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GILLIE CLUB

文楽公演 & 竹本住大夫師匠のお話しを伺う会

<ご報告>

人間国宝であり、文化功労者である竹本住大夫師匠、素晴らしい方であるのは当然ですが、お話を端々にユーモアと問題意識が交互に出てきます。自分にもお弟子さんにも厳しい方ですが、文楽を思い、弟子を思い、観客を真剣にお考えだからの事、本当に頭が下がります。

お話しの中には、文楽だけではなく、自分の人生にとって、仕事の進め方に対して、そして周囲の人との関係に関しても大変示唆のあるお話しが聞けました。渡辺にとっても有意義な時間でしたが、どんな印象であったかはご参加者の感想をお読みいただくのが一番です。

ですが、皆さんの感想が熱い熱い!これを全部載せると大変ですので、抜粋させて頂きます。

盛り上がったところで力を入れると近松でなくなる。お爺さん役は腹に力を入れ息をいっぱい出さないとだめ。文と文の空間、三味線も音と音の間の空間、演技も動かないところが難しく、それが見せどころ。声でなく息。耳でききわけてもらわんとしゃあない各人の音(オン)。きょうの大経師昔暦と住大夫師匠の講話は勉強になることばかりでした。ふだんは気がつかない教えです。
64年も語ってこられた住大夫師匠の舞台が、私には62年にして初めて文楽を体感する日となりました。めぐりあおうとしなかったこれまでの時間を反省しつつ、今日のこの幸運をなんと表現すればよいのか分からずにただ感謝の気持ちでいます。日本でしかできないことを次の世代に伝承する大切さも再確認しました。

住大夫師匠のお話、言葉一つ一つが心の中に染み渡るお話でした。今でも芸に対して悩むとおっしゃっていたことにとても感銘いたしました。 常に初心を忘れずに、真摯に向き合って一歩一歩進んでこられて、まだ歩みをとめないことのすごさを感じました。
お話を聞きながら、これから取り組むべきことや姿勢を改めて考えさせられ、私にとってかけがえのない教えを頂戴したありがたいものでした。 とても貴重なお時間を共有させていただきましてありがとうございました。

師匠の語りは、やはり凄いというのが、正直な感想です。いつもは、人形に目が行きますが、昨日は、演目にもよるでしょうが「語り」が、全てという感じでした。 いままでは、文楽「観劇」でしたが、これからは、文楽に関わる人たちへ、愛情を持って見ることが出来る、文楽「支持者」になるきっかけになる、良い演目と、その後の講演でした。

住大夫師匠のお言葉、若い技芸員さんたちにもお伝えしたいと思いました。「最近は出来がよくないのにお客さんが入っている。これを見て自分たちの芸がいいのだとで誤解してもらいたくない」のような言葉が心に残りましたし、常に試行錯誤を繰り返している、常に前進しようと心がけているという姿勢に心打たれました。本当に情のある、そして優しい方なのだと思いました。

苦手なことだから一生懸命やる、というシンプルな考え方だけで、あれだけの芸術を納められてるのですから素晴らしいです。私も楽しいことばかりではなく、今さらながらですが、苦手なことにも一生懸命取り組めば、新しい世界が広がるのかも、なんて希望を持てました。
住大夫師匠が高齢でありながらあれだけ頑張ってらっしゃるのですから、私も気持ちだけでも負けずに一日も無駄にすることなく、頑張りたいと思います。そして、これからも住大夫師匠と文楽を楽しませて頂きたいと思いますのでお元気でいらして下さい。

   

<ご案内>

【満員御礼】

東京の文楽公演、連日満員御礼が続いています。12月は人間国宝級の方が出ない公演なのですが、「渡辺さん、12月公演も券が取れなくなりました」と劇場の方からお聞きし、この人気に本当に驚かされます。

次回2月公演も同じ事、これ以上の事が予想されます。素晴らしい芸に出会える事が話題になり、じんわり広がり、劇場キャパ、公演回数との乖離でプラチナチケット化なのです。

これが毎公演そうなのですから、凄い事です。これは事実として「文楽は多くの人の心を掴む芸能」になっている確固たる証拠だと思います。

和・倶楽部(ギリークラブの日本文化シリーズ名です)では、発足直後から文楽を観賞させて頂いておりますが、そんな中で、多くの方にお世話になっています。

文楽は観た事はなくても、名前は聞いた事がある方も多いと思いますが、竹本義太夫、という方が江戸時代に作り上げた義太夫節に合わせ人形が芝居をするのが人形浄瑠璃です。

当時、座付の作家だったのが、これまた有名な近松門左衛門、東洋のシェイクスピアとも言われる人です。この二人が人形浄瑠璃の基礎を固めたので、我々が楽しんでいるそう言っても過言ではない、文楽界の最大級功労者です。(通称「文楽」ですが、正式には「人形浄瑠璃文楽」です。)

そんな江戸時代の人形劇がなぜ東京でこんなに人気に?そう思うのが当然なのですが、観れば分かります。ギリークラブで文楽デビューし、はまる人を沢山見ています。

その文楽をリードする大夫さんのトップにいらっしゃるのが、竹本住大夫さん、これは誰もが認めるところです。私も何回も師匠の芸に心を震わされ、涙したことでしょうか。

役者や様式美を楽しむ歌舞伎に比べて、はっきり言って地味ですが、「いい大人」が安心して身を任せる事の出来る大夫の存在、これが本当に重要であり、その筆頭に住大夫師匠がいます。

2月公演では至宝とも言える住大夫師匠の義太夫節で、感激させて頂いた直後に、ご本人から話をお聞きできれば、、、またまた厚かましいお願いに、ご快諾を頂戴しました。本当に有難い事です。これだけで感激です。

こんな素晴らしい機会は、ぜひ皆さんとご一緒したいと思います。前回も希望者殺到で、お断りした方が多いのですが、今回は枠を広げて募集させて頂きます。奮ってのご参加お待ちしています。

渡辺の持論は「日本文化をビジネスに活かす」です。文楽をはじめ、歌舞伎や狂言などの芸能は勿論楽しむものですが、ビジネスマンがこれらを理解した上で、自らの武器として、教養として身につける意味を知って欲しいと思います。

ビジネス最前線にいらっしゃる方も、この機会に文楽デビューをして頂きたいと思います。何回かの実体験で、日本の素晴らしさを認識し、次にビジネスへどう活用できるか、ご検討ください。

目をそらさないで一回ご覧になってください。真の国際化とは自分の国を知る事です。そんなことをお考えの方も、奮ってご参加下さい。

なお、今回は第二部を観劇しての会ですが、2月の第一部、第三部の会は2月7日に実施します。これは別途案内しますが、高木秀樹氏の作品解説付観賞会です。こちらもお楽しみにお待ち下さい。

<参考>文楽を知るためのサイト

●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/
●国立文楽劇場
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku/index.html
●竹本住大夫 ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org
●「竹本住大夫の世界」(CD/DVD販売)
http://www.warakusya.com/cdsale.html
●人形浄瑠璃 文楽
http://www.lares.dti.ne.jp/~bunraku/index.html
●文楽への誘い
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/bunraku/jp/
●文化デジタルライブラリー(文楽)
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●BUNRAKU MOJIHISADAYU'sPAGE(竹本文字久大夫)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bunraku/c1.htm
●Sakiho.Com(豊竹咲浦大夫)
http://www.sakiho.com/Japanese/
●あやつられ文楽鑑賞(三浦しをんさんのエッセー)
http://www.poplarbeech.com/bunraku/bunraku_040501.html
●関西の伝統芸能の歴史 人形浄瑠璃の歴史と特色
http://www.kippo.or.jp/culture/geinou/rekishi/joruri/main.html

<< 今回鑑賞作品  国立劇場パンフより >>

◆おさん・茂兵衛 大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)
大経師内の段
岡崎村梅龍内の段
奥丹波隠れ家の段

 京都烏丸の大経師(暦を発行する権利を与えられた朝廷御用の表具師)の女房おさんと手代の茂平衛が密通し、これを仲立ちした下女・お玉もろとも捕えられて処刑された事件をもとに、近松門左衛門が書きあげた世話物で、三大姦通物のひとつと数えられます。

 互いに人違いから偶然にも姦通の罪を犯したおさんと茂平衛。二人の身を案じるお玉とその伯父・梅龍。梅龍を頼って岡崎まで逃れてきた二人は偶然にもおさんの両親と出会い、互いの身の不運を嘆きます。そして、二人は茂平衛の在所奥丹波に身を隠すことになります。しかし、奥丹波の地にも二人の噂が聞こえ始め、遂には役人によって捕えられてしまいます。

二人の命を救う為に梅龍がお玉の首を討って駆けつけますが、却って無実の証人を失ってしまい、梅龍の嘆きを後に二人は京へと引きたてられていきます。

<<文楽とは>>

文楽は世界文化遺産にも登録されている、日本の誇る伝統芸能の一つです。人形浄瑠璃文楽座が正式な名称、通称「文楽」と呼ばれています。

ストーリーテラーとして義太夫節を語る大夫(たゆう)、全ての情景を太棹の三味線とバチ一つで描写する三味線弾き、一体の人形を主遣い、左遣い、足遣いの3人であやつり、あたかも人間のような表情としぐさで人を魅了する人形遣い、その3者(三業)が絶妙に調和して作り出す総合芸術です。

350年ほど前に竹本義太夫と近松門左衛門という二人の天才が大阪に現れ(竹本座創設は1684年(貞享元年)、近松作品の『曽根崎心中』が大当たりしたのが1703年(元禄16年)です。

江戸時代における時代劇が『時代物』、現代劇が『世話物』と呼ばれ、それぞれに見どころのある作品が多く、文楽が初演で評判になり役者芝居である歌舞伎に移植されるほど作品(狂言と呼びます)も多いのです。

人形に託して人間の奥底を拡大して見せてくれる作品が多く、江戸時代の日本人の忠義、義理、人情、愛憎、といった人間的葛藤をもたらす悲喜劇に涙したり、憤慨したり、感心したり、とても人形劇とは思えない内容です。

初心者はまず舞台上の人形に目が行きます。娘は本物の女性より綺麗(すみません!)で、侍、町人、それぞれのしぐさから当日の世相や価値観、今も変わらぬ人情が伝わってきます。

人形遣いのメイン(主遣い)は顔を出しているのに、物語が佳境に入ると、、、顔が、姿が消えてしまうのです。人形だけしか見えなくなってきます。ふと気がつくと、『あ、人間国宝の人の顔を消してしまったぁ』という事になるのですが、人形が人間になり・・・そしてその物語に入り込み・・・気がついてみると涙を流している自分がいたりするのです。

舞台右手には床(ゆか)と呼ばれる浄瑠璃を語る太夫と三味線弾きが座る、飛び出した場所がありますが、くるりと回って出てくるので「盆」と言われたりします。

何といっても文楽は太夫が中心、人形セミナーで桐竹勘十郎さんが「太夫がへたくそだと人形は滅茶苦茶になります・・・」とおっしゃっていましたが、それだけ重要な中心人物です。太夫の張り切りようは物凄く、汗をだらだら流して、情景を、1人何人もの登場人物の台詞を語り分けます。

その横で静かに座っているように見える三味線、これは決して伴奏ではありません。太棹の三味線(三味線には太棹、中棹、細棹という3つの大きさがあります)を駆使して、音楽というより情景を奏でます。時に太夫をリードする役割もしますが、三味線の良しあしで義太夫節が変わってきますから、ある意味文楽の中心を握っているのが三味線です。

そのような三者が繰り広げる人間ドラマが文楽です。文楽を知るには多くの書籍やサイトがありますが、毎回のセミナーで皆さんが口をそろえておっしゃる事があります。「文楽は娯楽です。まずは楽しんで下さい。」

そうです、まずは楽しみましょう。但し、あるちょっとしたルールを知り、工夫をした方がより楽しめることの事実です。決してオタクにならず、自分が楽しむための学習の場、初心者同士が語り合える場として、文楽の会を企画しています。

<実施概要>

●文楽公演 & 竹本住大夫師匠のお話しを伺う会

●日時:2月14日(日)【満員御礼】
14:45 文楽公演鑑賞
演目「大経師昔暦」(だいきょうじむかしごよみ)
近松門左衛門=作
おさん・茂兵衛 大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)
大経師内の段
岡崎村梅龍内の段
奥丹波隠れ家の段
17:45 終演
17:50 伝統芸能情報館に移動、竹本住大夫師匠のお話しを伺う会
18:50 終了・解散

●ゲスト:竹本住大夫氏(文楽大夫 文化功労者・人間国宝)

●会場:国立劇場小劇場(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access

●会費(特別会費です)
・ギリークラブ会員、10,000円 ビジター12,000円
 ※会費に含まれるもの
 (観劇チケット、プログラム、セミナー謝礼分担金)

●募集人数:50名
(準備したチケットが50枚という事です)

●〆切り 12月25日
・締め切り前でも、満員の際には閉め切ります。
・キャンセル待ちもできます。