<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB

『今月の焼き魚 11月 赤睦(あかむつ)』
〜築地で赤睦セミナー&塩焼きを食べる〜


<ご報告>


焼き魚の会では初めてテーブル席で実施しました。
ここは厨房が見える席なのです。こりゃ調理シーンが撮影できるぞ、と思っていたのですが、食べ始めるとそんな事は忘れてむしゃぶりついてしまいました。

のどぐろの塩焼き!こりゃ本当に凄いです。
思わず、終了後に当日参加できなかった人に、「あなた、今回は本当に損しましたよ」というメールをしてしまいました。それほど凄かったのです。小川さんが好きな焼き魚の3つのうちの一つだそうで・・・
なおかつ、ギリークラブの日に合わせていろんな準備をしているので、その日以外では、同じア内容では出来ません、とまで言われてしまいました。私は会員の皆様や友人・知人に、「他の日にもぜひ「千秋」に行ってください。本当に魚がおいしいですよ。」と勧めており、かつ行った人が「美味しかったよぉ」のメールも届いています。

が、やはりギリークラブの日は特別なのです。それを改めて感じた日でした。築地の方々の気持ちを感じます。我々食べ手がしっかり受け止め、魚をもっと知り楽しまなくてはいけないな、と心底思いました。

魚喰い民族・日本人ならこうありたいものです。どの会からでも結構ですので、どうぞこの会にジョインして下さい。

では工藤さんのレポートをお読みください。
渡辺幸裕

築地のプライドにかけて選び抜いた「最高の赤むつ」を塩焼きにしてひとり一匹・・・!
魚好き参加者のみなさんが、「今月はやられた・・・」とため息をついた衝撃のひと皿がありました。

さて、「魚食べ民族=日本人」の本能を刺激する、「今月の焼き魚」。
毎月、その月においしさのピークを迎える魚について学び味わうシリーズ企画で、2010年1月に開催された第1回目より、毎月上質な焼き魚を堪能しています。

講師の小川貢一さんは、築地の仲卸に生まれ育った魚のプロ。魚への造詣が深いのはもちろん、築地市場関係者とも深い人脈を築いています。魚への博識を買われて漫画「築地魚河岸三代目」の監修を務め、モデルにもなった人物です。

その、いわば魚を知り尽くした小川さんが「これまで食べた魚のうち、ベスト3に入るほど好みの味」と太鼓判を押すのが、今月のテーマ魚「赤睦(むつ)」。最近は「のどぐろ」と言ったほうが一般的かもしれません。

ところで、小川さんによると、魚本来の持ち味をもっとも味わえる調理法は「塩焼き」と「刺し身」。そこでこのシリーズでは、毎回、その月の「テーマ魚」を刺し身と塩焼きで味わっています。
 さらに毎月、和洋のジャンルを超えて「テーマ魚」らしさを存分に引き出した、小川さんならではの創作料理一品が加わります。また、ギリークラブらしく、「テーマ魚」によっては、さまざまな部位や調理法の食べ比べをしたり、回を重ねるごとにグレードアップしています。

これまでの「今月の焼き魚」シリーズは

1月 築地王・小関敦之さんと築地市場を回るオプションつきで開催された「鰤(ぶり)」。
2月 春を告げる魚「鰆(さわら)」。
3月 紅色が美しい「さくら鱒(ます)」。
4月 魚の王様といわれる「鯛(たい)」。
5月 「伊佐木(いさき)」。
6月 小川さんに加えて、ゲストに築地王・小関敦之さんを迎え、おふたりと築地市場の場内・場外を回るオプションつきで開催された「時鮭(ときしらず)」。
7月 骨の髄まで味わい尽くした「鱧(はも)」。
8月 今年は貴重だった「秋刀魚(さんま)」。
9月 脂がよくのった「金目鯛(きんめだい)」。
10月 食べごたえのあった「秋鯖(さば)」。

そして今月は、近ごろ高級料亭などでよく出される高級魚「赤むつ」です。

もともと、関東では黒むつが評価されていて、むつといえば黒むつを指しました。赤むつは、北陸や山陰地方で「のどぐろ」と呼ばれ、高級魚として定着していました。

黒むつと赤むつは、魚類としては違う生物なのですが、身質が似ていることから、どちらも「むつ」を呼ばれているそう。どちらも身はふんわりとしていて、脂が非常にのっており、甘みがあるのが特徴です。
関東では、以前は黒むつが高級とされていましがた、最近は「のどぐろ」の評価が高まり、流通価格も逆転しているそうです。

黒むつと赤むつを比較すると
身質は黒むつのほがしっかりと弾力があり、赤むつはそれに比べてやわらか。
味は黒むつのほうがうま味がコク、赤むつは繊細でやさしい甘みがあります。

黒むつは大きなものでは10kg程度まで育つのですが、赤むつは大きくなっても2kgほど。
今回は、1kgと大きく身が新鮮でしまっていて、脂ののりはほどほどのものを刺身で、約300gでバランスがよく、皮もやわらかく脂がたっぷりのったものを塩焼きで、約500〜600gでコクがあって脂がのり、身がやわらかいものを煮付けで味わいます。
同じ赤むつでも、単純に大きなものを選ぶのではなく、産地や時期によって微妙に変化する身質や脂ののりを見極め、料理に合わせた魚を選ぶ。そこから料理人の腕にかかっているそうです。

ちなみに。今回は登場しなかったのですが、黒、赤のほか銀むつ(白むつ)もいるそう。
また、むつの卵(むつ子)は、料理屋さんでよく出されるすけそうダラの卵のように、甘辛く煮付けて食べるとおいしいのだとか。
今回は、卵を持った赤むつに当たらなかったのですが、運よくむつ子に当たればコースに組み込んでいただけるそうです。

それでは、今月の献立を、写真と合わせてどうぞ。
特に塩焼きは、衝撃です。

<先付> 姫さざえ塩煮(三重) いんげん胡麻和え

「テーマ魚」以外に、そのときおいしいものが味わえる「先付」。
塩でさっと湯がいただけの姫さざえは、甘みが際立っていました。

<お造り> 赤むつ刺身(萩) 黒むつ刺身(長崎)

ギリークラブならではの食べ比べです。
黒むつは脂と味が強く、身がもっちりとして食べごたえがあります。
皮を残すと脂が強くなりすぎ、また6kgの黒むつは皮がしっかりと固いので皮ははいであります。一方、赤むつは皮がやわらか。皮ぎしの脂を味わい尽くすために皮は残して焼き霜にします。焼き霜には、赤い皮の色合いを美しく引き立てる見た目と、脂のうま味を活性する、ふたつの理由があります。

<焼物> 赤むつ塩焼き(対馬)

参加者一度、ことばもなかったのがこれ。
「ぼくは、美しい魚はおいしい魚だと考えているんです。日本の魚文化には、美の要素がある。これも美しいでしょう」と小川さん。

ふっくらと充実した身に、上品な脂が絡みつき、身はキラキラしています。パリッと焼けた皮が、ほどよい塩具合で食感がよく、また絶妙の味わい。赤むつの脂は軽やかでさっぱりとしているので、これだけ脂がのっていても、重さや脂っこさを感じません。
ひとり一匹まるごとという豪快さに、はじめは「こんなにたくさん食べきれるか」と心配していた参加者もいたのですが、そんな心配は一切無用。もう一尾食べたくなるほど、後をひくうまさでした。

<煮物> 赤むつ煮付け(対馬)

同じ「対馬の赤むつ」でも、煮付けに向くものと塩焼きに向くものとは、魚の個性が違います。これは、もうひとつの「食べ比べ」がテーマでした。

前回の「秋鯖」、前々回の「金目鯛」でも参加者が感動したのが、小川さんの煮付けの技。今回は、醤油、砂糖、酒だけでシンプルに煮付ける、昔ながらの東京味で、見た目はかなり色が濃いのですが、食べると思いのほかあっさりしていて、甘みはほんのりと上品、魚のうま味がしみ出たタレまで、一滴残らず食べ尽くしたくなります。

<お食事> ご飯 味噌汁 香の物

甘辛い味つけには、やっぱり白いご飯です。

<甘味> 「蕨餅」わたなべさん好み(茂助だんご)

築地の甘味といえばここ、茂助だんごです。「今月の焼き魚」シリーズの定番で、これがないと落ち着きません。

この「赤むつ」のコースは、この日が解禁日。これ以降、ギリークラブの紹介で予約をすれば、同じような(その日の仕入れによります。もしかしてむつ子が入るかも!?)メニューのコースを味わえます。なかでも塩焼きは、ぜひ食べていただきたい一品。どうぞ早めに足をお運びください。


「焼き魚シリーズ」の、今後のスケジュールを先行してお伝えいたします。

12月18日 タラと白子
1月29日 フグ(予定)

小川さんがアイデアを練っているとい「タラと白子」は、「何を差し置いても参加したい」という参加者がいるほど注目のテーマ。席の数は限られていて、早い者勝ちなので、早めの予約をおすすめします!


 

姫サザエ塩煮

いんげん胡麻和え

赤むつ&黒むつ 刺身

赤むつ塩焼き

赤むつ煮付け

 

蕨もち

 
 

<ご案内>

1月:鰤(ぶり)、2月:鰆(さわら)、3月:さくら鱒(ます)、4月:鯛(たい)、5月:伊佐木(いさき)、6月:時鮭(ときしらず)、7月:鱧(はも)、8月:秋刀魚(さんま)、9月金目鯛、10月は秋鯖と毎月食べ続けています。

焼き魚の会ですが、刺身、煮魚、と盛りだくさんで、実はその魚を美味しく食べるいろんな料理を楽しみ、みんな本当にお腹いっぱいになって解散、となります。

ここに各回の様子があります。
凄いですよ。

1月 ぶり http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0123.shtml
2月 鰆 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0219.shtml
3月 さくら鱒 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0320.shtml
4月 鯛 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0424.shtml
5月 いさき http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0524.shtml
6月 時鮭 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0619.shtml
7月 鱧 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0717.shtml
8月 さんま http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0828.shtml
9月 金目鯛 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0930.shtml
10月 秋鯖 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/1030.shtml

そして11月の魚は赤睦(あかむつ)です。

「むつっこい」、「むつこい」などいう言葉から来ていますが、これは油っこいと言う意味、言ってみれば「脂っこい魚」なのです。別名はノドグロ、全国的にはその方が一般的かもしれません。

佐渡や能登、山陰では高級魚として親しまれてきた魚で、焼いても、煮ても大変な美味!魚喰い民族日本人としては知っておかないといけません。

「赤睦の塩焼き」、これも美味しそうですね。ご期待下さい。塩焼きを含め、毎回のメニューは全て小川さんにお任せですが、それが一番美味しいものが食べられる方法です。

築地という魚のレベルが高い街でも、こうやって、毎月焼き魚を食べ続けるグループは、そうそういません。美味しい魚を食べる集団の存在が街の方を勇気づけますし、何と言っても、食べた方自身の記憶に残ります。

毎回、魚が出てくるたびに、シーンとなって食べています。ある意味変な集団ですが、そんなに焼き魚に集中する事も、普段の生活ではあり得ない事です。

家の食卓、友人との食事会、ましてや会食などではあり得ない、そんな事をしたらコミュニケーションが取れませんし、失礼な事です。でも、この場ではそれが当たり前なのです。

一回ぐらい、焼き魚に全神経を集中する時があっても良いでしょう。そういう方達が集まっているのですから、気にすることはありません。こう書くと魚オタクの集まりの様ですが、そんな事は無いのです。

一瞬その時は皆さん真剣になって味わい、感想を述べ合いますが、その後はワイワイがやがや、魚以外の事もどんどん話をしています。その交流を楽しくする為、共通体験としての小川さんの魚セミナーと、「今月の焼き魚」を食べる時間があるのです。

そんな楽しい雰囲気です。常連で固まっている訳ではありません。どの会からいらしても、過去に来てなくても、その時から仲間入りです。勿論お一人でも全くOK、直ぐに同好会入りです。

どうぞ気楽に、気軽にお出かけ下さい。これがギリークラブの特徴でもあり、主宰者は楽なのです。奮ってのご参加お待ちしています。

<参考サイト>

●築地 魚河岸三代目 千秋 はなれ
http://www.3daime.jp/index.htm

●全国の旬のお魚
http://www.jf-net.ne.jp/jf-net/syun/zen_index.html

●築地魚河岸三代目 ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org

●赤睦(あかむつ) ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org

<実施概要>

●『今月の焼き魚 11月 赤睦(あかむつ)』
〜築地で赤睦セミナー&塩焼きを食べる〜

●日時:11月26日(金)19:00〜21:00
18:45 受付開始
19:00 赤睦(あかむつ)セミナー
19:15 食事開始
20:45 食事終了 何でも質問会
21:00 終了

●会場 築地 魚河岸三代目 千秋 はなれ
中央区築地4丁目7番5号 築地共栄会KYビル B1F
tel:03-3543-8700
http://www.3daime.jp/index.htm
築地共栄会KYビルの地図
http://www.tsukijikyoueikai.co.jp/map.html

●ゲスト:
小川 貢一氏 (同店 店主)

●会費:メンバー 8,000円 ビジター 10,000円
(セミナー代、料理代、記録費 他)
※飲み物は個人精算して下さい。

●募集人数:申込先着順 20名募集 (メンバー優先です)

●締切:11月19日(金)
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。