和・倶楽部 鶴沢清志郎氏の三味線解説 & 文楽鑑賞
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<ご案内>
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【満員御礼】
いつも書く事ですが、文楽の東京公演は大人気、プラチナチケット化しており、完売が多いのですが、ギリークラブは有難いことに多くの方のご協力を頂戴し、毎公演、観劇&セミナー会を続けられております。
個人で観劇する方がお好きな方は、こんな会は不要ですが、まだ基本を学びたい方に、文楽が分かるセミナー、何でも質問できるチャンスをつけて実施させて頂いています。
技芸員の方と交流し、セミナーをして頂ける機会は、文楽をより理解し、舞台をみる楽しみが益々増えると思います。今回は観劇直前のセミナーですので、期待感が高まるはずです。
5月は2日に分けて、三味線、人形遣いのセミナーをお送りしますが、まず第1日目は文楽三味線のセミナー、講師は鶴沢清志郎氏です。文楽賞直直前に三味線セミナー、そして終演直後は食事会です。
文楽三味線は太棹という、一番大きな三味線を使っており、床を見ていると分かりますが、弾くだけでなく叩く事もあります。三味線の方は、バチ一つで色々な情景を引き分けます。
そして、決して義太夫を語る太夫さんの伴奏ではありません。大夫、三味線、人形という三者の総合芸術である人形浄瑠璃=文楽の、要ともいうべき大切な存在です。太夫の声を引き出す、コンサートマスターのような存在です。
そのような文楽三味線に関して、初心者に分かりやすい解説をして頂こうと思っています。そんな話を聞いてから文楽を観ると、また見方が変わってきます。
そして・・・終演直後には清志郎さんに入って頂き食事会です。これもとても楽しく、また何でも聞ける場になればと思います。清志郎さんには他の三味線の方も連れて来て、と頼んであります。どうなるかは分かりませんが、そうなったらとても有意義ですね。
翌日が人形セミナー&第1部観劇会ですから、そんな遅い時間まではやりませんし、技芸員の方にお疲れが出ないように、注意しましょう。
文楽初心者の方も、達人の方も、貴重なチャンスをどうぞお見逃し無いように早めにお申し込み下さい。大事なのは基本、技芸員の方と交流できるチャンスです。
鑑賞するのは『ひらかな盛衰記』、学力ある作品です。その冒頭、“梶原館の段”に清志郎さんが登場です。概要は下記に載せておきます。
世界から認められ、評価されるのが日本文化、(政治も経済もこうありたいものです)どこかの真似ではなく、オリジナルなものだからでしょう。
それでは日本人が自分の国の文化を理解しているでしょうか?残念ながら劇場に来ている方、ビジネス上の会話を聞いても、もう少し頑張らなくては、と思う次第です。
渡辺の持論は「日本文化をビジネスに活かす」です。文楽をはじめ、歌舞伎や狂言などの芸能は勿論楽しむものですが、ビジネスマンがこれらを理解した上で、自らの武器として、教養として身につける意味を知って欲しいと思います。
ビジネス最前線にいらっしゃる方も、この機会に文楽デビューをして頂きたいと思います。何回かの実体験で、日本の素晴らしさを認識し、次にビジネスへどう活用できるか、ご検討ください。
目をそらさないで一回ご覧になってください。真の国際化とは自分の国を知る事です。そんなことをお考えの方も、奮ってご参加下さい。
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<参考>文楽を知るためのサイト
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●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/
●国立文楽劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
●文楽協会
http://www.bunraku.or.jp/japanese.html
●人形浄瑠璃 文楽
http://www.lares.dti.ne.jp/~bunraku/index.html
●文楽への誘い
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/bunraku/jp/
●文化デジタルライブラリー(文楽)
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●BUNRAKU MOJIHISADAYU'sPAGE(竹本文字久大夫)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bunraku/c1.htm
●Sakiho.Com(豊竹咲浦大夫)
http://www.sakiho.com/Japanese/
●あやつられ文楽鑑賞(三浦しをんさんのエッセー)
http://www.poplarbeech.com/bunraku/bunraku_040501.html
●関西の伝統芸能の歴史 人形浄瑠璃の歴史と特色
http://www.kippo.or.jp/culture/geinou/rekishi/joruri/main.html
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<<今回鑑賞作品 国立劇場パンフより >>
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ひらかな盛衰記
梶原館の段
先陣問答の段
源太勘当の段
辻法印の段
神崎揚屋の段
奥座敷の段
※梶原源太をめぐる段の上演です。
『源平盛衰記』を基に木曽義仲の敗北から、一の谷の合戦まで描いた時代物の大作です。宇治川の合戦の先陣争いで名を馳せ、箙(えびら:矢を入れて背負う武具)に梅の枝を挿して合戦に臨み坂東一の風流男と称賛された梶原源太景季と、源太に尽くす梅ケ枝の献身が描かれる主に、二段目、四段目の上演となります。
梶原源太は佐々木高綱との宇治川の先陣争いに敗れ、勘当されてしまいます。源太は勘当の身でありながらも一の谷の合戦に馳せ参じようとしますが、金に窮してそれも叶いません。恋人の傾城・梅ケ枝が思い余って、現生の望みが叶うかわりに来世は無限の地獄に落ちるといわれる『無間の鐘』の伝説になぞらえ、柄杓で手水鉢を打つと二階から小判が降ってくるという奇跡的な出来事が起こり、源太は梅ケ枝が志の梅花を箙に差し、凛々しい若武者姿となって一の谷の戦場へと出陣していきます。
【配役】
(大夫・三味線)
豊竹松香大夫・鶴澤清志郎
豊竹呂勢大夫・竹澤宗助
竹本千歳大夫・鶴澤清介
豊竹英大夫・竹澤団吾 ツレ豊澤龍爾
豊竹嶋大夫・豊澤富助 ツレ鶴澤清馗
豊竹咲甫大夫・鶴澤清友
(人形)
桐竹勘十郎、吉田玉也、吉田文司、吉田勘市、吉田和生、吉田一輔、
豊松清十郎、吉田勘緑、吉田幸助、吉田簔次、吉田玉誉、ほか
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<実施概要>
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●和・倶楽部 鶴沢清志郎氏の三味線解説 & 文楽鑑賞
●日時:5月9日(土)【満員御礼】
14:30 鶴沢清志郎氏の三味線解説
15:30 劇場に移動
16:00 文楽公演鑑賞
<観劇作品>
ひらかな盛衰記
梶原館の段
先陣問答の段
源太勘当の段
辻法印の段
神崎揚屋の段
奥座敷の段
19:45 文楽公演終了・食事会会場へ移動
20:00 三味線若手の方たちを囲む食事会(自由参加・別会費)
22:00 終了予定
●会費
・ギリークラブ会員、9,500円 ビジター11,500円
※会費に含まれるもの。
(観劇チケット、プログラム、セミナー謝礼分担金)
●募集人数:20名(準備したチケットが20枚という事です)
●〆切り 3月25日
・締め切り前でも、満員の際には閉め切ります。
・キャンセル待ちもできます。
●会場
・三味線解説:伝統芸能情報館(国立劇場裏)
・文楽公演:国立劇場小劇場(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access
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<<文楽とは>>
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文楽は世界文化遺産にも登録されている、日本の誇る伝統芸能の一つです。人形浄瑠璃文楽座というのが正式な名称ですが、現在では通称「文楽」と呼ばれていますので和・倶楽部でも文楽の会と称しています。
ストーリーテラーとして義太夫節を語る大夫(たゆう)、全ての情景を太棹の三味線とバチ一つで描写する三味線弾き、一体の人形を主遣い、左遣い、足遣いの3人であやつり、あたかも人間のような表情としぐさで人を魅了する人形遣い、その3者(三業)が絶妙に調和して作り出す総合芸術です。
350年ほど前に竹本義太夫と近松門左衛門という二人の天才が大阪に現れ(竹本座創設は1684年(貞享元年)、近松作品の『曽根崎心中』が大当たりしたのが1703年(元禄16年)です。
江戸時代における時代劇が『時代物』、現代劇が『世話物』と呼ばれ、それぞれに見どころのある作品が多く、文楽が初演で評判になり、役者芝居である歌舞伎に移植される作品(丸本ものと呼びます)も多いのです。
人形に託して人間の奥底を拡大して見せてくれる作品が多く、江戸時代の日本人の忠義、義理、人情、愛憎、といった人間的葛藤をもたらす悲喜劇に涙したり、憤慨したり、感心したり、とても人形劇とは思えない内容です。
初心者はまず舞台上の人形に目が行きます。娘は本物の女性より綺麗(すみません!)で、侍、町人、それぞれのしぐさから当日の世相や価値観、今も変わらぬ人情が伝わってきます。
人形遣いのメイン(主遣い)は顔を出しているのに、物語が佳境に入ると、、、顔が、姿が消えてしまうのです。人形だけしか見えなくなってきます。ふと気がつくと、『あ、人間国宝の人の顔を消してしまったぁ』という事になるのですが、人形が人間になり・・・そしてその物語に入り込み・・・気がついてみると涙を流している自分がいたりするのです。
舞台右手には床(ゆか)と呼ばれる飛び出した場所がありますが、そこで浄瑠璃を語る太夫さんと三味線弾きが芝居をリードします。くるりと回って出てくるので「盆」と言われたりします。
何といっても文楽は太夫が中心、人形セミナーで桐竹勘十郎さんが「太夫がへたくそだと人形は滅茶苦茶になります・・・」とおっしゃっていましたが、それだけ重要な中心人物です。
太夫の張り切りようは物凄く、汗をだらだら流して、情景を、1人何人もの登場人物の台詞を語り分けます。
その横で静かに座っているように見える三味線、これは決して伴奏ではありません。太棹の三味線(三味線には太棹、中棹、細棹という3つの大きさがあります)を駆使して、音楽というより情景を奏でます。そして、時に太夫をリードする役割もします。三味線が上手くないと、大夫の出来もまた違ってくるのです。
そのような三者が繰り広げる人間ドラマが文楽です。文楽を知るには多くの書籍やサイトがありますが、毎回のセミナーで皆さんが口をそろえておっしゃる事があります。「文楽は娯楽です。まずは楽しんで下さい。」
そうです、まずは楽しみましょう。但し、あるちょっとしたルールを知り、工夫をした方がより楽しめることの事実です。決してオタクにならず、自分が楽しむための学習の場、初心者同士が語り合える場として、和・倶楽部・文楽編を企画しています。
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「日本人に生まれたことを喜びたい。」 それが『和・倶楽部』の考えです。
多くの方が自国の文化に直接触れ、自らの感性を研ぎ澄ませると共に、ビジネスに役立てて頂きたいと思っています。気になっていてもなかなか自ら手配して見に行くことがおっくう、日本文化とはそういうものでありませんか?
同じく日本文化初心者の渡辺が、皆様に成り代わってこういう機会をアレンジいたしますので、どうぞお気楽に参加して下さい。
もちろんお一人でも結構です。ご一緒に体験しませんか?こんなに素晴らしい事が日本にはあります。国立劇場さんはじめ、色々な方が我々の活動に注目し協力していただいています。
和・倶楽部と称していますが、ギリークラブ活動の一環、そしてギリークラブは決して無理に入会されなくて結構ですし、初めての方はまずはビジターでのご参加をお勧めします。その後継続参加したいと思われた時にご入会という手順で考えていますので、決して無理をなさいませんように。もちろん、ずっとビジターでも結構です。(但し、参加はメンバー優先になることだけはご理解ください。)
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