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セミナーご案内

メンバー・関係者限定

「腸から健康になる方法」
〜「編集者、番組制作者、食関係者の為の勉強会」〜

セミナーご案内

旧友日経BP社の西沢氏とのランチから始まりました。「糖質制限は良い手法ですが、注意して進めた方がいいですよ」

ギリークラブが糖質制限と出会って4年になりますが、京都高尾病院の江部康二医師、大柳珠美管理栄養士のご指導で、医療関係者、マスコミ、料理人などプロの方とご一緒しています。

以前に江部先生から伺ったお話が頭に残っています。「世の中には常識はずれの食習慣の方がいらっしゃるのです」そう、素人判断で極端な行動に走る人がいるのです。

何事もプロの方の指導のもと、自分の体質や体調に応じて、健康法は進めなくてはいけません。そして何事も「全てがOK」などという物のありません。光と影、メビウスの輪、、、物事は様々な視点で考えたいものです。

で、敢えて糖質制限を別の視点で勉強したいと思います。それがギリークラブの考え方でもあります。

最近「糖質制限」は大いに話題になっていますが、それだけに注意しなければいけません。「プロの意見を聞き、自分で考えて判断する」セカンド、サード、オピニオンは重要です。

このような企画、ご一緒に学びませんか?以下をお読みください。

<以下は西沢さんに書いて頂いた原稿です>

腸が元気な人は太りにくく、病気にもなりにくい!
「腸から健康になる方法」
??ほんとに、「糖質抜き生活」していていいの?

肥満、風邪・インフルエンザ・O-157といった感染症、糖尿病や非アルコール性肝炎(NAFLD)などの生活習慣病ノノこうした症状や病気が、「腸」と深い関係を持っていることをご存知ですか?

「腹の虫が収まらない」、「断腸の思い」、「腑に落ちる」といった「ハラと心」が絡んだ言い回しが日本語には豊富です。私たち日本人は、長い時間をかけてこういった身体感覚を育んできましたが、その正しさを現代科学が次々と証明しています。
腸と心も切っても切れない関係にあるのです。

そう、腸の健康は全身の健康のカギ。
それを担っているのがひと昔前には100兆といわれていたのですが、最近では1000兆を遥かに超える数が生息していることがわかってきた腸内細菌。
人間の細胞の数が60兆ですから、文字通り桁違いに多い数のメ異生物モたちが私たちの健康を左右しているのです。

善玉菌は炭水化物が好物

膨大な数の腸内細菌の中で、私たちの健康に寄与してくるのが乳酸菌、ビフィズス菌といったいわゆる善玉菌類。乳酸菌は糖類が、ビフィズス菌はオリゴ糖といった糖質が大好物。
一度炊いて冷えたご飯やジャガイモではメ難消化性でんぷんモという、小腸で吸収されにくいでんぷんが増えますが、これもこれらの善玉菌が食べて、メ短鎖脂肪酸モという物質を作ります。その中の一つ、酢酸はビフィズス菌と一緒にO?157の悪さを防ぎます。また、酪酸は腸の栄養になり、また大腸をガンから守ります。さらにプロピオン酸というものには、大腸から吸収されて肝臓で脂肪を燃やす働きも。

数年前から使われている糖尿病の新薬・インクレチン薬は、これらの短鎖脂肪酸などが腸内で分泌スイッチを押すメGLP?1モという消化管ホルモンの働きを利用するもの。
糖尿病の予防・治療にも「腸の力」は欠かせないのです。

でも、「糖質抜き」「炭水化物抜き(炭水化物というときは食物繊維も含まれます)」で、腸内善玉菌のエサが不足してしまったら何が起こるでしょうか?

糖質の代わりにたんぱく質を多く食べるとします。特に動物性のたんぱく質は悪玉菌の好物なので、腸内では彼らの兵力が増します。
脂肪を多くとったら、腸の中に二次胆汁酸という物質が増え、発がんリスクが高まります。

炭水化物や糖質をあまりとらない人たちに、今後、今や国民病となった大腸がんが増えてくることはないだろうか(相当な年月を経ないと結果はわかりませんが)?  糖尿病患者が長期間続けた場合、腎機能が低下することも心配です(透析を受けるようになると、1人当たり年間約500万円の税金が使われます)。

「食後高血糖」を防ぐことはとても大切だけど、そのために必要なのはほんとに「糖質抜き」?

もちろん、食後の血糖値が急上昇するような食事は、肥満と老化を促進するので危険です。
その意味で、血糖値上昇が穏やかになるような食事をするのはとても重要。

しかし、そのための最適な方法は、ほんとに「糖質抜き」なのでしょうか?
耐糖能異常や糖尿病になってしまった方が、一定期間行うのは意味があることだと思います。
でも、健康な肥満者などにも必要なの?

この会では、腸がいかに健康維持のために重要な働きをしてくれている器官なのかということと、腸を、そしてひいては全身の健康を維持するためにはどんな食事がおすすめなのかを、腸・腸内細菌・短鎖脂肪酸研究の第一人者、京都府立大学教授の牛田一成先生のお話をうかがいながら考えたいと思います。


<牛田先生ご挨拶>

京都府立大学生命環境科学研究科の牛田一成と申します。
プロフィールにもありますように、「腸内細菌の生理と生態学」、「宿主の腸内細菌に対する生理応答」を、自身が主催する研究室の「表メニュー」としております。
 われわれは、母胎から外界にでた瞬間に、いきなり細菌に感染してしまい「無菌動物」でなくなります。成人は、腸管内に500gから1Kgの腸内細菌を飼育しており、われわれはいわば腸内細菌の飼い主でもあります。

 数百から1000種類近い腸内細菌が構成する複雑な生態系は、複雑であるがゆえに系の機能として安定です。系の安定が破綻することと種々の疾病は関係があるようですが、次世代シーケンサーが発達してきたといっても、複雑系を効率よく定量・解釈する方法論の発達がまだまだ不十分で、一定の見解は得られていません。従って、個別の細菌種をターゲットとした議論が進むのですが、すべての事象がそうであるように、絶対的な善玉や絶対的な悪玉というものは明確な病原体を除くと想定しづらいのもまた事実です。病原体も、自然宿主という現象を考えると、他種にとっての悪玉も、自然宿主にとっては善悪中間か、もしかするとほかの悪玉を牽制する善玉機能すら想定できる可能性があります。個別の細菌にとらわれると、血液型性格診断と同じロジックに落ち込むのではないかという疑念をながらく持っています。ただし、研究に一定の結論を出す必要から使っているロジックというものも存在していることを告白せざるを得ません。それは、いわゆるデカルト主義的な考え方かとおもいます。

 私個人の研究のレベルとしては、まだまだ思考実験の域を出ませんが、我々人類は、そもそも食性としてどういう動物であったのかを考えることで、食事に起因する種々のトラブルを解釈することができるのではないかと思っています。

 「表メニュー」として食品や製薬企業との共同研究を長く実施してきましたが、機能効能を評価する際に、「我々人類は、どのような食事環境に適応してきた種族なのか」、そしてその中で「我々日本人は、どのような食事環境に適応してきた民族なのか」を考える必要があるのではないかと感じるようになりました。

こうした考えは、若いころのヨーロッパ留学生活をへて、「裏メニュー」研究として熱帯雨林のゴリラやチンパンジー、砂漠のラクダやガゼル、高地のヤクや低湿地の水牛の腸内細菌や栄養生理の研究を、様々な食習慣をもった民族の中で実施する中で次第に頭の中で像を結ぶようになってきたものです。

このように、曖昧で漠然とした大まかな話に持ち込んでしまい、そこに法則めいたものを見つけたふりをするというのは、今西錦司先生以来、京都大学山岳部および探検部出身者の伝統的技法でもあります。

 最初から曖昧模糊とした話では、会の趣旨に反すると思いますので、最初は具体的な「表メニュー」的なお話をさせていただき、次第に人間というものを考える方向性、すなわち「裏メニュー」の話をさせていただきたいと思っています。

<牛田先生プロフィール>

京都大学農学部卒、同大学院修了。京大農博。
博士後期課程をフランス政府給費留学生としてフランス国立獣医畜産研究所(クレルモンフェラン)で過ごす。 腸内細菌の生理生態と宿主の生理応答を専門とする。その関係で、いわゆる食物繊維やプロバイティクスの評価に従事。
その一方、アフリカ熱帯雨林、サハラ砂漠、チベット高原、ネパールおよびブータンヒマラヤ、雲南省北部、モンゴルゴビ砂漠等でゴリラやチンパンジー等の野生動物やラクダ、ロバ、ブタ等の家畜の腸内細菌、南極北極および高山氷河の雪氷中にみつかる抗生物質耐性細菌を課題とした研究にも従事。
これらの研究生活を取りまとめた「ゴリラの森でウンチを拾う」アニマルメディア社を出版。

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実施概要

メンバー・関係者限定

「腸から健康になる方法」
〜「編集者、番組制作者、食関係者の為の勉強会」〜
日時 6月8日(金)15:00〜18:00(14:45 受付開始)
場所 文庫カフェみねるばの森(千代田区九段北1-9-17寺島文庫ビル1F)
地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線 九段下駅(5番出口)徒歩3分
JR・各地下鉄線 飯田橋駅 徒歩7分
http://www.terashima-bunko.com/bunko-cafe/access.html
ゲスト 牛田一成氏(京都府立大学 生命環境科学研究科)
コーディネート 西沢邦浩氏(日経BP社 ライフスタイル局プロデューサー)
会費 正会員 1名2,000円 同伴ビジター 3,000円
(セミナー代、飲み物&諸経費分担金)
参加人数 申込先着順 20名限定(正会員優先です)
締切 6月1日(金)
それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。

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