「世界報道写真展2010」
〜最高水準の報道写真でみる世界の現実〜
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<ご報告>
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参加者の方は、それぞれのペースでじっくり写真を見て回った後、朝日新聞の馬田さん、写真美術館学芸員の丹羽さんから、報道写真展の事、写真家の狙いや裏話も伺いました。
単に観賞するだけでなく、写真に対する新たな認識も持ち、個々の写真に対する感想も語り合った飲み会では、お酒も入ったせいで、本当に盛り上がりました。
そこでの議論も踏まえて、「外国に発信したい日本の1カット」を応募して貰うような、ギリークラブらしい写真コンテストも企画しようかと思っています。
渡辺幸裕
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<ご案内>
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今回は東京都写真美術館で「世界報道写真展2010」を見ます。主催の朝日新聞社の馬田氏、東京都写真美術館学芸員の丹羽晴美氏という専門家にお話を伺いながら、我々だけで鑑賞します。
世界報道写真展の会、昨年はパスしてしまったのですが、ここに集まっている写真群を見ると、日本のメディアからは知る事が出来ない世界の現実が読み取れます。大変価値ある内容だと私自身が思っていますので、今年も企画しました。
個々の写真から感じられるものは、見る人によって異なるのが当然ですが、世界中でおきている事実、戦争や問題だけでなく、スポーツやアート、自然などのテーマで、日本人とは違う視点、価値観での作品があるという、厳然たる事実に変わりはありません。
6月12日開幕ですので、まだ私も見ていません。現時点ではリリースからだけの情報ですが、過去の経験からも、ネットで見るのと現物を美術館で見るのとでは、当たり前ですが迫力が全く異なります。ということは、自分が感じる迫力も全く違います。数年前に見た作品が蘇ってくるという事は、これは美術館に出かける価値だと思います。
新聞や雑誌、ましてやネットなどで見る写真とは全くパワーが違うのです。いくらアイパッドの画質が良いからと言っても、美術館に出かけて行って見る迫力には勝てないはずです。
そして・・・学芸員の方の説明付です。裏話を聞けば良いというわけではありませんが、これも経験上、説明を聞いて見ると見方が違ってくるのもまた事実です。説明を聞いてから見るか、まずは先入観抜きで見てから説明を聞き、また見るか、それはご自由にお決めください。
世界報道写真大賞2010は・・・
イタリアのピエトロ・マストゥルツォ氏がイラン・テヘラン市内で日没後に撮影した1枚。イラン大統領選後の混乱の中、現職アフマディネジャド大統領の対立候補だったムサビ氏は不正な票の操作があったと異議を唱え、支持者は激しいデモを繰り広げました。そして、夜になると、屋上や窓から抗議の叫びを上げつづけるその瞬間をとらえたものです。同じような夜の叫びは1979年のイスラム革命の時以来のことだといいます。
ここにその写真があります。
http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-82.html
この写真だけでも、叫んでいる声が聞こえてくるようですが、早く現物の写真を美術館で見たいものです。必ずやぞくぞくする時間が持てると思っています。
そして、ギリークラブらしい交流会が待っています。報道写真展を見た後は、関係者、ご参加者と一緒に懇親です。写真家の狙い、写真展に関して、写真媒体の価値などを聞きましょう。
そして見て来たばかりの写真に関して感想を述べ合います。自分と異なる印象をお持ちになるのは当然ですが、それがなるほど、なるほど、と思えてくるのです。
ギャラリートーク、写真展、関係者を囲む懇親会、そんなスケジュールで「世界報道写真展2010」をご一緒しましょう。奮ってのご参加お待ちしています。
身体の中に、不思議な感覚が流れる時間です。恵比寿まで出かける価値のある事だと思います。
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◆「世界報道写真展」とは
オランダ・アムステルダムに本部を置く世界報道写真財団が毎年行っている世界報道写真コンテストで入賞した作品約170点で構成した展覧会です。すべて2009年に撮られた写真で、今年で53回目のコンテストには10万1960点の応募作品があり、初めて10万点を突破しました。年々応募作品は増えてきましたが、今年は中国、インドなどアジア諸国やブラジルなど中南米、アフリカなど新興国のカメラマンから応募が増えたことも特徴的でした。その中から厳選された作品は、今世界で起きていることを的確に鋭く私たちに訴えてきます。
ピューリッツアー賞を超える、世界最大規模の報道写真コンテスト
その受賞作約170点から、世界が、地球の未来が見えてくる。
50年以上の歴史を誇る、オランダ・アムステルダムの「世界報道写真財団」が、毎年世界中の報道カメラマンを対象に実施する「世界報道写真コンテスト」の受賞作を紹介する「世界報道写真展 2010」が、今年も、東京を始め日本国内で開催されます。
アメリカ国内で発表された写真のみが対象となる「ピューリッツアー賞」と比べ、全世界の媒体で発表された報道写真に応募の権利があるこのコンテストは、世界中の報道カメラマンの目標として年々注目が高まり、今回は過去最大の10万点を超える応募が集まりました。
本年のグランプリに選ばれたのは、イタリア人カメラマンのピエトロ・マストルツォが09年6月、大統領選の不正への抗議が国中で高まるイランで撮影した1枚でした。日中の抗議デモでは収まらず、日没後に建物の屋上から抗議の叫びをあげる一人の女性をとらえたこの写真は、「何か巨大な物語が始まろうとしていることを表している。視覚的にも感情的にも強く訴えかける1枚」との高い評価を受けました。
このほかアフガニスタンやガザをはじめとする紛争地の惨状をはじめ、スポーツ、ファッション、ポートレート、自然など様々な分野の受賞作がならびます。
2009年1年間に、世界中の報道カメラマンが、時に自らの命をかけて撮影した1枚は、デジタル技術が発達し、瞬時に映像が世界を駆けめぐる現代世界においても、けしてインパクトを失うことはありません。むしろ1枚の写真の中に、民族問題や複雑な歴史などあらゆる要素が解け合い、それ自体が一つの深い物語を生み出すような、クオリティーの高い作品が次々と生まれています。
1枚1枚から世界の現状が見えてくる、現代に生きる我々にとって、今年も必見の展覧会です。
世界報道写真財団
1955年、オランダに設立された非営利の独立した団体。フォトジャーナリズムの振興と報道写真家を勇気づけるために設立された。毎年開催するコンテストと展覧会や、若い写真家に対する教育プログラムなどを世界規模で行っている。
世界報道写真コンテスト
前年1年間に撮影された報道写真を対象に開かれる国際写真コンテスト。プロの写真家であれば誰でも応募できる。「スポットニュース」「現代社会の問題」「スポーツ」「アート」「自然」など10部門で、それぞれ単写真と組写真で入賞作品を選出。入賞作品の中から、特に写真表現とニュース性に優れ、前年1年間の世界を代表するような1枚に、大賞(フォトオブ ザイヤー2009)が贈られる。今年は128カ国から過去最高の5847人の写真家から10万1960点の応募がありました。
■名称:「世界報道写真展2010」
■主催: 朝日新聞社、世界報道写真財団、阪神電気鉄道(大阪)、立命館大学国際平和ミュージアム(滋賀、京都)、立命館アジア太平洋大学(大分)など
■共催: 東京都写真美術館(東京会場)
■協賛: キヤノンマーケティングジャパン株式会社(予定)、ティエヌティエクスプレス株式会社
■後援: オランダ王国大使館、日本写真協会、日本写真家協会
■会期・会場
6月12日〜8月8日 東京都写真美術館
8月10日〜8月19日 大阪・ハービスHALL
9月22日〜10月16日 京都・立命館大学国際平和ミュージアム
10月19日〜11月4日 大分県別府・立命館アジア太平洋大学
11月7日〜11月23日 滋賀県草津・立命館大学びわこくさつキャンパス
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<参考サイト>
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●世界報道写真展2010
http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-82.html
●東京都写真美術館
http://www.syabi.com/
●世界報道写真財団
http://www.worldpressphoto.org/
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<実施概要>
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●「世界報道写真展2010」
〜最高水準の報道写真でみる世界の現実〜
●日時: 6月24日(木)19:00〜21:00
18:00 観賞開始
19:00 ギャラリートーク
20:00 懇親会(場所未定・会費別途)
21:00 終了・解散
●会場:東京都写真美術館
目黒区三田一丁目13番3号 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL:03-3280-0099
http://www.syabi.com/contents/navigation/index.html
(サイト内に地図あり)
参加者に集合場所などの詳細をご連絡します。
●ゲスト:
馬田広亘氏(朝日新聞社 文化事業部)
丹羽晴美氏(東京都写真美術館 学芸員)
●会費:ギリークラブ会員 3,000円 ビジター 5,000円
(交流会会費は別途、当日集金させて頂きます。)
●参加人数:申込先着順 20名限定 (正会員優先です)
●締切:6月20日
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。
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