ギリーあらかると

■2009年11月掲載の情報

秋の二本松

「大七酒造見学会」に行ってきました。
この蔵元さんとはずっと懇意にさせて頂いており、酒米の田植え、稲刈りの時にはギリークラブの仲間でお邪魔して、酒造りの前の米作りのほんの一工程だけ、それも華やかな時だけ、まあいっていれば「おいしいとこどり」という勝手なものではありますが、蔵の方々と一日一緒に汗を流し、労働の後はうまい大七を酌み交わす関係です。

毎回、蔵元の方の本当に心のこもったおもてなしには、参加者一同本当に感激しており、東京に帰って清酒を飲む時にリストで大七を見つけると迷わず指名する人が多いようで、真の交流というものは人の心を動かすのだと、企画者としては本当に嬉しく思っています。

田植えや稲刈りの時に「二本松の菊人形」というポスターが貼られていて、造花のサンプルが駅にあったりして、これはぜひ一回現物を、と思ってこの時期に蔵元見学会を企画したものです。平日の昼間という事で少ない人数でお邪魔したのですが、二本松城の菊人形、素晴らしい紅葉、そして酒造り真っ盛りの蔵元と大変充実した時間を過ごす事が出来ました。

当日の様子を写真でお楽しみください。

■2009年5月掲載の情報

永田哲也氏個展 at 蕉雨園

友人の造形家・永田哲也氏の個展が自宅近くの蕉雨園で行われました。2日間だけの展覧会は当事者にしてみたら搬入&搬出で大変、という個展ですが、観る私達にとっては、こんな贅沢な鑑賞はないという時間でした。

蕉雨園という素晴らしい環境に身を置くだけで心が落ち着くのに、永田さんの和紙の造詣がこの雰囲気にぴったりで、夢心地の時間でした。畳の部屋に吊られた鯛が2匹、あたかも泳ぐように風に揺らめき、床の間の奥の金色の壁紙に和紙が映えていました。

妻と二人、大変豊かな気持ちになって良い時間を過ごしました。先月訪問した桂離宮よりも良かったかもしれません。久し振りに永田さんの作品に接し、素晴らしい気分になりました。先週から風邪ひきだったのですが、この空間に身をおいてすっかり良くなった気がします。有難うございました。


※永田哲也さんの作品「和菓紙三昧」
日本全国で使用された年代や地域も異なる和菓子の木型を収集し、人生の節目の場面、冠婚葬祭など様々な祝いの場面に関わってきた記憶のイメージやそれぞれのモチーフに込められた我々日本人の本来的な自然や食文化に対するデザインを和紙に写し取り、ギフトやインテリアアイテムとして展開することで、現代の生活空間のなかに蘇らせ、再度、味わうことを目的として生まれたアート。

※蕉雨園
明治30年、宮内大臣田中光顕伯により建設された。三重県桑名の棟梁大河喜十郎の施工と言われている。
 大正8年、田中光顕伯は渡辺銀行総裁の渡辺治右衛門氏に邸宅を譲り、その後昭和7年に講談社初代社長野間清治氏が購入した。
園内にある松尾芭蕉ゆかりの芭蕉庵、五月雨庵にちなみ、蕉雨園と名付けられた。
蕉雨園は椿山荘に隣接して約6000坪の敷地をもち、涌き水が出る大池と回遊式庭園に囲まれた明治の貴重な建物。

■2009年1月掲載の情報

2009年になりました。

これはハワイ島、マウナ・ケアという山の頂上(4,205m)で私が撮影したご来光です。多少は防寒対策をしましたが、そんな事を超越した、ハワイとは思えない寒さの中で、まともに動かない指に神経を集中させて必死に撮りました。

一日が始まる時に発する太陽の光には、圧倒的なパワーがあります。我々が今日一日を生き長らえるためのエネルギーが貰えます。いや、溢れています。皆が寝ている時間にちょっと努力をすると、こんな感動的な光景に会えるのですね。(それも毎日毎日起こっているのですから、大変な事です。)

暗い空がどんどん明るくなり、来るぞ、来るぞと待ち構えている雲海の端から、パァッ!と太陽が顔を出すと、みるみるすごいスピードで大きくなります。先ほどと変らず寒いのに、この光だけでとても暖かく感じるから不思議です。

息を飲んで眺め、あ、あ、あ、と思いながら夢中でシャッターを押し続ける、押しながら思わず願い事をしてしまうのは当然の気持ちです。「家族全員幸せでありますように」、「健康でいられますように」、これは初詣でお願いする事と同じだな、そんな事をハワイで思いました。

どうぞ今年もよろしくお願いします。我々はいろんなパワーで生かされている、そんな事を忘れず、人間としての分を守って生きていきたいと思います。

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