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和・倶楽部 "歌舞伎座の会"

<ご案内>

歌舞伎座で芝居を楽しむシリーズ,  "歌舞伎座の会"12月の公演は何と11:00開演の昼の部を鑑賞します。

年末の昼間という、ちょっと背徳的な時間ですが、今回の狙い目は『京鹿子娘道成寺』です。

作品自体、とても著名ですが、坂東三津五郎の踊りで観るのは、本当に貴重なチャンスだそうです。それならばという事で、年末平日昼間の歌舞伎の会です。

『京鹿子娘道成寺』とはこんな踊りです。

「京鹿子娘道成寺」は歌舞伎舞踊の中の代表的な演目ですが、この「道成寺」というお寺は実在する名刹で、場所は和歌山県日高郡日高川町、創建は大宝元年(701)。国宝に指定されている千手観音は国内でも最古を誇り、日光菩薩、月光菩薩を始め多くの仏像・文化財が納められています。石段を登って山門をくぐると、本堂、三重塔など舞台装置をほうふつさせる美しい景観が広がり、毎日行われる住職の“絵とき説法”と共に観光の寺として人気を保っています。

能や歌舞伎の「道成寺」の元となっている「安珍清姫」の伝説では、道成寺の鐘の中に逃げ込んだ僧・安珍を、怨念で蛇体と化した清姫が鐘もろとも焼き殺したとされ、「京鹿子娘道成寺」はその後日談で、数百年を経て新たに寄進された鐘も“白拍子花子実は清姫の霊”に祟られてしまいます。

実際の道成寺も、最初にあった鐘は伝説通り焼失したとされ、数百年後に寄進された鐘も戦国期の豊臣軍によって持ち去られたため、この寺に鐘はありません。持ち去られたという鐘は京都の妙満寺に今も残されています。

道成寺もの

 恋しい男安珍を追いかけて執念のあまり大蛇と変じた清姫が、安珍の隠れる道成寺の鐘に巻きつき焼き殺したという伝説を題材にした舞踊は、元禄年間(1688〜1704年)から上演されています。宝暦3年(1753年)中村座で初代中村富十郎が、この“道成寺もの”の集大成ともいえる『京鹿子娘道成寺』を初演し、すっかり人気演目となります。

 もともと歌舞伎舞踊は、芝居の中では立役に花を持たせ辛抱することの多い女方が、おもう存分技量を披露し活躍できる場でした。しかし、安永、天明期(1772〜1789年)になると、目先の新しさを求めると同時に、役者の芸風にあう趣向を盛り込んださまざまな舞踊が生まれ、女方に限らず立役も踊るようになってきます。

 そうした流れのなかから、立役が踊る“奴道成寺”、女方と立役二人で踊る“男女道成寺”、人気、実力の拮抗した女方が二人で踊る“二人道成寺”など、さまざまなヴァリエーションが発生していきました。

ということで、坂東三津五郎の「京鹿子娘道成寺」ご一緒に観ませんか?

日本文化は現役ビジネスパーソンにとって大いに意味があります。自分の専門分野以外の話についていけない事はとても寂しく、 “自国を知る事が真の国際化”、ビジネスにも大いに活用できます。

専門家になることなど到底無理、教養として身につけるだけでOK、そんな視点で日経ビジネスアソシエでの連載もしてきましたが、和・倶楽部も同じ気持ちで、企画・ご案内をしています。

同じ興味を持った方が同時に実体験して交流する、あくまでも超初心者の視点での企画を続けていきます。どんな初歩的な質問もOK、物足りない方は参加しないで下さい。

歌舞伎はあくまでも大衆芸能であり、400年経ったから伝統と言われているだけです。でも、外国の知識人の関心は高く、歌舞伎にご案内する事は、ビジネス上も、コミュニケーション上も、大変効果があります。

同時に、自分の気持ちも豊かにしてくれますし、自分の国を知るため、こういう時間を過ごす事は意味があります。興味はあってもきっかけがない、これも事実だと思いますので、今後の和・倶楽部・歌舞伎座シリーズをどうぞご活用下さい。

平日の昼という時間帯ではありますが、松竹や、歌舞伎の専門家と懇意になれる絶好のチャンスでもあります。どうぞ予定を調整して、奮ってのご参加お待ちしています。

<参考サイト>

●歌舞伎座
http://www.kabuki-za.co.jp/
●9月大歌舞伎
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2008/09/post_30.html
●同チラシ
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/
images/handbill/kabukiza200809b_handbill.jpg?html

●歌舞伎美人(かぶきびと)
http://www.kabuki-bito.jp/
●坂東三津五郎公式ホームページ
http://www.kabuki.ne.jp/mitsugoro/
●歌舞伎チャンネル
http://www.dentoubunka.co.jp/
●伝統歌舞伎保存会
http://www.kabuki.or.jp/
●文化デジタルライブラリー
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●日本俳優協会
http://www.actors.or.jp/index2.html

<実施概要>

●和・倶楽部 "歌舞伎座の会"

●日時:12月16日(火)

11:00〜16:00頃 歌舞伎鑑賞
終演後 金田氏を囲む茶話会を予定
17:30 終了予定

●ゲスト:金田栄一氏(伝統文化放送社長)

●会費:ギリークラブ会員 17,000円 ビジター 19,000円
(1等席のチケット代、茶話会費)

●募集人数:10名限定 (お早めにお申込み下さい)

●会場:歌舞伎座(中央区銀座4-12-15 TEL:03-3541-3131)

(歌舞伎座への行き方)
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/map.html
●締め切り:11月15日
※それ以前でも満員の際には締め切ることもあります
※締切後でも席が確保できれば参加可能です。お問い合わせください。

<当日鑑賞作品>

新歌舞伎十八番の内 『高時』

『京鹿子娘道成寺』鐘供養の場

東山桜荘子『佐倉義民伝』

・新歌舞伎十八番の内 高時(たかとき)

主な出演
北条高時  梅 玉
衣笠  魁 春
安達三郎  松 江
大佛陸奥守  東 蔵
秋田入道  彦三郎

『京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)』 

鐘供養の場

白拍子花子  三津五郎

『東山桜荘子 佐倉義民伝(さくらぎみんでん)』

序 幕 第一場 印旛沼渡し小屋の場
    第二場 木内宗吾内の場
    第三場 同  裏手の場

二幕目     東叡山直訴の場

主な出演
木内宗吾  幸四郎
幻の長吉  三津五郎
徳川家綱  染五郎
松平伊豆守  彌十郎
おさん  福 助
渡し守甚兵衛  段四郎