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GILLIE CLUB

『築地で魚を食らう』 牡蠣(かき)
〜築地で牡蠣(かき)セミナー&喰らう〜


<ご報告>


「焼き魚」から進化させて、美味しい魚介類の会に・・・
そんな事を小川さんと考えた一回目、取り上げたのは「牡蠣」(かき)です。

世の中に牡蠣好きの方は非常に多い!そんな事を感じさせてもらいました。この会の為にわざわざ関西や地方から来て頂けるのは大変光栄ですが、こういう牡蠣の会、食べ比べの場というのは滅多にないのだそうです。

4種類の牡蠣を生で食べ比べ、そして焼いて食べ比べ、、凄いでしょう?本当に生まれて初めての経験でしたが、これは食べた者勝ちです。

比較してどうかって、そんな事口では言えませんし、表現力の無い私には、「うーん、どれも美味しかった、大満足!」です。という事で、工藤さんのレポートをお読みください。
渡辺幸裕


2010年1月に始まった、「魚食べ民族=日本人」が誇る食文化をいま一度見直し、おいしく魚を食べ尽くす人気シリーズ企画「今月の焼き魚」。1年12回を通じて、さまざまな魚を食べてきました。

この会はまた、「焼き魚」と称していましたが、「塩焼き」と「刺身」という魚の味を理解しやすい食べ方を中心に、煮魚やなべなどさまざまな食べ方で「おいしく魚食べる」会でもありました。

回を重ねるごとに築地市場の方にもご協力をいただき、天候が悪かったり不漁だったりと自然が相手にも関わらず、最高レベルの魚を手配していただいたのも、ありがたいことでした。
たくさんの奇跡にも助けられました。小川さんは、このシリーズの最中、納得できる魚が期日ぎりぎりになっても手に入らないことが何度もあり「今回はダメかも」と思うたび、危機一髪のところで奇跡的に魚を入手できたそうです。

築地市場内での出会いから、スピンオフ企画「マグロサミット」も開催されました。築地王の小関敦之さんと築地市場を回るオプションつきで開催されたこともありました。

振り返ってみると、なんとも盛りだくさんの「今月の焼き魚」シリーズでした。
ちなみに、シリーズ12回のうち個人的に深く心に刻まれた3大味覚は「赤ムツの塩焼き」「ハモしゃぶ後の三輪そうめん」「トキシラズの塩焼き」です・・・! この3つは、まだ味わったことのない方に、今年こそ絶対に逃さずに食べていただきたいアジです。
参加者のみなさまのベスト3も、ぜひ教えてください。

2011年は、さらに進化した新シリーズ企画「築地で魚を喰らう」が始まります。
「焼き魚」の枠を超えて、煮魚や刺身はもちろん、干物や貝類、海苔など「魚介類を食べ尽くす」会になります。

引き続き講師を務めてくださる小川貢一さんは、築地の仲卸に生まれ育った魚のプロ。魚への造詣が深いのはもちろん、築地市場関係者とも深い人脈を築いています。魚への博識を買われて、漫画「築地魚河岸三代目」の監修を務め、モデルにもなった人物です。

記念すべき新シリーズの第一回目のテーマは「カキ」。
「食べ比べてこそ、違いがわかる」を実践するギリークラブらしく、さまざまな産地ごとに集めて、北から南まで味わい分けようというのです。
さて、カキの旬は昔から「Rのつく月」という言われ方をします。カキを食べられるのは10月から3月までといわれてきましたが、現在は夏場はイワガキ、冬場はマガキが出回り、通年で食べられます。

本日は広島からカキの生産者の方も参加されました。カキは海のミルクと言われるほど栄養が豊富、滋養に満ちた食材です。アルコールの分解に優れているので、お酒のつまみに向くほか、滋養強壮効果があり、子どもができやすくなるとか。ちなみに生産者の方も、子だくさんだそうです。

この日登場するカキは、北から北海道厚岸、三重県鳥羽、兵庫県室津、長崎県雲仙の4種類。北海道のアツケシはアイヌ語で「カキ」を意味するそう。はるか昔からカキが獲れる海としてしられてきました。
三重県の鳥羽は、的矢湾の近くです。こちらもカキの産地としてしられています。兵庫県は室津のほか、赤穂や相生といったカキの産地が目白押しです。そして長崎県の雲仙。じつは昨年夏の猛暑で、8割方のカキがダメになってしまったそう。ところがそれが「間引き」になり、残ったカキはふっくら大きくジューシーに育ったそうです。

いずれ劣らぬ逸品揃い。この4種類を生で、そして焼いて、食べ比べようというのです。

カキはほとんどが宮城県沖で産卵し、21日目にホタテの殻などにつけてそれぞれの産地へと運ばれるそうです。21日目に合わせて手を入れれば、人間の手に付いてしまうこともあるとか。三陸のリアス式海岸は、それぞれの海が味を育み、半島をひとつ越えただけでカキの味がかわるほど、個性豊かだそうです。

それでは今月の献立を、写真と合わせてどうぞ。

【生牡蠣食べ比べ】

「どれがいちばんおいしいんですか」と相次ぐ質問に「いずれも優れたカキで、優劣はつけられません」と小川さん。
ざっくりとした特徴としては、外見は北のほうが細長く、南へ下がるにつれてきゅっと丸く小さなかたち。味わいは北のほうがさっぱりと素直な味わいで、南へ下がるにつれてコクを増していくそう。ですが、その中にクセがあったり、単純な比較はできません。
「優劣ではなく、好みの違いはあるでしょう。だからこそ、食べ比べの機会を利用して、自分好みのカキを見つけてほしい」と小川さんは言います。
私は、クセがなくて味にまるみのある雲仙が好みでした。

【焼牡蠣食べ比べ】

産地の食べ比べだけでなく、生と焼きの「調理法」による味の違いも食べ比べるのが、今回の主旨です。そのため、焼きガキはミ・キュイ(半加熱)ではなく、うま味がちゃんと活性するよう、じゅうぶん加熱して出されました。

ここで小川さんからワンポイント・アドバイスです。スーパーでカキを買うとき「生食用」と「加熱用」がありますよね。なんとなく「生食用」のほうが新鮮なような気がして、こちらを選んでいらっしゃいませんか?

小川さんによると、「生食用」は生でも食べられるように一定の時間カキを浄水にさらすため、うま味エキスが水とともに流れ出してしまうそう。「加熱用」は、水にさらされない分、うま味が濃いそうです。滅菌処理していないものは築地でも入手するのが難しいため、今回は処理済みのものでした。が、小川さんいわく「処理していないカキのおいしさったら・・・!」。亜鉛のうま味が口中に広がり、たまらないとか。
「加熱用」のカキは、大根おろしで洗います。ひだの中に気をつけて汚れを落とし、流水で洗うと、真っ白な身が現れてくるそうです。
焼きガキは、みなさん好みが分かれました。生のときと好みが変わった方も多かったです。

私は、生のときにはちょっとクセがあるように感じた広島のカキが、焼いたら味がくっきりと際立ち、いちばん好みでした。

【逸品】 海のミルク鍋 ご飯 香の物

岡山産のカキがたっぷり入ったミルキーな洋風のなべ。この会だけの特別メニューです。
ざく(野菜)は、白菜、えのき茸、しめじに加えて、新じゃがとペコロス(小たまねぎ)が入っているのですが、これがスープによく合う。
だしは、昆布だしと鶏がらをベースにさまざまな味を加えてカキのうま味がしみだしたものを牛乳でのばし、白みそ、ごま油、塩で味を調えたそうです。

<甘味>「蕨餅」わたなべさん好み(茂助だんご)

築地の甘味といえばここ、茂助だんご。定番の甘味は新シリーズでも健在です。

「焼き魚」のしばりがとれてより自由になったのか、今回のミルク鍋はすばらしいものでした。これだけたくさんの大粒で上質なカキを自宅で手に入れることは難しいので、この味の再現はほぼ不可能なのですが、気分だけ楽しめるコツを小川さんに教わりましたので、お伝えいたします。
「カキなべ=味噌仕立ての土手なべ」のワンパターンに陥っている方は、ぜひお試しください。

まず、だしは昆布だしと市販の鶏スープを半々で。好みで牛乳を加えます。白みそはあれば風味が出ますが「なければ塩だけでもOK」と小川さん。
さっそく私も自宅で再現してみました。牛乳は、けっこうたっぷりめに加えたほうがお店の味に近くなります。

野菜は、じゃがいもは必須。キャベツも合いそうです。
白みそは、砂糖などを加えていない甘くないタイプのものを。ごま油はほんのちょっとでよいのですが、そのぶん上質なものを使うと味が違います。
カキはまあ1パックで。コクがたりなければベーコンを加えてもよく合います・・・。
・・・なんだかお店のミルク鍋とはかけ離れてきましたが、気分だけ味わってください。

<ご案内>

昨年1年間実施した「今月の焼き魚」シリーズ、大好評でした。 1月:鰤(ぶり)、2月:鰆(さわら)、3月:さくら鱒(ます)、4月:鯛(たい)、5月:伊佐木(いさき)、6月:時鮭(ときしらず)、7月:鱧(はも)、8月:秋刀魚(さんま)、9月金目鯛(きんめだい)、10月は秋鯖(あきさば)、11月赤睦(あかむつ)、12月鱈(たら)と白子、 毎月食べ続けました。 ここに各回の様子があります。凄いです。

1月 ぶり http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0123.shtml
2月 鰆 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0219.shtml
3月 さくら鱒 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0320.shtml
4月 鯛 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0424.shtml
5月 いさき http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0524.shtml
6月 時鮭 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0619.shtml
7月 鱧 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0717.shtml
8月 さんま http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0828.shtml
9月 金目鯛 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0930.shtml
10月 秋鯖 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/1030.shtml
11月 赤睦 http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/1126.shtml
12月 鱈と白子 サイト準備中

焼き魚の会と称していましたが、毎回の料理は「焼き魚」だけでなく、その月の魚の刺身や煮魚なども含めて、魚食べ尽くしの会でもあり、毎回お腹一杯になりました。

回を重ねる毎に、築地の方がこの会に注目して頂き、天候が悪くてもその日の為に、一生懸命手を尽くして調達して頂き、本当に嬉しい限りの1年でした。

こんなに良い会は勿論継続しよう、という事になっていますが、焼き魚を食べ続けるにしても、他にも食べたいよね、という事で、若干内容を変更しての継続です。

題して、「築地で魚を喰らう」会です。焼き魚、煮魚、刺身、干物、貝類、海苔なども、場合によっては築地で楽しめる美味しいものを組み合わせます。

「魚喰い民族・日本人」として、知っておきたい、食べておきたい、そんな場にして、皆で盛り上がろうと思います。

時折小川さんに連れていって頂く築地市場の場内、場外、ガイドブックを見ながら歩いても勿論楽しいのですが、小川さんと仲卸の社長との立ち話で会が出来たり、(マグロサミットなどはそうでした)本当に貴重な体験と学習が出来ます。

単に美味しく魚を食べる、だけで勿論結構なのですが、もう少し好奇心旺盛な方には、また別の会も設定できます。何せ、市場には沢山の魚、やっちゃ場には野菜・果物も、そして一生懸命働いていらっしゃる人達がいらっしゃいます。

朝早くから働いているそんな方達に迷惑をかけず、一生懸命美味しいものを手配して頂いているのですから、少しでも我々食べ手が美味しさの理由を理解したいものです。

という事で、進化した魚の会、「築地で魚を喰らう」、1月は魚ではなく牡蠣(かき)です。本当に美味しい牡蠣とはどんなものなのでしょうか?

産地毎に種類も異なる牡蠣、味わいが違うのは当然、いろんな産地の牡蠣を集めて食べ比べします。こんな実体験ができるなんて本当に贅沢です。

小川さんの牡蠣セミナーに引き続いての食べ比べ!焼き魚の会12回で、期待を裏切られた事が無いように、今後も任せて安心、きっと素晴らしい牡蠣体験の日になると思います。

市場見学の時に出会った、「三代」という仲卸の高橋さん、小川さんが「築地で一番牡蠣の目利き」との評価ですが、彼がこの日の為に美味しい牡蠣を集めてくれています。

これは大期待ですね。奮ってのご参加お待ちしています。

以下は1年前にお送りした文章を一部修正してあります。なぜこのシリーズを始めたかをお読みください。

日本人は元々は「魚食い民族」でした。世界でもまれにみる、四季がはっきりと変わる気候の中、四方を海に囲まれ、かつ南北に長い地形という国土で、様々な魚が近海で獲れたから、それを食べて生き延びてきました。

仏教信仰の関係で、明治以前には獣肉を殆ど食べなかった事もあり、美味しい魚を食べる為に、漁師さん、市場や流通、魚屋さん、そして料理屋さんに料理研究家、食べ手も含めてこだわりがあり、「魚食い」に関して、種類・調理法とも世界でも有数の国だと思います。

が、その自国の食文化の最右翼である魚に関して、最近はちょっと寂しい状況ではないでしょうか。よくいう喩に「最近の子供は切り身で泳いでいると思っている」

まあ、そんな事は殆ど冗談だと思いますが、魚を知ろう、そして敬意を表して、頂戴したいと思います。その際にどんな食べ方が美味しいのか・・・も知りたいですね。

という事で、2010年1年間12種類の魚を毎月、「今月の焼き魚」を食べる会を続けてきました。

魚のレベルが大変高い築地という町で、魚のプロである小川さんに、魚セミナーもして頂き、それを食べながら、魚に関して何でも聞こうという企画です。「魚食い民族の面目躍如」、ご一緒しませんか?

小川さんは「築地魚河岸三代目」のモデルになった方で、以前は仲卸をなさっていらして、現在は魚料理屋さんを経営という、このシリーズの先生としては本当に最適な方です。どうぞ奮ってのご参加お待ちしています。

<参考サイト>

●築地 魚河岸三代目 千秋 はなれ
http://www.3daime.jp/index.htm

●全国の旬のお魚
http://www.jf-net.ne.jp/jf-net/syun/zen_index.html

●築地魚河岸三代目 ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org

●牡蠣(かき) ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org

<実施概要>

●『築地で魚を食らう』 牡蠣(かき)
〜築地で牡蠣(かき)セミナー&喰らう〜

●日時:1月29日(土)12:00〜14:00
11:45 受付開始
12:00 牡蠣(かき)セミナー
12:15 食事開始
13:45 食事終了 何でも質問会
14:00 終了

●会場 築地 魚河岸三代目 千秋 はなれ
中央区築地4丁目7番5号 築地共栄会KYビル B1F
tel:03-3543-8700
http://www.3daime.jp/index.htm
築地共栄会KYビルの地図
http://www.tsukijikyoueikai.co.jp/map.html

●ゲスト:小川 貢一氏 (同店 店主)

●会費:メンバー 8,000円 ビジター 10,000円
(セミナー代、料理代、記録費 他)
※飲み物は個人精算して下さい。

●募集人数:申込先着順 20名募集 (メンバー優先です)

●締切:1月26日(水)
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。