ギリークラブメンバー限定企画
『3月の広東料理を楽しむ』
〜 赤坂璃宮譚総料理長に聞き、食し、憩う1年 〜
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<ご報告>
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以下の小林さんのレポートにもありますが、9回目にもなると雰囲気は落ち着いたものです。毎月来ている方は平常心そのものになります。
もちろん初参加の方はわくわく感がありますし、新しいメンバーが「仲間入り!」という感じで入って頂き、どんどん良い雰囲気の会になってきています。
毎回、毎回、変化球のように特別なメニューではなく、「この月にはこうなのかぁ、」と感じるのが本来の考え、今月はお店の通常メニュー(ちょっと特別ですが)でした。
そして初参加の女性陣は・・・厨房見学会に大興奮でした。留守番の方に、動画で袁さんが鍋を振る姿をお見せしましたが、この動画も今度機会があれば皆さんにお見せしたいですね。
いやぁ、凄い迫力ですよ。大火力の音と香り、そして熱気、そうそう、これぞ中華!という感じです。
厨房の方に許して貰える(?)ほど、ずうずうしい人間関係も出来ています。これは繰り返しの効果ですね。
何といっても、毎月広東料理を食べて学ぶんだ、という参加者の熱意が伝わっているのだと思います。皆で心を一つにして広東料理を食べる会、貴重な時間です。
小林由佳さんのレポートをお読みください。
9回目を迎えた3月は、参加者の半数が女性という華やかな円卓でした。会冒頭には、大川さんから一言。「今夜のメニューには、先日当店で開催された賞味会で高評価をいただいたスープが入っています。9回目を迎え、また広東料理の初心に戻ったような構成ですね」。確かに前回までのメニューに比べると、今回は使われている食材もシンプルな印象。譚シェフからは、「冬場に肉を沢山食べた体を労わるメニューです」と説明がありました。さっそく前菜からスタートです。
●璃宮焼味盆 レイ・ゴン・シュウ・メイ・ピン
<焼き物前菜盛り合わせ>
台湾アヒルの窯焼き、叉焼、皮付きバラ肉、牛タン、高知産のトマト、食用ほうずきニューフェイスは牛タン。厚めにカットされた肉タンからは、ほのかに八角が香ります。九州から取り寄せている皮付きバラ肉、パリパリの皮とコクのある肉質のアヒル、肉汁を逃がすことなく焼き上げた叉焼……といつもの味が並びますが、会を重ねる参加者からは「何度食べてもまったく飽きない。毎回本当に美味いと感じる」「いつもこの食べ始めで幸せな気分になる」と太鼓判が押されています。後口に残るほどよい脂分が空腹を心地よく刺激しますが、添えられたトマトやほうずきが脂分を一掃する爽やかさも捨てがたい。赤坂璃宮の焼き物シリーズ、いつかこの前菜だけでオナカいっぱいになりたいと願っている人も多いことでしょう。
●椒塩活帯子 チョウ・イン・ウ・ダイ・チ
<活ホタテ貝のスパイス揚げ>
中国語で「帯子(ダイ・チ)」と呼ばれるホタテ。赤坂璃宮にはオホークツで獲れたホタテが生きたまま届きます。かぶりつくほど大きな貝柱と肝には、アヒルの塩玉子の黄身をバターで溶いた衣が薄く絡んでいます。貝柱の甘みにピンクペッパーの香りがピッタリ。肝は木綿豆腐のような食感です。肝と塩玉子のコクがニンニクの風味で一体となり、「なんだかビックリする食べ物ですね」という声も。「肝を揚げた料理自体初めてですが、肝のコクと黄身衣の相性が、ニンニクの風味に負けることなく味わえるのが素晴らしい」。塩玉子の黄身衣は広東料理の定番。沿岸のレストランでは、この衣を使ったシャコやエビの料理も人気が高いそうです。
●春菜泡蝦仁 チョン・チョイ・バウ・ハー・ヤン
<芝海老と季節野菜の炒め>
タケノコ、コゴミ、ウド、ゼンマイ、黄ニラ、行者ニンニク、ニンジンに芝海老。一皿の中にたくさんの食材が入ります。海老と野菜で軽い仕上がりなのかと思ったら大違い。タケノコの春の香りとさくさく感、山菜の苦みやぬめりなど、食材ひとつひとつの主張が明確で、口に入れるたびに発見と感激が続きます。春を迎え力みなぎる野菜の力を受け止めるのは、プリッと輝く芝海老。単に旬を一斉に集めたようでいて、個々の個性がしっかりと活きる配分が見事。シンプルなのに、いやシンプルだからこそ、完成度の高さがダイレクトに伝わる一品です。
●杜仲燉鷯 ドウ・チョン・ダン・アム・チョン
<薬膳入り蒸しスープ>
先月のクエのスープを彷彿とさせる、薬膳スープ。滋養強壮や整腸効果がある竜眼(ロンガン)、漢方の高級食材で有名な冬虫夏草、血糖低下や抗脂肪肝効果のあるクコの実に、豚の赤身肉や鶉、ゴボウなどが入っています。そして料理名にある「杜仲」とは、杜仲という木の“樹皮”を指す生薬名。ダイエットでもお馴染みの杜仲茶は、この木の“葉”が使われています。ほんわりとした甘みを感じるスープは鶉がクタクタになるまで煮込んであり、素材の調和が澄んだ琥珀色に込められています。フカヒレスープのような“食べるスープ”も中国料理の醍醐味ですが、コース中盤で登場する薬膳スープの独特な安堵感、食べることで体をいたわっていると実感できる満足感がなんともシアワセ。ちなみに、この会でスープが登場すると、毎回円卓は静かになります。テーブルを囲む全員がひと匙ひと匙に集中し、的確な表現を模索している様子。「美味しい」という以上の感動を伝えたい……そんな気持ちにさせるのが、赤坂璃宮のスープ料理なのです。
●香妃本地鶏 ヒョン・ヒ・フン・デイ・カイ
<地鶏の特製姿蒸し>
「鶏肉の料理が続くんですか?」という問いに、「先ほどはスープが主役で鶉は味のひとつ。これは鶏が主役の料理です」と大川さん。伊達鶏を使ったこの料理は冷製です。箸がふんわりと沈み込む、ギリギリの弾力を残した鶏肉。きめ細かい肉質は極薄の断層が見えるかのようです。伊達鶏の旨みは一滴たりとも逃していない味わい。どう調理したらこんな仕上がりに?? その秘密を譚シェフが教えてくれました。「まず鶏一羽を丸ごと真水で炊きます。そして中身が半生の状態で取り出し、干し海老、貝柱などで作ったスープの中に入れるんです。この時、スープの温度は100度。半茹での鶏肉をそこに漬けたらスープの火を止め、自然に下がる余熱を利用して鶏肉を蒸し煮にするのです。完全に温度が下がるまでは約1時間。加熱しないことで鶏肉から味が逃げることなく、スープの味がギュッと浸み込みます。この料理は、料理人によって調理のどの過程で味をつけるかが異なります。袁シェフは今回のようにスープに鶏を入れることで味をつけるけれど、お湯につけて蒸し煮にする人もいます」。
●珊瑚石榴球 サン・ウ・セッ・ラウ・カウ
<精進野菜入り茶巾包み>
「これが精進料理?」と参加者を驚かせた一品。タケノコ、蟹の外子、髪菜(ファーツァイ。藍藻の一種)などが、シイタケの出汁がきいた甘みのある味付けでまとめられています。これが卵白の皮で茶巾包みになり、とろみのある薄味のあんかけに浮かんでいるという一品。茶巾を使う料理は、長州料理に多いのだそうです。茶巾の中の具材は小さなサイコロ状に、あんかけの具材は細切りになっており、複雑な食感が楽しめます。あんかけと茶巾の絡み具合で変化する味わいがなんとも面白く、シンプルな鶏肉料理の後ということもあり、インパクト大。精進料理=淡泊というイメージを一変させる一皿でした。
●家郷保炒飯 カー・ヒョン・ポー・チャウ・ハン
<漬け物入りチャーハン>
青菜の芽を塩漬けにした四川省の漬けもの、芽菜(ヤーツァイ)を使った炒飯です。芽菜は蒸し魚や挽肉料理、おかゆなどに活用される漬け物です。米は北海道産の「花きらり」。糖度と粘度が低い品種なので、アサリの味が米粒ひとつひとつに染み込みつつも、ツルリと固めに仕上がっています。「濃褐色の炒飯ですが、これは色をつけるために中国醤油を使っているだけなので、味は見た目ほど濃くなりません」と大川さん。広東省のたまり醤油は、甘く濃厚なまろやかさと濃い色合いが特徴。料理の色付けに重宝されている名産品です。早春の宴を締めくくる軽やかさ、お米の個性を楽しむことができ、“ご飯もの”というより“米料理”。老舗料理店の洗練を感じさせる最後の一品でした。
●美点凍甜品 メイ・テン・トン・ティン・パン
<マンゴー&タピオカのカスタードソース、杏仁豆腐、マンゴープリン、竜眼とグレープフルーツのココナツミルク、黒米とピーナッツの汁粉>
料理の脂分を中国茶「東方美人」でサッと流しつつ、最後のお楽しみ、デザートに突入です。今月限定のデザートメニューは「黒米とピーナッツの汁粉」。名前は濃厚そうですが、黒米のツブツブ感とピーナッツのコクがサラッと口の中で溶けていく品の良い味でした。デザートに舌鼓を打っていると、お仕事を終えた譚シェフが登場。この日は他にも大型の宴会が入っていたため厨房は大忙しだったようですが、コースの途中では初参加の方々を厨房見学にも招いて下さいました。
「今回のメニューは、春先に体を整える内容です。中国では、冬場に肉を多く食べ脂でドロドロになった体内を、春にキレイにしようと考えます。そこで春野菜や漢方で、脂を落とし、高血圧を予防し、胃腸の活動を整えていくんです。薬膳スープ、蒸し煮した鶏肉、季節野菜の炒め物……それぞれが体を健康に、元気にしてくれます」。そして、コースの中でいちばん手間と時間がかけられているのはスープだと言います。「メニューの一品として出すスープ以外にも、炒め物の仕上げにザッとかけるスープや、素材に味を浸ませるためのスープもあります。それらはすべて用途ごとに味の深さが異なり手間がかかっています。火加減も本当に微妙。火力を何度も変えながらひたすらアクを取り、濃して濃縮していくんです」。中国料理の奥深さは、多彩な食材と調合はもちろん、時間と手間をかけた下ごしらえにもあるのです。
参加者からは「今回は、個性を前面に押し出してくるような皿があるかと思えば、その味の秘密を探りたくなるものもあった」、「初めて参加して、今まで中国料理をなんとなく食べていたと気付きました。調理の細かい説明まで聞けて面白かった」という声も。「円卓の食事の難しさを知った」というのは、回を重ねた人の感想。「食事中、“最近の若者は円卓を避ける”という話がありました。隣同士の会話で済む四角いテーブルと違い、円卓は誰もが顔を見合わせるシチュエーション。全員が楽しめる話題を考えるのが、今の若者には面倒くさいというワケですね。
今回、食事の途中で皆バラバラに話をしていたひと時があったので“あぁこういうことか”と気付きました。やはり、皆で同じ美味を堪能する席では、同じ話題で一緒に盛り上がりたいですよね」。なるほどその通り……と思っても、己を振り返れば料理とノートばかり見ていたかも。“円卓の会話のマナー”は、中国を知るうえでも大切なファクターですね。
璃宮焼味盆 レイ・ゴン・シュウ・メイ・ピン
<焼き物前菜盛り合わせ> |
椒塩活帯子 チョウ・イン・ウ・ダイ・チ
<活ホタテ貝のスパイス揚げ> |
春菜泡蝦仁 チョン・チョイ・バウ・ハー・ヤン
<芝海老と季節野菜の炒め> |
杜仲燉鷯 ドウ・チョン・ダン・アム・チョン
<薬膳入り蒸しスープ> |
香妃本地鶏 ヒョン・ヒ・フン・デイ・カイ
<地鶏の特製姿蒸し> |
珊瑚石榴球 サン・ウ・セッ・ラウ・カウ
<精進野菜入り茶巾包み> |
家郷保炒飯 カー・ヒョン・ポー・チャウ・ハン
<漬け物入りチャーハン> |
美点凍甜品 メイ・テン・トン・ティン・パン
<マンゴー&タピオカのカスタードソース、杏仁豆腐、マンゴープリン、竜眼とグレープフルーツのココナツミルク、黒米とピーナッツの汁粉> |
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<ご案内>
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【満員御礼】
3月のメニューです。
もう少し詳しい情報は明日が2月の会ですので、譚さんにお聞きしてからまた情報をお流しします。
璃宮焼味盆 レイ・ゴン・シュウ・メイ・ピン
璃宮特製焼き物前菜
椒塩活帯子 チュウ・イン・ウッ・ダイ・チ
活けホタテ貝のスパイス揚げ
春菜泡蝦仁 チョン・チョイ・パウ・ハー・ヤン
芝エビと季節野菜の炒め
杜仲燉鷯鶉 ドウ・チョン・ダン・アム・チョン
薬膳入り蒸しスープ
香妃本地鶏 ヒョン・ヒ・フン・デイ・カイ
地鶏の特製姿蒸し
珊瑚石榴球 サン・ウ・セッ・ラウ・カウ
精進野菜入り茶巾包み
家郷保炒飯 カー・ヒョン・ポー・チャウ・ハン
漬け物入りチャーハン
美点凍甜品 メイ・テン・トン・ティン・パン
本日のデザートとお菓子
過去の会の様子がここにあります。
お時間があればご覧になって下さい。
(写真もあります)
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/0818.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/0916.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1014.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1111.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1202.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0113.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0217_01.shtml
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<参考サイト>
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●広東名菜・赤坂璃宮
http://www.rikyu.jp/
●中国料理ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/
●広東料理ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/
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<実施概要>
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●『3月の広東料理を楽しむ』
〜 赤坂璃宮譚総料理長に聞き、食し、憩う1年 〜
●日時:3月17日(水)19:00〜22:30【満員御礼】
18:45 受付開始
19:00 広東料理の楽しみ方を聞く時間
19:15 食事開始
22:00 譚総料理長に何でも質問する「広東料理交流会」
22:30 終了
●会場 広東名菜・赤坂璃宮 銀座店
中央区銀座6-8-7交詢ビル5F 03-3569-2882
http://www.rikyu.jp/ginza.html/
●ゲスト
:譚 彦彬氏(赤坂璃宮 総料理長)
:袁 國星氏(赤坂璃宮銀座店 料理長)
●同席:大川善樹氏(赤坂璃宮 専務取締役)
●会費:ギリークラブ会員 14,000円 ビジター 16,000円
(料理代、飲み物代、セミナー代)
会費内でのお酒でも、十分な量とレベルだと思いますが、
別ワインや中国酒などご希望の方には、別料金でアレンジします。
●参加人数:先着順 10名限定
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