服部・ギリー塾『1月の野菜』
〜ほうれん草の食べ比べと、1月の美味しい野菜の料理〜
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<ご報告>
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服部・ギリー塾、今年から新しいパターンで実施しました。詳しくは以下のレポートにありますが、回を重ねる事に、同じ食材の食べ比べの凄さが分かってきました。
ある人数が集まるからこそ出来る企画ではありますが、食べ比べ体験、野菜メニューを味わい、プロの方との交流、何でも質問、そして自宅での復習を通じて、ご自身の生活改善、家庭料理メニューの充実になると思います。
参加されたプレスの方、そして生産者のかたにとっても、ご自身の野菜の美味しい食べ方のヒントが沢山あり、今後のご参考にもなれば、と願っています。
この場で食べ比べ体験を一緒した方たちは、初対面であってもすぐ仲良くなって旧友のようです。そんなギリークラブならではの雰囲気が今回もあり、主宰者としても嬉しい限りでした。
その後数日、『お土産の野菜で自宅の食事時間が楽しかった』という参加者からのメールに、また嬉しい気持ちになる渡辺でした。
工藤さんのレポートをお読みください。
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第7回を迎えた「食材食べ比べシリーズ」企画。これまで、なす、じゃがいも、ネギ、トマト、きゅうり、きのこ、と食べ比べをしましたが、今回は今が旬の「ほうれんそう」がテーマです。
このシリーズは、09年に入り少しスタイルが変わりました。これまでは、テーマ食材となる野菜を食べ比べ、さらにテーマ食材づくしの料理を各種味わってきました。
が、今回から内容をパワーアップ。まずは、テーマ野菜の個性を比較できる状態で食べ比べ、味わいや香り、食感の違いを体験します。その後は、テーマ食材を使った料理をいただく・・・と、ここまでは同じですが、さらに、今がおいしさのピークを迎えた野菜の紹介+それらを使った野菜料理を味わう会に進化しました。
まずは、ほうれんそうの基礎知識を簡単に学びます。レクチャーしてくれたのは、オイシックス商品開発チーム青果開発グループの重松元輔さん。
ほうれんそうは、西南アジアが原産地といわれています。ここから東西に伝播し、東洋種・西洋種とそれぞれ独立した品種群が成立しました。
日本には江戸時代に東洋種が、明治時代に西洋種が入ってきました。味わいでは東洋種が好まれましたが、病気に弱く、種の収穫も少なかったため、だんだん西洋種が優勢に。現在では、東西の交雑種がもっとも普及していて、スーパーマーケットなどで売られているほうれんそうは、ほとんどが東西の交雑種だそうです。
東洋種の特徴は、葉がやわらかく、あくが少なく、とりわけ根元に甘味があること。一方、西洋種は、東洋種に比べると葉が厚く、若干の泥くささがあります。
あくの強い食材なので、下ゆでしてから調理するのが一般的。旬は冬で、冬のほうれんそうは、生で食べてもそれほどあくを感じません。夏は葉が厚くなり、苦味やエグミが増すので、下ゆでは必須です。
今回、食べ比べをしたのは、下記3種類のほうれんそうです。
1:赤根ほうれんそう
東洋種のほうれんそうで、葉はギザギザでやわらか。根が赤くて甘いのが特徴です。大きなものでは一株600g以上にも育つとか。大きく育ったものは、より甘さが濃厚になるそうです。山形県では、今も昔ながらの東洋種がつくられています。
2:ちぢみほうれんそう
冬の寒さにさらす「寒じめ栽培」で育てられた、冬季限定のほうれんそう。昼夜の気温差が大きい冬に栽培することで甘みが際立ち、最高で糖度が10度以上になることもあるとか。濃い緑色で光沢のある肉厚の葉の表面に、縮んだようなシワが入った、ユニークな形が特徴です。今回は福島県産のもの。
3:ほうれんそう
もっとも普及しているタイプのほうれんそう。エグミがなく、ほのかな甘味を味わえます。葉は丸みがあり、明るい緑色。黄色い葉がなく、緑が濃くてぴんと張っているもの、株が小さめのものがおいしいそうです。今回は千葉県産のもの。
いよいよ、試食です。まずは生のままから。葉を食べたときには「1と3、どちらもおいしい」なんて言っていた参加者も、クキや根を食べてびっくり。赤根ほうれんそうの根から、じんわりしみ出す甘さといったら、衝撃的でした。ちなみに、この根は加熱すると甘味を増し、ほっくりとした、まるでイモのような食感に変わります。
引き続き、ゆでたもの、サラダ油でさっと炒めて軽く塩をしたもの、と食べ比べは進みます。生では甘味のある1が、おひたしでは3が、油炒めではシャクシャクとした歯ごたえのある2が好評でした。「スタンダードな3のほうれんそうも、私たちが普段食べているものとは比べものにならないほどおいしい。スーパーで買った普通のほうれんそうがあれば、きっと、すごい味の差が出たでしょうね」と参加者。そう、今回登場した3種類のほうれんそうは、個性の違いはあれど、いずれもおいしいのです。
以前、服部幸應先生に教えていただいたのですが、食材を知り、学ぶ基本は食べ比べにあるとか。服部先生は子どものころから、同じ時間に獲れて同じように捌いた刺し身を食べ比べて産地による味の違いを学んだり、種類による味の違いを知る教育を受けてきたそうです。
ただ、一般の人が家庭でこれをするのは、かなり困難。今回のように、よい農家に育てられた、3種類の新鮮なほうれんそうを手に入れて、味わいがもっとも際立つベストな時間を計り、3つを同じタイミングでゆでたり、炒めたり・・・。こんなことは、個人のキッチンでは、まず無理でしょう。事前に何度も試してくださった西澤辰男先生、当日午前中から仕込みにかかってくださった3人の助手のみなさんに、改めて感謝の気持ちがわきました。
食べ比べの後は、西澤先生ご考案のほうれんそうメニューの登場です。
今夜のメニューは下記の通り。
・シャキシャキほうれんそうのミネストローネ 真鯛のグリエ
・カルボナーラ ビストロ仕立て
ここからは新企画。今が旬の野菜料理へとつながります。
・三竹さんの「甘っ娘野菜」のポトフ
さらに、デザートまで。
・インカのめざめのスイートポテト
と大充実の構成です。
ポトフに入っているのは、愛知県は知多半島の三竹久生さんがつくる「甘っ娘野菜」です。三竹さんは、甘くてフルーティな野菜を作る達人。柿のようなにんじんや、梨のような大根など、まるで「フルーツのような野菜」です。
子どもが嫌いな野菜をあえて選び、食べやすい味に作っているという「甘っ娘野菜」は、オイシックスの大ヒット商品。じつは会が始まる前、早く到着した参加者たちは、テーブルに飾られた三竹さんの野菜に釘付けでした。とりわけ注目を集めていたのは、生き生きと葉が茂り、クキまで青々としたセロリ。清冽ですがすがしいセロリの香りに「このセロリ、ただものじゃない」と、話題をさらっていたのです。
ほかに、ギュッと固くしまって頭が紫になったキャベツ(余談ですが、キャベツやブロッコリーは、頭が赤紫になるのが完熟している証なので、色づいているものを選ぶといいそうです)、砂礫で育ったため、表面がポコポコしてかたちは悪くても、すっきりとした甘味のにんじんも味わいました。
今回いただいた料理のレシピを、以下に記載します。参加者からは「フォンが違う、腕が違う、すべて違う。西澤先生の味を自宅で再現なんて、できないよ〜(泣き)」という声もありましたが、エッセンスだけ学んで、お好みでアレンジしてください。ちなみに私は、このレシピでカルボナーラを作ってみました。グアンチャーレがなかったので、適当につくった塩漬け豚肉で代用しましたが、うちごはんではじゅうぶん。温泉玉子を別添えにするのがポイントです。思ったより簡単にできたので、おすすめです。
●シャキシャキほうれんそうのミネストローネ 真鯛のグリエ
【材料】4人分
アサリ 400g
ニンニク 1カケ
赤唐辛子 1本
ピュアオリーブオイル 10cc
酒 100cc
水 400cc
ほうれんそう 1/5束
塩・こしょう 少々
醤油 小さじ2
鯛 1人30g
生青のり 20g
EXVオイル 少々
【作り方】
- 鍋にニンニクのスライスを入れ、ピュアオリーブオイルでゆっくりと弱火で炒める。香りが出て色づいたら、赤唐辛子とよく洗ったアサリを入れ、酒を加え、ふたをして口を開かせる。
- 1でアサリの口が開いたら、2/3は殻からはずす。酒のアルコール分をとんだら、水を加え、弱火で短時間煮る。
- ほうれんそうは根を掃除、水洗いして、食感が残るように下ゆでする。
- 鯛は塩をふり、皮目にピュアオリーブオイルを塗って、皮目をパリッと焼く。
- 2のスープを醤油・塩・こしょうで調味し、ほうれんそうを入れ、温める。最後に生青のりを入れ、色と香りを出す。食べる直前にEXVオイルを少々ふりかけ、盛りつける。
●カルボナーラ ビストロ仕立て
【材料】3〜4人分
スパゲティーニ 120g
グアンチャーレの油 30ml
ニンニク 1カケ(スライス)
赤唐辛子 1本(イタリアのもの)
あさり 300g
白ワイン 40ml
生クリーム 80ml
パルメザンチーズ 20g
ほうれんそう 120g
(トッピング)
グアンチャーレアフミカート(豚林肉のベーコン) 60g
温泉玉子 2個
黒胡椒 少々
あさつき 少々
パルメザンチーズ 好みで
【作り方】
- グアンチャーレを太めの棒状にカットして、テフロンのフライパンで素焼きにし、こんがりと焼き色をつける(出た油は別にとっておく)
- 器に温泉玉子、焼いたグアンチャーレ、黒こしょう、あさつき、パルメザンチーズを盛りつける。
- グアンチャーレの油をフライパンに流し、ニンニクのスライスを加えて色よく焼き、香りを出す。赤唐辛子とアサリを加え、白ワインをふり、ふたをして、アサリの口を開かせる。
- アサリの口が開いたら殻をのぞき、生クリームを加えて、少し煮詰める。
- パスタがゆであがる1分前にほうれんそうを加えて、両方をゆであげる。
- 4のソースにパスタとほうれんそうを加えてよく混ぜ、パルメザンチーズを加えて器に盛りつける。
- 食べる直前に2をよく混ぜたものを上からかける。
●ポトフ
【材料】4人分
インカのめざめ 4個
にんじん 1本
セロリ 1本
キャベツ 1/8個
牛すね肉 200g
ベーコン 100g
ソーセージ 4本
ブイヨン 8カップ
塩・こしょう 適量
【作り方】
- 牛すじ肉は熱湯を通し、冷水にとり、圧力鍋に水を入れ、15分ほど日にかける。
- 野菜は皮をむき、食べやすい大きさに切る。ベーコン(出汁用)も切る。
- 鍋に1と2を入れ、火にかけ、あくをとりながら弱火でコトコト焚く。仕上げにソーセージを入れて、さらに5分くらい焚く。
●スイートポテト
【材料】12〜14個分
インカのめざめ 400g
砂糖 80g
はちみつ 20g
卵黄 3個分
塩 少々
牛乳 120cc
生クリーム 60cc
バター 35g
ラム酒 小さじ1
バニラオイル 少々
(仕上げ用)
卵黄 1個分
みりん 少々
アーモンドスライス 適量
銀ケース
【作り方】
- インカのめざめは蒸して皮をむき、裏ごししておく。
- 鍋に1と砂糖、はちみつ、卵黄、塩、牛乳、生クリーム、バターの順に入れて混ぜ、火にかけて練り上げる。火から下ろして、ラム酒とバニラオイルを入れて混ぜ、あら熱をとる。
- 2を絞り袋に入れて、銀ケースに絞り入れ、卵黄を塗ってアーモンドスライスをのせ、200℃のオーブンに入れ、8〜10分焼き上げる。
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ほうれん草 生の食べ比べ |
ほうれん草 湯がき、炒めの食べ比べ |
シャキシャキほうれんそうのミネストローネ 真鯛のグリエ |
カルボナーラ ビストロ仕立て |
三竹さんの「甘っ娘野菜」生で試食 |
「甘っ娘野菜」のポトフ |
インカのめざめのスイートポテト |
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<ご案内>
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【満員御礼】
「野菜を知り、美味しい食べ方を学ぶ企画」、過去はテーマ食材(野菜)を食べ比べ、それらの料理を各種食べる、という形式で進めてきましたが、2009年は少し内容を変え、2ケ月に1回のペースで進めていきます。
一つの野菜を食べ比べ、種類、美味しさを知った後は、それも含め、この季節に美味しい野菜料理を味わう会にします。
食べ比べはしなくても、その時期に美味しい野菜は沢山あります。せっかく世界でも稀なほど四季がはっきりした日本、旬の時期に採れる野菜を知るのは、季節を愛でる事です。
旬を知り、野菜の知識を仕入れ、美味しい調理法を知る、頂いた料理のレシピも差し上げます。家で料理を作る、お弁当に活用する、これは食の基本です。
料理講習会ではありませんので、エプロンも不要です。食材を知り、美味しい料理を学び、皆で食べて交流し、マスコミの方に学んで頂き、企画の参考にして頂きたい、そんな主旨から始まった会です。
今回の食べ比べは“ほうれん草”です。赤根ほうれん草、ちぢみほうれん草、(普通の)ほうれん草、3種の食べ比べをします。生で、湯がいて、ちょっと炒めて・・・どんな差があるのでしょうか?
1月の美味しい野菜、『三竹さんの甘っ娘野菜』を食べます。
愛知県の三竹久生さんは、甘〜い野菜を作る達人です。“柿のようなにんじん”“梨のような大根”など、まるで「フルーツのような野菜」だそうです。
子供が嫌いな野菜をあえて選び、食べやすい味に作っているそうで、特に、三竹さんの野菜の中でも、「ほかの野菜と全然違う」、とオイシックスのお客様からの感想が多いがセロリです。
今回はこの野菜でポトフを作る予定です。勿論、美味しい肉も入れて作りますが、冬の寒い一日、芯からあたたまるポトフ、普通の野菜で作るのと比べて、どう違うでしょうか?
ほうれん草のパスタも考えていますし、甘い食材で作るデザートも工夫したいと考えています。今回からは出来るだけ西沢先生も席にご一緒頂きたいと思っています。
この時期に美味しい野菜を学び、皆で食べて交流する、そんな意義ある食材交流会、どうぞご期待下さい。
マスコミの方が優先ですが、、食品企業、外食産業などの方、料理に興味のある方、マーケッター、クリエイター、オイシックスや服部学園にご興味のある方、どうぞ奮ってご参加ください。
家庭で料理を作るのが格好良い時代です。
※年明けに実際に試作してメニューを決めます。場合によっては一部料理内容が変更になることもあります。主旨が変わるような変更はいたしませんが、自然相手の事ですので、どうぞご了解ください。
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<参考サイト>
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●オイシックス
http://www.oisix.com/
●服部栄養専門学校
http://www.hattori.ac.jp
●野菜果物辞典 ほうれん草
http://www.yasaiyasai.com/item/23.html
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<実施概要>
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●服部・ギリー塾『1月の野菜』
〜ほうれん草の食べ比べと、1月の美味しい野菜の料理〜
●日時:1月23日(金)【満員御礼】
18:30 受付開始
19:00 セミナー開始
19:30 食事・交流会開始
21:00 終了
●会場 服部栄養専門学校 別館6階試食室
渋谷区千駄ヶ谷5-25-4 TEL 03-3356-7171
http://www.hattori.ac.jp/facility/access/index.html
●ゲスト:小堀夏佳氏(オイシックス 産地開発マネージャー)
●調理:西澤辰男先生(服部調理専門学校 調理技術部 日本料理)
●会費:ギリークラブ会員 7,000円 ビジター9,000円
●定員:15名 (申込先着順・ギリークラブ会員優先)
●応募締め切り:1月16日(金)
※それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。
※満員の際にはキャンセル待ちもお受けします。
※準備の都合上1月16日(金)以降のご欠席は会費をご負担頂きます。
ご了解下さい。
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