末を憂えて歌う。シュトルツィウスの家では、マリーからの別れの手紙を読んだ彼が衝撃を受ける。母親が彼を慰めるが、シュトルツィウスは復讐の念を持つ。
第3幕 牧師と中隊長のピルツェルが女性談義をする。シュトルツィウスは、デポルト男爵の友人マリ大尉の従卒として雇われる。姉のシャルロットは、今度はマリ大尉と交際している妹を責める。ド・ラ・ロッシュ伯爵夫人の館では、夫人が息子に、マリーとの交際をやめるようにと言う。場面が変わり、ヴェーゼナー家では、母親が、次々と男を変える娘を責める。そこにド・ラ・ロッシュ伯爵夫人が現れ、マリーに「息子のことは諦めてください」と頼みつつ、自分の家で貴女を預かるから、その間に世間的な名誉を回復してはと提案する。
第4幕 アルマンチェールの町にて。伯爵夫人宅で立ち直ろうとしたものの、マリ大尉の手から逃れられなかったマリーの零落の模様が描写される。デポルト男爵は、自分の猟番にマリーの体を良いようにさせて、彼女との絶縁を図る。シュトルツィウスがそれを知り、男爵への殺意を抱く。父ヴェーゼナーを始め、人々がマリーの身の上を案ずる。マリ大尉の家で男爵が食事をする。マリーをふしだらな女とののしる男爵に、従卒のシュトルツィウスが近づき、彼に出すスープに毒を盛る。男爵はそれを口にして倒れる。マリ大尉は恐ろしさの余り部屋を飛び出す。断末魔の男爵に、自分も毒を口にしたシュトルツィウスは復讐の言葉を吐く。リス川のほとりで、物乞い女がヴェーゼナーから施しを受ける。彼女は、マリーその人であった。最後に、軍人たちが行進する姿が映し出され、幕となる。
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<参考サイト>
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●今回公演「軍人たち」のホームページ
http://www.nntt.jac.go.jp/season/opera/index.html
●新国立劇場トップ
http://www.nntt.jac.go.jp/
●オペラ入門
http://www.nntt.jac.go.jp/bravo_opera/index.html
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<実施概要>
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●ギリークラブ オペラ鑑賞&交流会「軍人たち」
●日時:5月7日(水)19:00〜22:30
18:30 受付開始
19:00 オペラ開演
21:30 交流会へ
22:30 終了
●会場 新国立劇場 京王線初台駅直結)
●交流会のゲスト:桑原 貴氏(新国立劇場制作部 オペラ広報)
●会費:ギリークラブメンバー 28,000円 ご同伴ビジター 30,000円
(S席での観劇+終演後の交流会費)
●応募締め切り:4月10日
それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。
但し、席に余裕があれば締め切り後でも受け付けます。
お問い合わせ下さい。
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