伝統芸能の基礎(1)歌舞伎
〜国立劇場養成事業から基礎を学び、交流〜
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<ご案内>
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<シリーズスタートに当たって>
国立劇場では伝統芸能の明日を担う若手を養成しています。
昭和45年の歌舞伎俳優の養成からスタートしていますが、
ここに詳細があります。
http://www.ntj.jac.go.jp/training/index.html
現在は以下の養成を行っています。
・歌舞伎俳優
・歌舞伎音楽−竹本
・歌舞伎音楽−鳴物
・歌舞伎音楽−長唄
・大衆芸能(寄席囃子)
・大衆芸能(太神楽)
・能楽三役
・文楽技芸員(大夫 三味線 人形)
今回のギリークラブでは、国立劇場の方に概要を、終了生の歌舞伎役者の方からも話しを聞かせて頂くべく調整中で、各芸能の楽しさ、難しさ、奥深さなどを聞きます。
セミナーでの話しや資料、交流会で生の声を聞ければ今後舞台を見る楽しさが倍加すると思いますし、当事者の方とご一緒に、伝統の継承に少しばかり貢献できます。
芸能は娯楽ですから、まずは客として楽しめれば良いのですが、自国文化が理解できる事がこれでまた一つ増えます。世界が認める超一流の日本文化を知る事は、ビジネス面でも、外国の方と交流する際にも大変役に立ちます。
折角素晴らしいものが近くにあるのだから知りましょう。知ったら、それをしっかり活用しましょう。そして、当事者の方がどのように頑張っていらっしゃるか、生の声を知れば、本当に刺激を受けるはずです。
何も裏側を知れば良いという訳ではありません。舞台上で、舞台裏で、芝居小屋の内外で、その日のお客様を楽しませるために日々努力がなされています。
そんな方々と親しく交流する事で、芝居の楽しみが倍加し、より正しい理解をした観劇者が増える事が、役者さん、裏方さん、関係者の方々の励みにもなります。
そんな「ちょっと学ぶ場」へのご案内、皆さん忙しい方々ですので、調整は必要ですが、出来る限り、当事者の方々の話をお聞きし、直接交流できる時間が持てればと思っています。
第一回目は<歌舞伎俳優>です。
・養成機関のカリキュラム・内容
・その間のエピソードなど
・修了して歌舞伎界に入った後の楽しさ、苦しさは
・舞台から見る歌舞伎はどんなもの?
養成課の吉村課長からのお話に引き続き、修了生(歌舞伎役者)の方からのお話しを聞きます。(スケジュール調整で、どなたかは未定 参加者にご連絡します。)
年一回の発表会ともいう公演が20日〜23日にありますが、(第16回稚魚の会・歌舞伎会合同公演です)その上演演目「仮名手本忠臣蔵」の作品解説をして頂きます。
セミナーに引き続いては、交流飲み会です。歌舞伎役者さん、ご関係の方を囲んで、日本の芸能を担う方に直接歌舞伎の話を聞きましょう。この場での会話が一番勉強になりそうな気がします。
ギリークラブ・伝統文化の部を「和・倶楽部」と呼んでいますが、「和文化」を担う方と直接の「和」を図れる会です。奮ってのご参加、お待ちしています。共に学び、歌舞伎の新しい楽しさを発見しましょう。
※<第16回稚魚の会・歌舞伎会合同公演>
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/index.html
8月21日(土)にギリークラブ観劇&交流会を実施します。
(別途案内しますが、楽屋見学、本公演、交流会の予定です。)
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<参考>歌舞伎を知るためのサイト
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●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/
●伝統歌舞伎保存会
http://www.kabuki.or.jp/
●歌舞伎・演劇
http://www.shochiku.co.jp/play/index.html
●文化デジタルライブラリー
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●日本俳優協会
http://www.actors.or.jp/index2.html
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<参考>
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研修修了生代表、市川笑也さんから、これはこれから研修を始める方へのメッセージです。この中に大切な事が含まれていますので、参考までに掲載します。(国立劇場サイトから抜粋)
覚悟はいいですか?
――21世紀の歌舞伎役者をめざす諸君へ――
これは、歌舞伎の世界に興味をもって、国立劇場歌舞伎俳優研修の門を叩こうとしているあなたへの、市川笑也からのメッセージです。
“歌舞伎俳優”と“歌舞伎役者”と、あなたはどちらをめざしますか? 「どっちだって同じじゃないか」と思われるかもしれませんし、また多分に感覚的な言い方なので、ぴんと来ないかもしれませんが、“歌舞伎俳優”と言うと、何だか高尚な感じ・・・、そう、スポットライトを浴びて、伝統芸能を華やかに演じる姿が目に浮かびませんか?! また一方の“歌舞伎役者”はと言うと、役の大きい小さいに関係なく、歌舞伎の舞台を作っている“職人”のイメージがないでしょうか。
もし、あなたが歌舞伎の世界をめざすのなら、私は“歌舞伎職人”になるつもりで入ってきて欲しいと思います。これだけは言っておきますが、決して表から見るような華やかな世界ではありません。とても地味です。お客様の目の前で演技をしていられる時間というのは、全体からすれば、ごくわずかな時間です。(これはスポーツ選手でも同じですね。大きな活躍の影には、その何倍もの鍛錬があります。)また、自分ではかなり努力したつもりでも、上達せず、認められず、「やっている事が報われない」と思う時もあります。なかなか台詞のある役がつかなくても、投げ出さないで、続けていくことができますか? 「ちゃんとした役名のある役、台詞のある役をやれなければ、歌舞伎の世界に入った意味がない」と思っていませんか? 「この先、歌舞伎の世界にいても、大きな役はつきそうにないなぁ」と思った時、それでもあなたは歌舞伎が好きでいられますか? もし、あなたが、今の市川笑也(手前味噌ながら成功例?!)だけを見て、この世界へ入ろうとしているならば、これからお話しする事を知った上で、もう一度考えてみてください。
国立劇場歌舞伎俳優研修の卒業生は、皆、下積みを経験しています。かく言う私も、養成研修を卒業してから最初の10年間は“その他大勢”がほとんどで、その間で時々、台詞のある役に恵まれるといった状態でした。
また、私が最初に「自分は抜擢された」と感じたのは“虎の足”でした。その次が“馬の足”。「なんで動物の足が抜擢なの?」と思うかもしれませんが、“その他大勢”の立廻りをやっている役者の中から、前足ひとり、後ろ足ひとり、合計2人しか動物の中に入れないのですから、これも立派な抜擢なのです。そして、先輩達も私も、当時は、その動物の足の役を楽しみながら、一生懸命つとめました。「どう足を動かしたら、虎らしく見えるかなぁ」「馬がふすまを飛び越えたら、お客さんはびっくりして喜ぶし、主役と馬の立廻りがもっと派手になって、主役がより引き立つんじゃないかな。じゃあ、ふすまを飛び越えるためには、どういうタイミングでジャンプしたら良いかな。」そんなふうに、毎日いろいろなことを考え、工夫しながら舞台に立っていました。 大きな役を演じさせてもらえるようになった今でも、その基本的な姿勢は変わっていません。舞台に出る、芝居に出る時は、“自分に与えられた役は、その芝居全体から見た時に、どのような役割があるのか”を常に考えていなければなりません。主役を大きく見せるために出ているはずの役者が、主役より目立って良いはずはないのです。だから、役者は“職人”でなければなりません。いつも芝居全体の調和を考えて“いい仕事”する。もちろん“いい仕事”イコール“目立つ仕事”ではありません。芝居の中では、主役を立てるため、より大きく見せるために、“いい仕事”になる、という場面はたくさんあります。むしろ、養成研修出身の歌舞伎俳優には、そういった“目立たない役”を求められることの方がずっと多いのです。役の程をわきまえて、過不足なく演じる・・・そんな職人芸が歌舞伎を下から支える力になるのです。
さあ、どうでしょうか・・・。「もしかしたらスターになれるかもしれない」とか「有名になりたい」という希望があるのなら、もっと確率の高い近道があるはずですから、まずはそちらの方を当たってみましょう。 「大きな目標は持たない方が良い」とは言いませんが、“どんな小さな役でも楽しんで演じられるかどうか”、そこが分かれ目です。まず、自分自身に問いかけてみて、それでも歌舞伎の世界で生きていきたいという覚悟がある方は、険しい道ですが挑戦して下さい。
でも、あなたが私の後輩になっても、私はあなたを引っ張り上げてあげることはできないのです。自分で這い上がってくるしかないのです。役者にゴールはありません。舞台に立っている限り、自分自身の腕の未熟さ、弱さと向き合い続けていかなければならないのです。テクニックを教えることは出来ますが、テクニックだけではどうにも補えないものがある、それが舞台、役者の仕事です。一生悩んで、苦労して、それでも歌舞伎が演じたいという人は、覚悟を決めて、どうぞいらしゃい !!
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<実施概要>
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<社会人の為の歌舞伎入門講座>
●伝統芸能の基礎(1)歌舞伎
〜国立劇場養成事業から基礎を学び、交流〜
●日時:8月11日(水)
17:45 受付開始
18:00 セミナー
・国立劇場の養成事業
・歌舞伎俳優研修修了生(役者さん)の話
・8月実施、稚魚の会 歌舞伎会合同公演演目解説
20:00 交流会(別会費)
22:00 終了解散
●講師
・吉村暁志氏(国立劇場 調査養成部 養成課長)
・歌舞伎俳優研修修了生(役者さん)
●会費:正会員 2,000円 ビジター4,000円
正会員の方優先、先着順で申し受けます
交流会費は当日集金します。
●募集人数:10名(申し込み多数の場合、枠を増やす方向です)
●〆切り 8月3日
●会場:国立劇場内会議室(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access
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