和・倶楽部 桐竹勘十郎氏の人形解説 & 文楽鑑賞会
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<ご案内>
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【満員御礼】
5月は2日に分けて、三味線、人形遣いのセミナーをお送りしますが、その2日目は2月の吉田玉女さんに続き、再び人形セミナー講師はあの桐竹勘十郎氏です。玉女さん、勘十郎さんは近い将来の人間国宝です。(と私は勝手に思っていますが、、、同調する人が多いです)
文楽は大夫、三味線、人形、の三者が織りなす芸能、中心はストーリーテラーである大夫である事は事実ですが、あくまでも人形浄瑠璃、舞台にいるのは人形です。
毎回のポスターでもお分かりのように、娘の人形は大変美しく、ぞくっとするほどです。初心者がまず見いられるのが、人形です。
その人形とはどのように動かすのでしょうか?人形遣いの中でも、圧倒的な存在感のある勘十郎さん、一回でもご覧になったことのある方は納得だと思います。
今回の人形セミナーはその勘十郎さんです。ご本人にお願いして、再度の登場ですが、人形セミナー+文楽の楽しみ方をコンパクトにお話して頂きます。
ここで事前にご了解いただきたい事があります。セミナーは江戸検定の合格者の方がご一緒します。
検定を実施している小学館さんからのご依頼で、渡辺が文楽観劇会の手伝いさせて頂いていますが、折角ご登場頂く勘十郎さんのセミナーは仲良くご一緒します。
観劇前の時間にコンパクトにお話を伺いますが、勘十郎さんという素晴らしい方は、何回もご一緒したいです。今回は無理ですが、いつか飲み会なども企画したいです。
セミナーの後鑑賞する作品は、下記に詳細を記しますが、東京では珍しい作品もかかります。『伊勢音頭恋寝刃』古市油屋の段は、一昨年大阪で観劇しましたが、その時と同じく、竹本住大夫師匠が語られます。大期待です。
世界から認められ、評価されるのが日本文化、(政治も経済もこうありたいものです)どこかの真似ではなく、オリジナルなものだからでしょう。
それでは日本人が自分の国の文化を理解しているでしょうか?残念ながら劇場に来ている方、ビジネス上の会話を聞いても、もう少し頑張らなくては、と思う次第です。
渡辺の持論は「日本文化をビジネスに活かす」です。文楽をはじめ、歌舞伎や狂言などの芸能は勿論楽しむものですが、ビジネスマンがこれらを理解した上で、自らの武器として、教養として身につける意味を知って欲しいと思います。
ビジネス最前線にいらっしゃる方も、この機会に文楽デビューをして頂きたいと思います。何回かの実体験で、日本の素晴らしさを認識し、次にビジネスへどう活用できるか、ご検討ください。
目をそらさないで一回ご覧になってください。真の国際化とは自分の国を知る事です。そんなことをお考えの方も、奮ってご参加下さい。
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<参考>文楽を知るためのサイト
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●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/
●国立文楽劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
●文楽協会
http://www.bunraku.or.jp/japanese.html
●人形浄瑠璃 文楽
http://www.lares.dti.ne.jp/~bunraku/index.html
●文楽への誘い
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/bunraku/jp/
●文化デジタルライブラリー(文楽)
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●BUNRAKU MOJIHISADAYU'sPAGE(竹本文字久大夫)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bunraku/c1.htm
●Sakiho.Com(豊竹咲浦大夫)
http://www.sakiho.com/Japanese/
●あやつられ文楽鑑賞(三浦しをんさんのエッセー)
http://www.poplarbeech.com/bunraku/bunraku_040501.html
●関西の伝統芸能の歴史 人形浄瑠璃の歴史と特色
http://www.kippo.or.jp/culture/geinou/rekishi/joruri/main.html
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<<今回鑑賞作品 国立劇場パンフより >>
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◆寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
5月文楽公演は、国立文楽劇場開場25周年を祝して、『寿式三番叟』で幕を明けます。能楽で特別な曲とされる『翁』を移したもので、颯爽とした千歳の舞、天下泰平、国土安穏の祈りをこめた翁の荘重な舞、そして対象的に三味線の華やかな演奏に乗って、二人の三番叟が五穀豊穣の祈りを込めて躍動的に舞う格調高い作品です。
◆伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
古市油屋の段
奥庭十人斬りの段
福岡貢は元の主家の刀・青江下坂の詮議のため、古市の遊郭に通い油屋お紺と馴染みの仲になっています。お紺は刀の折り紙(鑑定書)を手に入れるために貢にわざと愛想づかしをし、貢は激怒してその場を立ち去ります。そのうえ、青江下坂をすり替えられたと思いこんだ貢は仲居の万野と言い争ううちに誤って斬ってしまいます。逆上した貢は刀を狙う徳島岩次を探すうち、出会った人々を次々と斬ります。お紺の本心が分かり折り紙も手に入った貢は、岩次を討ち果たしその場を立ち去っていきます。
◆日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
真那古庄司館の段
渡し場の段
紀州の真那古庄司館の娘・清姫は、旅の層・安珍に恋しますが、安珍の正体は帝の弟・桜木親王で、都から迎えにきたおだ巻姫と立ち去ってしまいます。清姫は安珍の後を追って、日高川にたどり着きますが、安珍に言い含められた渡し守は清姫を渡すことを拒みます。嫉妬に狂い蛇体になった清姫は日高川に飛び込み、安珍の後を追います。ガブの首(かしら)を効果的に使い、可憐な清姫が恐ろしい蛇体に変身する様は、人形ならではの演出です。
【配役】
◆寿式三番叟
(大夫)
竹本綱大夫 竹本文字久大夫、竹本南都大夫、豊竹始大夫、
竹本相子大夫、豊竹睦大夫、豊竹芳穂大夫、豊竹靖大夫、豊竹希大夫
(三味線)
鶴澤清治、鶴澤清二郎 野澤喜一朗、鶴澤清志郎、鶴澤清馗
鶴澤清丈、豊澤龍爾、鶴澤寛太郎、鶴澤清公
(人形)
豊松清十郎、吉田和生、桐竹勘十郎、吉田玉女
◆伊勢音頭恋寝刃
(大夫・三味線)
竹本住大夫・野澤錦糸
竹本津駒大夫・鶴澤寛治
(人形)
吉田文雀、吉田簔助、吉田玉女 他
◆日高川入相花王
(大夫・三味線)
豊竹つばさ大夫・鶴澤清丈
豊竹咲大夫・鶴澤燕三
(大夫・三味線)
竹本三輪大夫、竹本津国大夫、竹本文字栄大夫、豊竹呂茂大夫、豊竹咲寿大夫
竹澤宗助、竹澤団吾、豊澤龍爾、鶴澤寛太郎、鶴澤清公
(人形)
桐竹紋寿、吉田玉英、吉田玉輝、桐竹亀次、吉田玉也、吉田勘弥、吉田清五郎
ほか
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<実施概要>
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●和・倶楽部 桐竹勘十郎氏の人形解説 &文楽鑑賞会
●日時:5月10日(土)【満員御礼】
10:00 桐竹勘十郎氏の人形解説
10:40 劇場に移動
11:00 文楽公演鑑賞
<観劇作品>
◆寿式三番叟
◆伊勢音頭恋寝刃
古市油屋の段
奥庭十人斬りの段
◆日高川入相花王
真那古庄司館の段
渡し場の段
15:00 公演終了 解散
●会費
・ギリークラブ会員、9,500円 ビジター11,500円
※会費に含まれるもの。
(観劇チケット、プログラム、セミナー謝礼分担金)
●募集人数:40名(準備したチケットが40枚という事です)
●〆切り 3月25日
・締め切り前でも、満員の際には閉め切ります。
・キャンセル待ちもできます。
●会場
・三味線解説:伝統芸能情報館(国立劇場裏)
・文楽公演:国立劇場小劇場(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access
※セミナーは江戸検定合格者の文楽観劇会と合同です。
渡辺が依頼を受けて、勘十郎さんにお願いした結果です。
あらかじめご了解ください。
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<<文楽とは>>
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文楽は世界文化遺産にも登録されている、日本の誇る伝統芸能の一つです。人形浄瑠璃文楽座というのが正式な名称ですが、現在では通称「文楽」と呼ばれていますので和・倶楽部でも文楽の会と称しています。
ストーリーテラーとして義太夫節を語る大夫(たゆう)、全ての情景を太棹の三味線とバチ一つで描写する三味線弾き、一体の人形を主遣い、左遣い、足遣いの3人であやつり、あたかも人間のような表情としぐさで人を魅了する人形遣い、その3者(三業)が絶妙に調和して作り出す総合芸術です。
350年ほど前に竹本義太夫と近松門左衛門という二人の天才が大阪に現れ(竹本座創設は1684年(貞享元年)、近松作品の『曽根崎心中』が大当たりしたのが1703年(元禄16年)です。
江戸時代における時代劇が『時代物』、現代劇が『世話物』と呼ばれ、それぞれに見どころのある作品が多く、文楽が初演で評判になり、役者芝居である歌舞伎に移植される作品(丸本ものと呼びます)も多いのです。
人形に託して人間の奥底を拡大して見せてくれる作品が多く、江戸時代の日本人の忠義、義理、人情、愛憎、といった人間的葛藤をもたらす悲喜劇に涙したり、憤慨したり、感心したり、とても人形劇とは思えない内容です。
初心者はまず舞台上の人形に目が行きます。娘は本物の女性より綺麗(すみません!)で、侍、町人、それぞれのしぐさから当日の世相や価値観、今も変わらぬ人情が伝わってきます。
人形遣いのメイン(主遣い)は顔を出しているのに、物語が佳境に入ると、、、顔が、姿が消えてしまうのです。人形だけしか見えなくなってきます。ふと気がつくと、『あ、人間国宝の人の顔を消してしまったぁ』という事になるのですが、人形が人間になり・・・そしてその物語に入り込み・・・気がついてみると涙を流している自分がいたりするのです。
舞台右手には床(ゆか)と呼ばれる飛び出した場所がありますが、そこで浄瑠璃を語る太夫さんと三味線弾きが芝居をリードします。くるりと回って出てくるので「盆」と言われたりします。
何といっても文楽は太夫が中心、人形セミナーで桐竹勘十郎さんが「太夫がへたくそだと人形は滅茶苦茶になります・・・」とおっしゃっていましたが、それだけ重要な中心人物です。
太夫の張り切りようは物凄く、汗をだらだら流して、情景を、1人何人もの登場人物の台詞を語り分けます。
その横で静かに座っているように見える三味線、これは決して伴奏ではありません。太棹の三味線(三味線には太棹、中棹、細棹という3つの大きさがあります)を駆使して、音楽というより情景を奏でます。そして、時に太夫をリードする役割もします。三味線が上手くないと、大夫の出来もまた違ってくるのです。
そのような三者が繰り広げる人間ドラマが文楽です。文楽を知るには多くの書籍やサイトがありますが、毎回のセミナーで皆さんが口をそろえておっしゃる事があります。「文楽は娯楽です。まずは楽しんで下さい。」
そうです、まずは楽しみましょう。但し、あるちょっとしたルールを知り、工夫をした方がより楽しめることの事実です。決してオタクにならず、自分が楽しむための学習の場、初心者同士が語り合える場として、和・倶楽部・文楽編を企画しています。
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「日本人に生まれたことを喜びたい。」 それが『和・倶楽部』の考えです。
多くの方が自国の文化に直接触れ、自らの感性を研ぎ澄ませると共に、ビジネスに役立てて頂きたいと思っています。気になっていてもなかなか自ら手配して見に行くことがおっくう、日本文化とはそういうものでありませんか?
同じく日本文化初心者の渡辺が、皆様に成り代わってこういう機会をアレンジいたしますので、どうぞお気楽に参加して下さい。
もちろんお一人でも結構です。ご一緒に体験しませんか?こんなに素晴らしい事が日本にはあります。国立劇場さんはじめ、色々な方が我々の活動に注目し協力していただいています。
和・倶楽部と称していますが、ギリークラブ活動の一環、そしてギリークラブは決して無理に入会されなくて結構ですし、初めての方はまずはビジターでのご参加をお勧めします。その後継続参加したいと思われた時にご入会という手順で考えていますので、決して無理をなさいませんように。もちろん、ずっとビジターでも結構です。(但し、参加はメンバー優先になることだけはご理解ください。)
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