日・仏 グランシェフ対談&食事会 〜日本料理とフランス料理〜
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<ご報告>
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ジョエル・ロビュション氏と小山裕久氏という日仏巨匠料理人対談が、ギリークラブの場で実現、という名誉な会が実現しました。
2月28日のパリでの開催に先駆けての開催でしたが、パリまではそうそう行けるものではなく、日本がベースのギリークラブ、貴重な時間をご一緒できました。でも、さすがに緊張しましたね。ご参加の皆様、有難うございました。
工藤さんの実施報告をお読みください。
フランス料理界の重鎮 ジョエル・ロブション。
日本料理界の至宝 小山裕久。
20世紀末から21世紀にかけての食文化史に、その名を刻む2氏の対談が、ついに実現しました。
ギリークラブがスタートして7年。イベント実施は650回を超えています。そんなギリークラブ史上、最大級となるプロジェクトが、ついに今日実現するのです。
2月13日金曜日、午前11時。 v
会場となった恵比寿シャトーレストラン3階のサロン「ヴェルサイユ」には、40名を超す出席者が集まり、静まりかえった空気の中、2人の巨匠の登場を待っていました。平日の昼間に開催されたにも関わらず、初参加者も含めての満員御礼。世紀の対談への関心の高さがうかがわれます。
ギリークラブの場合、ふだんからゲストはお洒落な方が多いのですが、中でも今回は別格。シャトーレストランにふさわしく、いつも以上にドレストアップした参加者のみなさんが、優美な雰囲気を醸し出します。開始前には、早く到着した参加者同士が自己紹介したり、本日のテーマについて語り合ったりと、笑顔と会話が絶えないのがギリークラブですが、今回ばかりは別。華やかな中にも、シンと張り詰めたような緊張と期待が高まります。
そんななか、会場の空気とは対照的に、ものすごーくリラックスした両氏が、和やかに登場。
そう、二人は10年前にパリで対談を行っていますし、ここ恵比寿でも数年前に「日仏料理の会」として、共に調理場に立っています。2週間後には、パリでまた対談もするという旧知の仲であり盟友。
対談は、ロブション氏のこんな発言から始まりました。
「おいしいか、おいしくないか。
料理にはこの2種類しかない。
たとえフレンチでも日本料理でも、世界のどんな料理でも」
ロブション氏と小山氏。手がける料理のジャンルこそ違いますが、「小山氏はフレンチの真髄を理解して、フレンチを日本で広めてくれる」(ロブション氏)「ロブション氏は日本料理の伝統や美意識を理解して、日本料理を世界に広めてくれる」(小山氏)料理に対する思いの方向性が同じで、お互いがリスペクトをし合っているからこそ、親しい友人として長くつきあってきたのだと、ロブション氏は話します。
じつは昨年末、ロブション氏は日本料理レストランをモナコにオープンしました。この話題は「日本びいきのロブションが、ついに日本料理に進出!」と、日本のフードジャーナリズム界を騒がせました。
ロブション氏が新たに手がける日本料理レストラン「Yoshi」は、08年12月2日、2つ星の伝統的フレンチレストランについでモンテ・カルロのMetropole Hotelにオープンしました。
店名の「Yoshi」は日本語の「良」からネーミングされ、ロブション氏の日本に対するビジョンを反映させたレストランです。
調理場を取り仕切るのは、フランスで修業を重ねたシェフ、ヤマザキ タケオ氏。ロブション氏の厚い信頼のもと、ヤマザキ氏を預かったのが小山氏です。
「数多いる日本料理人の中でも、小山さんは、日本料理のアイデンティティを確立している料理人。日本料理の真髄を踏まえた、すばらしい技を習得している唯一の料理人だと思う。懐石料理を始めとする日本料理の本質を、モナコのレストランに反映したい」とロブション氏。
ロブション、小山両氏の言う「おいしい料理」は、以下の2点で共通していまし。
ひとつは「最初に食材ありき」ということ。最高の食材を使い、その持ち味を十全に引き出すために、少しだけ手を加える。近ごろ日本料理ではよく言われるが、日本料理界でこれをずっと提唱し続けてきたのが小山氏だ。「一部の料理人は技術を重視しているが、私には食材こそもっとも大切だ」とロブション氏。
「ぼくは鯛にこだわっているのですが、いい食材を求めて、海が見えるところまで行っちゃいましたよ。で、地元の漁師が大きな鯛を釣ったら、すかさず「それ寄こせ〜って電話するの(笑)」(小山氏)
「私は年齢的にも仕事柄からも、いろいろなお店で食事をする機会が多い。けれども、評判がよくて高い店なのに、おいしくないという経験をよくする。反対に、無名でまだ知られていないお店が、おいしかったり(笑)」(ロブション氏)と、ちょっと親近感のわくエピソードも。
そして、2点目は「食べ飽きない料理であること」。
毎日同じ料理を食べても、食べ飽きない。それこそが「おいしい料理」の本質、と両氏は口を揃える。「若いころは、それまで食べたことのない料理、たとえばクリエイティビティが盛り込まれていて、洗練された料理や、驚きのある料理を、おいしい料理だと思ってしまうこともある。けれども本質は、アイデンティティのしっかりした、シンプルで力強い料理にこそある」とロブション氏。「斬新な料理は、3日目には欠点がみえてきて、4日目には飽きてしまう。それに比べて本質的な料理は、飽きるどころか、3日目、4日目と感動を増していく。これが決定的な違いだよね」と小山氏。
「素材を生かした、食べ飽きない料理」。つまり、ロブション氏の主張することは、みごとに日本料理の真髄をとらえているのです、と小山氏は話す。
今から約20年前、2人の交流が始まったころ、ロブション氏は小山氏に「お前は日本料理にこだわり、日本料理しかつくらない。そこが好きなところだ。俺もフレンチが好きだから、フレンチしかつくらない」と言ったそう。そんなロブション氏が20年後の今、日本料理の真髄を理解して、日本料理を手がけたいという。小山氏は、ロブション氏の、いつでも前を向いて進歩を続ける。そんなスピリットに感銘を受け、協力を即決したそうです。
「21世紀を迎えた今、日本料理が世界の料理の中で役立てる時代が来たと思います」と小山氏。小山氏は、すでに世界に向けて、食文化を通した日本文化の発展に貢献していらっしゃいます。
「日本に来たら、日本旅館で温泉につかって畳に寝そべり、日がうつろっていくのを眺めるのが好き」と、図らずも陰影礼賛の精神まで口にしたロブション氏。
日本文化を愛して、理解しているロブション氏が手がける日本料理店。
・オーセンティックな日本庭園の中にあるはなれ
・フランコジャポネといった創作料理ではなく、本格的な日本料理
・わさびは本わさびを空輸するが、マグロは満足できるレベルのものがモナコでは入手できないので使わない
などなど、「Yoshi」にまつわるエピソードを聞くたび、興味が募ります。
進行の都合上、巻きに巻く渡辺さんを尻目に、会話は盛り上がり、予定を40分以上もオーバーして、対談は和やかなうちに終了しました。
続いては、会場を1階の「ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブション」に移して、ギリークラブ特別メニューによる会食です。
本日の「ギリークラブ」スペシャルメニューは、次の通り。
アミューズ/けしの実と白ごまのラバッシュ
アミューズ ブーシュ/フォアグラのフラン ポルト酒のソースパルメザンチーズのカプチーノ仕立て
前菜/ウニとコンソメのジュレ フユイユのクレームと
魚料理/平目のポワレ 根セロリのプレゼ トリュフの香り
肉料理/宮崎産の特撰和牛ロース肉のロティとグリーンアスパラガス エシャロットコンフィのピュレと共に
アヴァン デセール/パイナップルのキャラメリゼのムース コンフィ コンフィチュール
デセール/ごまのプラリネ マンゴと生姜の香りを添えて
プティフール/グロゼイユのパート・ド・フリュイ
コーヒー 紅茶 ハーブティー
パン/天然酵母のフランスパン やわらかなミルクパン
シャンパーニュ/BRUNO PAILLARD
白ワイン/Impressions2006
赤ワイン/CHATEAU TOUR SERAN2003
すばらしい食事の間も、参加者の会話は「Yoshi」の話で持ちきりです。
また、上記対談の中には収録できなかったのですが、会話のところどころで、ロブション氏と小山氏が交互に料理を担当した、伝説の晩餐会「二人会」の話題が出ました。「ぼくと彼がふたりでつくる料理が、おいしいのは当たり前。それを超える何かをどうつくるか。あれはいい経験」(小山氏)、「小山さんと一緒に料理を考えた。いい思い出て、楽しかったなー」(ロブション氏)。
そのため、参加者からは「伝説の二人会をギリークラブで再現してもらいたい」「世界料理史に名を残す2人がつくる料理を、死ぬまでに一度味わってみたい」といった、ものすごくハードルの高いリクエストが寄せられました。
さらに「モナコでギリークラブを開催して、Yoshiで食事をしよう」「それならギリークラブつながりで、ニースのケイスケ・マツシマにも寄ろう」「なんなら3ツ星をめぐるツアーにしてもいいのでは」と、旅行代理店かと思われるようなリクエストまで。
「小山裕久氏とめぐる、ニース・モナコの旅/ケイスケ・マツシマのスペシャリテつき」なんて完売必至のプレミアムツアーになりそうです。
渡辺さんには、ぜひぜひ実現をお願いします。
最後には、ロブション氏がプロデュースしたプリンと、青柳で食事をしたお客様がいただけるという鶏そぼろのお土産つき。プリンは玉子の黄身の味がしっかり味わえる、今主流のドロドロしたタイプとは一線を画す、しっかりとしたクラシックなタイプ。ふんわりさらっと仕上がった鶏そぼろの、旨味を凝縮したようなおいしさといったら、今回出席できなかった方には、申し訳ないほどです。
会が終了したのは、すでに15時を回っていました。
ある参加者が「下世話なんだけど、この内容でこの会費は、格安だね」とおっしゃるほど、満足度の高いひと時でした。
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<ご案内>
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フレンチの達人ジョエル・ロブション氏と日本料理の巨匠小山裕久氏、二人の対談が実現します。
2月下旬にパリ日本文化会館で二人の対談があり、そのタイミングに合わせ、パリでギリークラブを開催、会員の方に先行案内済で、数名の方がご一緒します。(別途案内しますが、このページの最後に概要を付けておきます)
パリまでは行けないが二人の対談を日本でぜひ、という要望が強いのは当たり前、なんとかできないかと思い、関係者の方と粘り強く交渉し、このたびやっと実現の運びに至りました。
今世紀最大の料理人と言われるジョエル・ロブション氏、フランス本国だけでなく、日本、アメリカ、イギリス、香港、マカオ・・・世界各国でレストランを展開、各地で大きな評価を得ています。
ロブション氏がモナコに日本料理店を昨年12月に開店しましたが、小山裕久氏が様々な面で応援をしていらっしゃいますが、これは二人のグランシェフの友情からなるものです。
二人は10年前にパリで対談を行いましたし、この恵比寿でも数年前に、日仏料理の会を一緒していますが、その頃と現在では、世界での日本料理の位置づけが変わっています。
ロブション氏は日本料理を、一体どう考えているのか、どんな事を評価し、フランス料理に取り入れているのか、モナコの日本料理レストランはどのように営業しているのか。
逆にフランス料理から学んだ日本料理はどう変貌しているのか、影響されたメニューは、日本人にどんな評価を受けているのか・・・日仏現役グランシェフの対談で、ここが明らかになると思います。
一流の仕事人の仕事は、全てのビジネスパーソンに参考になります。ロブション氏、小山氏、二人の超一流料理人の対談には、貴重な内容があると思いますし、大げさではなく生きるヒントがあります。
小山裕久氏の本拠地、鳴門の青柳に昨秋お邪魔しました。もちろん徳島まで行くのですから、それなりのお金はかかりますが、本当に大感激、こんなに美味しいものは初めてという体験でした。
鳴門のうず潮を遠くに臨む、島の上に店は位置していますが、国立公園の中、自然に囲まれた絶景の地、瀬戸内海、外海、川、そして山・・・食材豊富な場所に腕の良い料理人、他国料理も良く理解し、世間のトレンドも知っている職人達が、腕をふるって美味しいものを食べさせてくれます。
そしてその料理人さん達にとって、大きいのは職場環境。青柳の生簀が近くの海にあり、畑もあります。漁師さん、農家さんと直接交流して美味しい食材を学べます。こういう環境は東京など都会の店では望めません。わざわざ食べに旅行する価値がある店、だと思いました。
ここに古今青柳の紹介があります。
写真を見たら本当に行きたくなりますよ。
http://www.kokin-aoyagi.jp/
そしてロブション氏のレストランはこのサイトです。
http://www.robuchon.jp/
対談後の食事は1階のラ・ターブル・ド・ジェエル・ロブションで行いますが、メニューはギリークラブ特別メニューです。冒頭にはロブション氏もご挨拶に来て頂く予定です。どうぞご期待下さい。
そうそう実現できない対談、10年ぶりです。平日の昼間ですが、どうぞ予定をやりくりしてお出かけください。二人の対談を聞いてから、ロブションで食事、この日一日はリッチな気分で、エネルギーを充電して下さい。
一流の仕事人は、技術や考えを次代の方に継承する為、どんな時代でも、それを続けていかねばいけません。素晴らしい事を途切れさせるのは、未来に対しての犯罪行為です。皆で頑張って継承し、サポートしていきたいものです。
奮ってのご参加お待ちしています。
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<参考サイト>
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●ジョエル・ロブション
http://www.robuchon.jp/
●小山裕久 オフィシャルサイト
http://www.koyama-hirohisa.co.jp/
●古今青柳
http://www.kokin-aoyagi.jp/
●ジョエル・ロブション オフィシャルサイト
http://www.joel-robuchon.com/
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<実施概要>
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●日・仏 グランシェフ対談&食事会 〜日本料理とフランス料理〜
●日時:2月13 日(金)11:00〜14:30
10:30 受付開始
11:00 対談開始
12:30 食事会開始 (シェフのご挨拶あり。)
14:30 終了
●会場 シャトーレストラン ジョエル・ロブション
目黒区三田1-13-1 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL:03-5424-1347
http://www.robuchon.jp/access/
対談:3F個室の予定
食事:1Fラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブションの予定
●ゲスト:
ジョエル・ロブション氏 (料理人)
小山裕久氏(青柳 主人)
●会費:ギリークラブ会員 15,000円 ビジター 17,000円
●参加人数:申込先着順 50名募集 (メンバー優先です)
●応募締め切り:2 月5日
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。
※準備の都合上2月5日(木)以降のご欠席は会費をご負担頂きます。
ご了解下さい。
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<参考 パリでのギリークラブ>
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・基本はパリ集合、パリ解散です。
2月27日
パリ日本文化会館見学会
小山裕久氏と食事会 (パリのネオビストロにて)
2月28日 15:00
ジョエル・ロブション×小山裕久 対談参加
ラ・ターブル・ド・ジョエル・ロブションで夕食
3月1日
ベルサイユの市場訪問&ランチ
3月2日
ギャラリー・ラファイエット セミナー&見学会
パリのワインショップ訪問 他
参加費
交通費・宿泊費・食事代別で100,000円の予定
(参加者に個別にご連絡します)
※パリ行き参加者は2月13日夜、(この対談日の夜です)
“レストランで使うフランス語”勉強会を実施します。
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