ギリーあらかると

■2015年1月掲載の情報

アナログで楽しむ

2015年が始まりました。年が改まると気分ががらりと変わるのは、子供の頃から変わらない体質のようで、元日には例年通り全新聞を買い集め、記事や広告の比較や自分なりの分析から今年が始まりました。昔ながらの手法、記事ではありますが、そこに登場する各界の人のちょっとした表現の中に、この時代を生きる何らかのヒントが正月の新聞紙面にはあります。この分析の会が実現できればなあと思っていますが、そうこうしている内にパリのテロが起きて、今年も考えさせられる事が沢山あるのだろうと予想されます。

しかし自分が日本人である事を、しみじみ感じさせられた時間を過ごしてきましたので、少し写真をお裾分けします。三が日は東京で初詣のはしごで過ごし、4日からは京都・奈良に小旅行してきたのです。修学旅行でもないし、スタンプラリーでもない、何回も滞在しているのでゆったりのんびり、美味しいもの、行きたい場所、観たいもの、会いたい人を訪ね、新しい気づきと発見、ヒントを貰う旅、空き時間には読書と仕事、、、“公私融合の自由人”の私らしい息抜きであり、楽しむ年初の休暇でした。

底冷えという表現がありますが、60年ぶりの雪景色の庭園は本当に素晴らしかったです。雪があるうちにと初日に青蓮院に行きましたが、しんしんと冷える方丈の板の間、窓など無いのですから本当に寒い!その床に座って見る雪の庭は幻想的で言葉を失い、しばし寒さを忘れていました。しかし現実に戻ると、庭を歩いていても鼻の奥が痛くなり、骨まで冷えるというのはああいう事です。

寺を出て即刻暖を取りたかったのですが日曜夕方ゆえ早仕舞いの店が多く、またまた寒い中を一生懸命歩いてやっと一軒の家族経営のお菓子屋さんに入り温かい紅茶で生き返り、脳の解凍をしました。年末からひいていた風邪が治ったばかりでしたので「極暖ヒートテック」などで完全防備していましたが、いやはやあんな寒さは未体験ゾーン、“底冷え”を身を持って知りました。

奈良ではこんなにゆっくり大仏さんの表情を眺めた事はないぞ、と思う位、じいっと見入ってきましたが、その柔和な表情は、仏師の技術だけでなく信仰心の成せる技であり、静かな力強さにも圧倒されました。京都・奈良だけでなく我々の日常、周囲にも仏像彫刻は沢山ありますし、一様に優しさがあります。それらと長年触れてきた、同時に仏様から見られてきた日本人、独特の信仰心というか感性をDNAとして受け継いでいるのではないでしょうか。

奈良にある印刷会社からお送り頂く「仏像カレンダー」を亡くなった母が大変気に入って居たので、今年も実家の母の部屋に飾って貰って居ますが、この仏像写真が凄いのです。この印刷会社とも連絡を取り、仏像と日本人を考える、といった企画も考えたいと思った大仏さんとの再会時間でした。

今後は年初の挨拶も、葉書ではなくメールやSNSでのコミュニケーションが全盛になると思いますが、アナログの良さは本当に大きいし、実体験、現実の出会いこそが人を動かします。新聞、神社、庭園、雪、京料理、抹茶、仏像、、、大切にしたいものですし、そして、人と人が出会う場所が何よりも貴重です。人と人を引き合わせる案内人がギリー、今後も続けていきます。

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