ギリークラブ(和・倶楽部)で文楽を観始めて14年になります。
最初は国立劇場の当時ご担当の宍戸さんから、「文楽を観てみませんか?」のお誘いで文楽デビュー、こんな世界もあるのだ、と衝撃を受けた事を覚えています。
その後初めてのギリークラブ・文楽の会は人形セミナー、お願いしたのは若き人形遣い吉田幸助さんでした。「ああ、こんな若い人がいるんだ」、「間近で見る人形の動きとは本当に凄い・・・」そんな印象で眺めていました。
それから年4回ある東京公演は毎回欠かさず観劇、セミナーも文楽人形は勿論、太夫、三味線の三業、人形の衣装、首(かしら)、床山、小道具と、何回も実施するうちに、本当に文楽界の方達と懇意になりました。終演後の参加者との交流会にも気楽に来て頂ける仲間になりましたし、何と人間国宝の竹本住大夫師匠にも可愛がって頂ける関係になりました。
本場大阪での公演もきっちり年4回行っており、文楽の為に割いた時間、お金、エネルギーは半端ではないかもしれません。自分がこんなに文楽にはまるとは思ってもいなかったので、私が一番驚いています。言ってもしょうがない事ですが、大阪が本社のサントリー時代に文楽を知っていればもっと違っていただろうと悔やまれます。でもしょうがない、これから先もどんどん楽しめばいいと思っています。
で、「楽文楽」です。以前からこういうサイトをギリーで立ち上げたいなと思っていましたが、私だけの力では無理、始めても行き詰る事は目に見えていました。ところが契機は橋下徹大阪市長の文楽の補助金カット問題、あまりに理不尽ですが的を得ているところも多々あり、でも文楽界の為、そして何よりも文楽を愛している方、興味を持ってこれから接しようという観客の方の為、自分が出来る方法だと思い、株式会社わいず代表取締役の藤澤優氏に提案して2013年に実現したものです。
藤澤氏は元々は人形遣いの桐竹勘十郎さんから紹介された事で付き合いが始まった、文楽公演などの企画もされている専門家であり、何よりも気持ちが素晴らしい方です。この人となら一緒に出来る、教えて貰える、そして私もお手伝い出来る、そんな事で文楽ポータルサイト、楽文楽(らぶんらく)企画が始まったのです。藤澤氏と協力しあいながら頑張って進めています。
当たり前ですがサイト運営にはコストがかかりますので、サポートして頂ける方がいらしたら幸いです。お金がある方はお金を、ノウハウ、ネットワーク、感想や提案、新しいご友人を巻き込んで頂ければとても嬉しいです。勿論素晴らしい文楽体験をアレンジさせて頂きますし、サポーターの方にしか出来ない事、行けない場所へもご案内したいと思っています。どうぞ応援して下さい。
まずは楽文楽へのご訪問、そしてご吹聴をよろしくお願いします。“らぶんらく”、変な名前ですが、もちろん“Love 文楽”の気持ちを込めています。
2017年2月 楽文楽編集長 渡辺幸裕
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