ギリーあらかると

■2008年4月掲載の情報

2月から3月にかけてパリに行きました。
青柳の主人、小山裕久氏による日本料理のセミナーへの立会いでした。単なる立会いで、本当に傍に立っているだけでしたが、得るもの、感じるものが大変多い旅でした。(日本料理セミナーは日本でも実施、第一回目を4月24日に開催します。)

パリ滞在中オフ日にベルサイユに行きました。週に2日か3日市が立つそうですが、ここはルイ16世の時代からお金持ちが集まる街、ある意味パリよりも良い食材が集まる市場だそうです。

広場にテントの仮設店舗があるのは他の街と同じですが、広場を囲んで建物があり、その中には常設店があります。その又外側にビストロや物販店、お金持ちが多いので骨董品店などもあり、コンパクトにフランス人の富裕層(これは決してお金を持っているだけでなく、精神的に、気持ち的にも豊かな方)が楽しめる場所になっていました。

市場には魚、肉、果物、野菜、花は勿論ですが、ワインやチーズ、ケーキ、チョコレート、テリーヌなどの惣菜、そしてフォアグラ専門の店もあるなど、さすがベルサイユの市場、という感じです。

広場は昔ながらの風景なのですが、実はその地下5階までが駐車場なのです。近代的で便利なファシリティは常備しているけれど景観はしっかり守る、見習いたいものです。みんながそれに価値観を認めているのでしょうね。

レストランだけでは分からないフランスの食を取り巻く文化、気持ちの余裕、単に数時間の滞在でしたが、ベルサイユの市場はさすがだと思いました。

ミシュランでいくつ星が付く、だけで騒いでいてはいけません。食事をする時間を楽しむのは、一緒に居る人との時間を楽しむ事であり、会話、お互いの気遣いが重要であり、その時間を快適にするためにサービス業であるレストランやビストロが、自分達の哲学、美学でお客様に接する、これが原点だと思います。

食材の産地や種類、調理法、味付け、盛り付け、メニュー構成、量、食器、インテリア、値段、サービス精神・・・色々な要素があります。
提供する側の問題もありますが、まずは客がどのように楽しむか、これが一番重要ですね。

『黙って食べなさい』という教育を受けた世代には難しい事もありますが、世界と交流する、ましてや仕事をする時代です。楽しくそういう習慣は身につけたいものです。フランスかぶれになる必要もなく、日本人であるプライドを持って生きたいと思いますが、良い習慣は見習いたいと思います。

食事の時間を楽しくする為、まだまだ我々は(というか私は)学ぶべき段階です。

ベルサイユで素晴らしい光景に出会いました。今回のパリ行きで1番の写真が撮れました。とても素敵な老夫婦(だと思う)の写真です。ですがその方の了解を得ていませんのでサイトでは公開できません。

ご希望の方だけに、直接お目にかかった時にお見せします。とっても、とっても素敵な方々で、自分もああなりたいと思わされました。今でも思い出すと新鮮な気持ちになります。

■2008年2月掲載の情報

冬の京都

1月下旬が1年中で一番、京都が空いている時期らしいです。正確には下旬ではないのですが、京都に行ってきました。
 
“木乃婦”で美味しい料理を食べ、ゆっくり寝て、翌朝、金閣寺と特別公開の東寺の五重の塔に行ってきました。 
 
京を歩く時は、まるでスタンプラリーのように、あわただしいスケジュールで回っては駄目ですね。足跡を残すだけで、心の中に残るのは寂しいものになります。
 
とても久しぶりに金閣寺に行ったのですが、最初は修学旅行、次は友人と、そして家族で、今回は妻と二人でゆっくりと歩いてきました。
 
空いているといってもそこそこの人は居るのですが、それでもゆったりできる人数で、快適でした。人が少ないから、ゆっくり写真も撮れましたし、雰囲気もなんか寂しいものが感じられると思います。
 
「祇園祭礼信仰記」(ぎおんさいれいしんこうき)ー「金閣寺」この1月は大阪での文楽、浅草歌舞伎で、この作品を見ました。人形浄瑠璃と歌舞伎で、比較する事が出来ましたが、雪姫の可憐さを思い出しながら、金閣寺を見ていました。
 
和・倶楽部を始めてから6年ほど経ちました。日経ビジネスアソシエでの連載“日本かぶれ”は3月で終了しますが、42本のテーマで和の取材をしてきました。
 
専門家にお目にかかり、話を聞かせて頂くと、“日本人に生まれて良かったとますます思えます。”今まで見えなかった事を沢山知ることが出来ました。
 
今年も日本探しの旅は続きます。

■2008年1月掲載の情報

永田哲也氏の和紙造形の作品に触れるため、正月に、虎ノ門のホテルオークラに行ってきました。本館ロビー内には大きな作品が飾られていました。

和菓子の木型を使って、和紙で造形する作品ですが、正月らしくおめでたい形状の作品で囲まれたロビーは、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛、、、、正月になると日本人が願う気持ちで溢れていました。

その前に東京ミッドタウンのサントリー美術館に行ったら、思いがけず茶室での初釜にお呼ばれしましたので、今年は正月からとっても清々しい気分になりました。

今年1年健康で過ごせますように、家族が平和でありますように、そして刺激的な1年になりますよう、そんな勝手なことを願った時間でした。

とても日本人的な正月ですね。
今年もどうぞよろしくお願いします。。

Copyright(c) Gillie Company Limited. - All Rights Reserved.
オンライン・ギリーの画像および文章は、株式会社ギリーの許可なしに無断転載・引用することはできません。