<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB

『今月の焼き魚 7月鱧(はも)』
〜築地で時鮭セミナー&焼き魚を食べる〜


<ご報告>


鱧の塩焼きというのは、初めての方ばかりでしたが、(勿論渡辺も初めてです)これは湯引きしたよりも味が深くて美味しいかも、と思いました。京都風の昔ながらの鱧も勿論美味しいのですが、関東風、築地流の塩焼きは身が締っていて味わいも深い力強さがあります。鰤(ぶり)や鰆(さわら)、時鮭のようなジューシーさはありませんが、骨切りをした上での塩焼きは、不思議な柔らかさも持っていました。一言、新鮮です。“鱧のしゃぶしゃぶ”、これは食べた事が無い方には分からない美味しさです。

 本当に美味しい!まず鱧の頭と背骨などから取った出汁が本当に美味しい!
この日は3つの鍋に分かれて食べたのですが、お代りもしたうえ全員で飲みきってしまいました。これは今まで味わった事の無いスープです。
そこに入る鱧、野菜、そして、、、塩気があり腰の強い三輪そうめん、これは新しい素麺の楽しみ方だぁ、との感想も出ていました。いやぁ有難うございました。

 鱧の骨切りは大変な技術を要し、また時間がかかる作業です。
我々の会の為に前日から仕込みをして頂いた「千秋」の調理場の方々、本当に有難うございました。食べるのは一瞬ですが、そこに至るまでのご苦労も併せて美味しく頂戴しました。

 工藤史歩さんのレポートお読みください。

渡辺幸裕

今年1月に始まって以来、すっかり人気企画として定着した「今月の焼き魚」シリーズ。毎月、その月においしさのピークを迎える魚について学び、味わうシリーズ企画です。

 講師の小川貢一さんによると、魚本来の持ち味をもっとも味わえる調理法は「塩焼き」と「刺身」。毎回、その月の「テーマ魚」を、刺身と塩焼きで味わっています。さらに毎月、和洋のジャンルを超えて「テーマ魚」らしさを存分に引き出した、小川さんならではの創作料理一品が加わります。
 また、ギリークラブらしく、「テーマ魚」によっては、さまざまな部位や調理法の食べ比べをしたり、回を重ねるごとにグレードアップしています。

これまでの「テーマ魚」は

第1回目は、築地王・小関敦之さんと築地市場を回るオプションつきで開催された「ブリ」。
第2回目は、春を告げる魚「サワラ」。
第3回目は、紅色が美しい「サクラマス」。
第4回目は、魚の王様といわれる「タイ」。
第5回目は、「伊佐木(イサキ)」。
第6回目は、小川貢一さんに加えて、ゲストに築地王の小関敦之さんを迎え、おふたりと築地市場の場内・場外を回るオプションつきで開催された「時鮭(トキシラズ)」。

そして今回は夏らしく、風情あふれる「鱧(ハモ)」がテーマです!

ハモといえば、京都ですよね。
京都では「祇園まつり」を別名「鱧まつり」と言うそうで、祇園まつりのころになると、どこの料理やさんでも、ハモを出すようになるそうです。

ハモはビタミンAやビタミンB、コンドロイチンを多く含み、栄養価が高い魚としても知られています。眼精疲労やストレス、関節痛などによいとされています。
栄養価が高いので、夏に食べるのにぴったり。

昔、まだ輸送機関がいまのように整っていなかったころ、夏の京都で鮮魚を食べるのはなかなかむずかしかったのですが、ハモは大阪から届いて、重宝されたようです。
また、「ハモといえば、骨切り」ですが、一説には、ハモの骨切りは大分県中津市が発祥で、京都に伝わったといわれています。

関西では長年親しまれてきたハモですが、東京で食べられるようになったのは最近のこと。小川さんは、ずっと、東京でもこの味を広めたいと思っていらしたそうです。

「もっともおいしいハモは、500gから600gのもの」と小川さん。
折しも開催日前数日は西日本で天候が悪く、よいものを入手するのはかなりたいへんだったそう。ですが、そこは小川さんです。当日は、500g〜600gのみごとなハモが、きっちり揃っていました。

それでは、垂涎の献立をどうぞ。

<先付> 姫さざえ 魚卵旨煮

 軽く煮た姫さざえと、コチの白子とイサキの玉子の甘辛煮は・・・ビールを呼びます!

 この日は35?近い猛暑でした。休日の昼、炎天下の中、ハモのためだけに参集した面々です。さっそくよく冷えたビールで「乾杯!」

 ちなみに、いままで書きそびれてしまっていたのですが、小川さんのお店「魚河岸三代目 千秋 はなれ」では、知る人ぞ知る生ビール「白穂乃香」が飲めます。「白穂乃香」は、サッポロビールが誇る無濾過のプレミアム生ビールで、限られた飲食店でだけ提供されています(すみません、参加者の方から指摘されてしまいました)。

<お造り> 鱧落とし

 「一寸(=約3)に28回包丁を入れる」と言われる、細やかな骨切りを施したハモを熱湯で湯引きして氷水で締め、よく水を切ったものです。
 添えられた梅肉は、赤色が際立った、さらりとしたした舌触り。ハモに梅肉を添えるのは、ハモの身の白と梅の赤の彩りの美しさゆえ。そのため小川さんは、梅肉の赤色を強調しています。もうひとつの理由は、梅を夏に食べるのは理に叶っているから。小川さんは、夏バテしていても喉を通りやすいように、さらさらに仕上げています。

 最近は骨切りの技術が進み、ハモの身を一度はがして骨をすべて抜き、再度身を戻してから、食べやすい大きさにひいた、生のままの刺身として出されることもあるそうです。
 あるそうです、というか、ちょうど私はこの前日、ある料理やさんでハモの刺身を、すだち+塩と山葵+醤油で食べたばかりだったのです。生のハモは落としほど白くはなく、アイボリーがかっていて、むっちりねっとりと歯を押し返してくる弾力がありました。旨味は落としのほうが出ているようでした。

<焼物> 鱧塩焼き

 何はともあれ写真をご覧ください!
 どーんと豪華な一本焼き。それでいてどこか上品なのは、やはりハモの力でしょうか。

 「ハモを塩焼きで食べるのは初めて」という方ばかりでしたが、これは、ハモの新しい食べ方として、定着しそうです。繊細なのにふくよかで、口中のすみずみにまで行き渡る旨味が、よく感じられます。身の割れる食感が、また、独特です。

 関西では、塩焼きにすることはなく、甘辛いタレをつけて焼く「つけ焼き」が主流とか。関東流、というより「うちらしいでしょう?」と小川さん。

 ふっくらとした口当たりを出すために、軽く塩をして少し置き、焼きながら再度塩をしたそうです。塩をしたことで身は引き締まっているのですが、それでいて、しっとり&ふっくら。さっくりと軽やかで、ハモの味が前面に出ています。「もっと身がパサつくかと思いましたが、事前準備で焼いてみたら、ふっくらと焼き上がったんですよ」とのことでした。

<逸品> 鱧しゃぶしゃぶ

 ハモの中骨と頭だけでじっくりとった出汁で、ハモの身をしゃぶしゃぶするという、なんとも贅沢な「夏の鍋」。

 ハモのしゃぶしゃぶ時間は非常に短く。皮が丸まってきたら、もう食べ頃です。食べ頃を逃さないために、参加者のみなさんは、もう真剣。これをぽん酢ダレ(薬味はあさつきともみじおろしという、昔ながらの正統派)にさっとくぐらせていただきます。

 ハモのほかには水菜と身厚なしいたけの、シンプルな鍋ですが、これがもう絶品です。しゃぶしゃぶして旨味が活性化した身に、ハモのスープが絡みつき、旨味が複雑に重なり合い、余韻が長く残ります。
 参加者一同は絶句・・・・・・、ですが、ここで悶絶している場合ではなかったのです。

<お食事> 三輪そうめん

 じつは着席して献立を見たときから、みんなで予想してたんです。「鍋の締めにそうめんってことは、そうめんを鍋でしゃぶしゃぶするんじゃない」「いや、にゅうめんみたいになって出てくるんじゃない」「そうめんのつけ汁を、ハモ出汁で割るんじゃない」なんて。
 ところが、なんと、鍋にそうめんを下茹でもせずにほうり込み「そのまま1分待つだけ」と小川さん。驚く一同。

 何度もしつこいですが、この会に参加しているのは、休日も猛暑も介さず駆けつける食いしん坊たち。つまり、食に対して豊かな経験を積み、さまざまな食と向き合ってきています。
 それだけに、鍋の出汁を味見して「ハモの出汁の味しかしないし、これだけだと魚臭さがあるかもしれないから、塩が必要」とか、「そうめんは下茹でしないと、鍋にいれられない」とか、あわや鍋の出汁を調味してしまいそうに・・・・・・。寸前でなんとか思いとどまり、小川さんの指示通りに食べてみると。

 きっと全員が思ったはずです。小川さん、勝手なことしてすみませんでした、と。
計算されたそうめんの分量と鍋に張った出汁の量により、そうめんから出る塩で、出汁の塩加減がぴたり、と決まっているではありませんか。
 加えて、下茹でしなかったことでスープに生まれたやわらかな口当たり。これがまた、ハモのやさしい甘味と旨味をくるみ込み、えもいわれぬ味わいになっています。

 聞けば、小川さんも最初は出汁を調味してしまい、塩加減が強くなりすぎたり、さまざま紆余曲折を経て、この味を決めたのだそうです。うーん、絶妙な味わい。
 ちなみに、この日のそうめんは、高級な手延べ三輪そうめんの中でも、極細の最高級クラスの「神杉」。スープを含みつつコシがあり、喉をするりと通るなめらかさは、この細さあってこそ、なんですね。

 全員がお代わりを所望して、分け合う・・・というより、ほとんど奪い合って完食。スープまで一滴残らず飲み干しました。

<甘味>

茂助だんごの「蕨餅」わたなべさん好み

築地の甘味といえばここ、茂助だんごです。これは「今月の焼き魚」シリーズのお約束です。

 最後は溜め息しか出なかった、怒濤のハモ尽くしコース。この夏、このハモしゃぶを食べないなんて、もったいなさ過ぎです。
 ちなみに、事前に予約をすれば「築地魚河岸三代目千秋 はなれ」で、仕入れ状況にもよりますが、ほぼ同じメニューを食べられます(平日夜。土曜昼は応相談)。めくるめくしゃぶしゃぶを、ぜひ体験してみてください。

 余談ですが、まったく生臭みを感じることも、骨が口に触ることもなかった今日のハモ。粘膜系のながもの(ハモやうなぎ、穴子など)は、どうしても泥臭さがあるため、熱湯に通してぬめりをこそげ落としてと、下ごしらえが大変です、臭味を感じる原因は粘膜なので、粘膜を徹底的に掃除するそうです。また、「築地魚河岸三代目千秋 はなれ」では、ハモを機械ではなく手で一匹ずつ骨切りしています。これは、指で確かめながらしっかり骨切りを確認するためです。
 そうやって一匹ずつ(今日のコースでは、ひとり500g以上のハモ一匹を食べちゃったとか!)丁寧に手間をかけていただいたからこそ実現した、この体験。小川さん、千秋のみなさん、ありがとうございました。


<先付> 姫さざえ 魚卵旨煮

<お造り> 鱧落とし

<焼物> 鱧塩焼き

<逸品> 鱧しゃぶしゃぶ

<逸品> 鱧しゃぶしゃぶ

<お食事> 三輪そうめん

<甘味>


おしながき


高橋美江さんの築地地図、
骨とうろこで出来ています。

<ご案内>

今年から開始した「今月の焼き魚」シリーズ、毎回大好評で、美味しく焼き魚を食べ続けています。

1月:鰤(ぶり)、2月:鰆(さわら)、3月:さくら鱒(ます)、4月:鯛(たい)、5月:伊佐木(いさき)、6月:時鮭(ときしらず)魚を学び、塩焼きをメインに様々なメニューを食べています。

魚と人のレベルが高い街、築地という場所で、元仲卸、現在築地の魚料理店オーナーである小川貢一氏のお話&料理は、毎回本当に面白く、美味しく、参加者の目が俄然輝きます。

6月の会の実施報告でこう書きました。「今月の焼き魚」じわじわ人数が増えています。そう、本当にそうなのです。

その先はこのサイトでご覧下さい。
時鮭の塩焼きの写真もありますよ!
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0619.shtml

魚食い民族である日本人が、本来知っておきたい事を知り、知るだけでなく自分の舌で味わい、同好の方と交流する、、、

講師である小川さんも「こういう会がやりたかった」とおっしゃって頂き、「始めて良かった」、「やって良かった」、と思えるシリーズです。魚目利きで、魚料理人、小川さんの気持ちと腕が相まって、我々は本当に凄い時間を過ごしています。

7月の魚は鱧(はも)です。焼き魚は勿論、刺身や煮魚、唐揚げなど、いろんな料理で味わっていると思いますが、とびっきり美味しい時鮭を築地で味わいましょう。

メニューは全て小川さんにお任せしていますが、任せて安心、却って変な先入観を持たず楽しみにする、そんな気持ちで皆様にもご案内させていただきます。

シリーズですが、毎回参加することなどありません。単発参加で全く構いませんので、どうぞ気楽にお出かけ下さい。一人でいらしても直ぐに仲良くなる雰囲気でお待ちしています。これがギリークラブの特徴でもあり、主宰者は楽なのです。

以下は第一回目の案内原稿です。なぜ始めたかをお読みください。

日本人は元々は「魚食い民族」でした。世界でもまれにみる、四季がはっきりと変わる気候の中、四方を海に囲まれ、かつ南北に長い地形という国土で、様々な魚が近海で獲れたから、それを食べて生き延びてきました。

仏教信仰の関係で、明治以前には獣肉を殆ど食べなかった事もあり、美味しい魚を食べる為に、漁師さん、市場や流通、魚屋さん、そして料理屋さんに料理研究家、食べ手も含めてこだわりがあり、「魚食い」に関して、種類・調理法とも世界でも有数の国だと思います。

が、その自国の食文化の最右翼である魚に関して、最近はちょっと寂しい状況ではないでしょうか。よくいう喩に「最近の子供は切り身で泳いでいると思っている」

まあ、そんな事は殆ど冗談だと思いますが、魚を知ろう、そして敬意を表して、頂戴したいと思います。その際にどんな食べ方が美味しいのか・・・も知りたいですね。

私にとっては何と言っても「焼き魚」なのです。世界中に魚を焼く料理は沢山ありますが、日本の魚の塩焼きは絶品、日本人ならお分かりだと思います。

七輪が生活から消えてから、家で魚を焼く機会が減りました。オーブンでも焼き魚ではありますが、やはりなんか違うのです。「美味しい焼き魚が食べたい!」これがスタートでした。

ランチで焼き魚定食を食べる事も多いと思いますが、オーダーしてから食べ終わるまで30分以内で食べなくてはいけない、そうなると店の方もそれなりの方法しか出来ません。勿論、お値段の制約もあります。

で、「美味しい焼き魚を食べたい!」という素朴な欲望です。これから毎月美味しい焼き魚を食べていきます。少なくとも1年は続けますし、できれば3年ぐらい続けたいと思います。

それも築地という魚のレベルが大変高い町で、魚のプロである小川さんに、魚セミナーもして頂き、それを食べながら、魚に関して何でも聞こうという企画です。「魚食い民族の面目躍如」、ご一緒しませんか?

ギリークラブの「焼き魚」シリーズスタートです。毎月の魚、これは小川さんに選んで頂きますが、1年で12種類の旬の魚を知り、食べます。わくわくしませんか?

小川さんの店の通常メニューを、メールの最後に付けておきます。築地に行かれたら立ち寄ってみて下さい。ギリークラブで知ったと言って下されば、悪い事にはなりません。

決して、「安くして」などと言わないで下さいね。まだなじみの店でもないのですから・・・でも馴染になれば、それは良い事がありますよ。

土曜の場合、午前中に場外市場などを歩いて買い物などして、それからこの会に来るのも良いと思いますし、食後の散歩が場外散策、でもよいかもしれないですね。(人数によっては築地ウォークの会も別途企画します。)

小川さんは「築地魚河岸三代目」のモデルになった方で、以前は仲卸をなさっていらして、現在は魚料理屋さんを経営という、このシリーズの先生としては本当に最適な方です。どうぞ奮ってのご参加お待ちしています。

<小川貢一氏からメッセージ>
はじめまして、小川と申します。
私は、魚本来の味が判るのはお刺身と塩焼きだと思っております。
仲卸を営んでいる時から、自分で仕入れた魚は自分で食べその魚の味を確かめて来ました。
魚によっては、塩焼きよりも煮付や揚げ物に向く魚も有りますが、
まずは塩焼きでその魚の味を知っていただきたいと思っております。
この機会に魚の美味しさを楽しんでいただきたいです。

<参考サイト>

●築地 魚河岸三代目 千秋 はなれ
http://www.3daime.jp/index.htm

●全国の旬のお魚
http://www.jf-net.ne.jp/jf-net/syun/zen_index.html

●築地魚河岸三代目 ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org

●鱧(はも) ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org

<実施概要>

●『今月の焼き魚 7月鱧(はも)』
〜築地で時鮭セミナー&焼き魚を食べる〜

●日時:7月17日(土)12:00〜14:00
11:45 受付開始
12:00 はもセミナー
12:20 食事開始
13:40 食事終了 何でも質問会
14:00 終了

●会場 築地 魚河岸三代目 千秋 はなれ
中央区築地4丁目7番5号 築地共栄会KYビル B1F
tel:03-3543-8700
http://www.3daime.jp/index.htm
築地共栄会KYビルの地図
http://www.tsukijikyoueikai.co.jp/map.html

●ゲスト:
小川 貢一氏 (同店 店主)

●会費:メンバー 8,000円 ビジター 10,000円
(セミナー代、料理代、記録費 他)
※飲み物は個人精算して下さい。

●募集人数:申込先着順 20名募集 (メンバー優先です)

●締切:7月12日(土)
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。